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環境計画研究室
平井昭三 さん
理工学研究科
博士課程前期課程2回生
環境計画研究室
景山早人 さん
理工学部環境システム工学科4回生
伯母川ビオ・パークには琵琶湖をきれいにする仕掛けがたくさん隠されています。母なる湖を支える施設なだけに、その整備やメンテナンスには、多くの人がかかわっています。
毎日の生活に根ざした研究に携わっているからこそ体験できる地域との繋がりを、平井昭三さん(理工学研究科博士課程前期課程2回生)・景山早人さん(理工学部環境システム工学科4回生)、そして、理工学部の山田淳教授に伺いました!

■まずは、環境計画研究室を選んだキッカケを教えてください。

平井さん 学部生の頃から将来やってみたいことがいろいろとあったのですが、やるからには社会的に意義のあることをやりたかったのです。この研究室の社会との繋がりを重視している方針に惹かれました。

景山さん 私は特に「これがやりたい!」というものは持っていなかったんです。でも、研究室を見学した時に、この研究室が行っている研究の全てに興味が持てました。ここなら成長できそうだと直感したのです。

■今は、どのような研究をされているのですか?

景山さん 先ほど紹介した伯母川ビオ・パークで、各施設の浄化能力を調べています。去年までに、ある程度の調査は終わっているのですが、今年は特に水耕栽培型植生浄化施設で、植物がどれだけ汚染物質を吸収しているのかを調べようと考えています。

■その調査はどのように行うのですか?

景山さん 実は、水耕栽培型植生浄化施設で使用している植物は、当たり前のことですが日々成長するので、放置すると根が張りすぎて、水の流れが徐々に悪くなってしまうのです。水が溜まってしまうと、浄化作業がうまくいきません。そこで、ボランティアでこの施設の整備作業を手伝ってくださっている地域住民の方々と一緒に、年に2、3回この施設の植物の間引き作業を行います。この時、大量に間引きされた植物を回収するので、それらの成分を分析して、汚染物質の量を調べるんです。

平井さん 私は、さらにこのボランティア活動を通して行われている「環境学習」に着目した研究をしています。この施設は、実際に水をどれだけ浄化できているのかといったハード面だけでなく、施設にかかわることで、どれだけ環境保全に対する人々の意識を向上させられたのかといったソフト面でも、全国に先駆けた取り組みを行っています。去年までのアンケートやヒアリング調査で、この施設に関する活動に参加した人としていない人では、参加した人の方が環境保全に対する意識が高いことがすでにわかっています。

■研究活動の中で地域の方と接してみた感想を聞かせてください。

景山さん さきほど言ったように、植物の間引き作業を、30人ぐらいのボランティアの方々と一緒に行いました。最初はうまく馴染めるか不安だったのですが、地域の方々は話しやすい方ばかりで、すぐ溶け込めました。様々なお話をする機会を持てたことも収穫でした。ただ、鎌で植物を刈っていく作業で、次の日はしっかり筋肉痛になっていました!

■活動に参加して得たものは何ですか?

景山さん 研究室に配属が決まってから、この施設についての知識はたくさん詰め込んでいました。けれど、実際に活動して初めて本当の実感が持てます。教室内だけでの学びとは、大きな違いだと思いました。

平井さん 活動の中では、草津市の職員の方等、たくさんの社会人の方々と接します。多くの方と話しているうちに、現状を知り、社会から必要とされていることは何かを知ることができます。すると、自分の研究に何をプラスアルファすれば、より社会で役立つのかが見えてくるのです。そんな意識が持てたのも、この活動のおかげですね。

理工学部
山田 淳 教授

伯母川ビオ・パークは、私が建設の計画から携わった施設です。もともと、私の研究室では、社会との繋がりを意識した研究活動を重視していましたので、この施設もまた、地域と繋がりのある素晴らしい環境だと考えました。ただ、こちらが研究のためだけに使うのではなく、研究結果を草津市やボランティアの方々等、この施設に関わる人たちにフィードバックすることで、大学と地域、それぞれの役割を高めあっていこうと意識しています。研究内容をわかりやすく説明して還元しているという面で、この活動は地域に大きく貢献できていると思います。

大学にいる間に、地域・社会の方々と接することは、学生の社会性を高めることができると考えます。これからも学生の皆さんには、研究を通じて社会との繋がりを実感し、自信を持って卒業していってもらいたいですね。

取材・文 酒井まり穂(理工学部4回生)
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