教員紹介

高島 敏夫
(たかしま としお)
白川静記念東洋
文字文化研究所

専門分野と今後の展開

中国の古文字(特に甲骨文と金文)を用いて、古代中国の歴史と文化を研究しています。白川文字学第二世代として、白川文字学を発展させることが大きな課題です。その出発点となる『甲骨文の誕生 原論』(人文書院)を刊行しました。
 第二世代としては、白川文字学をできるだけ正確に理解する段階から、それを発展的に進めるという新しい段階に入りました。上記の書物で示した新しい文字観で甲骨文や金文を見直すという段階です。ここでいう新しい文字観とは言語と文字の関係を考えるという意識を常にもって文字現象を見直すという考え方のことです。白川静先生の築かれた土台の上に立ってこれを進めるのは言うまでもありませんが、この文字観に立つことによって、今まで死角になっていた様々なものが見えて来るという現象に出合っています。
 上記の文字観にはよる実践の場として「初期漢字研究会」を運営しています。この研究会には意欲的な院生や学生諸君も混じって様々なテーマに挑んでいます。白川文字学は白川静先生一代で完成したのではなく、今後も発展していく可能性が残っています。若い世代の積極的な参加を期待しています。
 なお近々公表されることになっている殷代末期・西周初期の新出甲骨文(周公廟甲骨)の解読も、この研究会が視野に入れているテーマです。若い人の中から白川文字学第三世代の現われることを期待しています。

中国学の魅力は

 中国学は伝統のある学問ではありますが、新しい時代に相応しい研究を試みる余地がいっぱいあります。若い人は、みかけの新しさだけに惑わされず、古いものを新しく再生させていくという魅力ある仕事にも挑戦してほしいと思います。それがまた〈現在〉を新しく生きることにつながるはずです。

ひとこと

 趣味は音楽鑑賞です。クラシックからポップスまで気に入った曲は何でも聞きます。時々楽器をいじります。

主な論著

■ 著書・論文
発行年タイトルソース
2017年西周王朝論《話体版》 朋友書店
2016年白川文字学の原点に還る 「甲骨金文学論叢」を読む 朋友書店
2015年甲骨文の誕生 原論 人文書院
1997年~2011年西周<昭穆期>の位相 「西伯」第1号~第5号
1999年、2000年
連載中
<令>字論序説 「西伯」第6号・第7号
2007年周原甲骨の歴史的位相 「白川静記念東洋文字文化研究所紀要」第1号
継続中『天命』『大命』の意義変遷の示すもの
2008年~2012年《白川文字学の原点に還る》シリーズ 「白川静記念東洋文字文化研究所紀要」第2号~第6号
(5回で終了)
2013年~継続中《殷周革命論ノート》 「白川静記念東洋文字文化研究所紀要」第7号~
(現在4回)

その他、「専門分野」と関連した文字学や考古学、環境考古学、国家論関係の論文の翻訳も少々あります。
若年の頃の「中島敦論」を書いていたことがあります。文学から出発したのだということを一言記しておきます。

発行年タイトルソース
1982年、1983年「中島敦論」(1)(2) 「試行」第59号・60号
1980年中島敦小論 「試行」第55号