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山形大学「IR担当者向け実践プログラム(第1期)」を修了しました
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2020年5月から10月まで、山形大学「IR担当者向け実践プログラム」に参加する機会を得ました。本学では、2019年度より大学評価室を大学評価・IR室に改組し、全学的なIR機能の整備を進めていることもあり、IR分野で著名な先生方によるプログラムからIRの標準的な体系や水準、他大学の取り組みを学びたいと考え、参加しました。
本プログラムは、5つの要素(Contextual Knowledge、Assessment、Data Management、Data Analysis、Data Storytelling)および4つの科目群(IR入門、IR応用、データマネジメント&分析、IR実践)から構成され、データマネジメントの講義、データ分析やレポーティングの実践を含んでいる点がこれまでにないプログラムの特徴となっているように思います。
IRに関する概念や情勢、事例からは、これまで関連付けて考えることがなかった概念の関係性を深く考え、またその概念に当てはまる自学の取り組みを抽出する過程において、多くの気づきを得ることができました。また、ExcelやPower BI、統計ソフトRを使用したデータマネジメント、データ分析からは、データと向き合う際の姿勢、ロング型やワイド型というデータ形式に加えて、Rのコードとともに、「Tidy」というデータに関する新しい概念について学ぶことができました。
11名の受講生の皆さんは、東北地方から中国・四国地方、また国公私立大学の様々な部署から参加されており、ほぼ毎月行われるデータ分析報告では、その着眼点や切り口の多様性、新鮮さから多くを学ぶ貴重な機会となりました。
本プログラムは、2020年度春開講ということで、立ち上げ期にコロナ禍が加わり、運営される先生方にとっては困難が続く状況だったと思いますが、講義動画60本以上、総時間数は70時間を超え、データ分析発表については個別のフィードバックもいただける等、質・量ともに内容の濃いプログラムでした。そのようなプログラムを第1期生として、11名の受講生の方とともに修了できたことを嬉しく思います。
第1期のプログラム自体はオンラインを中心としたものでしたが、本プログラムでは受講生向けのメーリングリストも作成されており、IR分野の職能につながるネットワーク形成や情報交換等の場として、大きな可能性を有しているように思います。
IRに特化した日本初の履修証明プログラムでの経験を実践で活かし、また組織内で普及させながら、大学における意思決定支援、経営の高度化に少しでも寄与できればと考えています。
(報告者:増田)
(関連リンク)
山形大学OIRE Webサイト:https://ir.yamagata-u.ac.jp/
大学評価・IR室開設記念シンポジウム特集ITL Newsが発行されました
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昨年開催した大学評価・IR室開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか―認証評価やIRの視点から―」を特集したニュースレター『ITL News』が、本学教育開発推進機構から発行されました。
このシンポジウムは、教学的にも非常に重要なテーマであるとの認識から、教育開発推進機構内の教育・学修支援センターとの共催により開催したものです。自己評価委員会や教学部の呼びかけのもと、当日は学部・研究科をはじめとした各部署から広く教職員の参加がありました。
特集では、ご登壇頂いた方々に改めてその要旨をまとめて頂きましたので、シンポジウムにご参加頂いた方も、頂けなかった方も、大学の内部質保証やIRについてお役に立つ機会になれば幸いです。
本ニュースレターは、教育開発推進機構のホームページに掲載されるとともに、学内のすべての専任教員および事務室にも配布・共有されます。
開設記念シンポジウムを開催しました
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これを記念して、9月5日(木)、朱雀キャンパス大ホールにおいて、立命館大学 大学評価・IR室 開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか-認証評価やIRの視点から-」を開催しました。
学外から多くの高等教育関係者にお申し込み頂き、当日の参加者は学内教職員も含めて300名近くに上りました。
基調講演では、大阪大学の川嶋 太津夫先生から、IRとは何かについて、歴史的変遷やアメリカの先進事例、日本の現状を交えながら大局的なご説明頂きました。また、日本の大学の内部質保証におけるIRの役割や課題についてご考察頂きました。
お話の中では、日本においてIRは、教育プログラムの点検・評価や有効性の検証、認証評価において強調されているが、アメリカではIRからIE(Institutional Effectiveness)、DS(Decision Support)へと広がりを見せ、大学の様々な領域や各部署における意思決定を支援するものとなっていることのご紹介もありました。
ご講演の最後には、IRのあり方に定型は存在しないこと、自律的な組織にとって情報に基づいた意思決定は不可欠であること等の総括があり、IRが大学の行く末を照らすものとなるように願うと締め括られました。
その後は、まずは立命館大学の事例として、大学評価・IR室 副室長の鳥居 朋子先生から、立命館大学が2018年度に受審した認証評価の経験を踏まえた内部質保証の到達点と課題についてご紹介頂きました。学部・研究科の独自性を尊重しつつ、部分最適を超えた全体最適を志向することの重要性が語られました。
次に、明治大学の事例として、教学企画部の
山本 幸一氏より、明治大学におけるIRの機能と
それを発揮するための組織体制、IRオフィスに
おける多様な活動についてご紹介頂きました。
明治大学におけるIRとは、意思決定を支援する
上で必要な情報を提供するための調査・分析で
あり、データを情報に変換し、レポートすること
であるとのお話がありました。
最後に、立命館アジア太平洋大学(APU)の事例として、副学長の横山 研治先生より、APUが世界市場で留学生に選ばれるための国際認証(AACSB)取得までの道のり、その評価基準やご自身のご経験に基づいた国際通用性のある大学教育と日本の大学教育とのギャップ、APUでの取り組みについてご紹介頂きました。お話の中では、AACSB におけるAssurance of Learning (AOL)の考え方のご紹介と、日本の大学におけるカリキュラムの細やかな見直しや必修科目の必要性について示唆がありました。
その後、参加者交流会をはさんで、「国際的通用性を踏まえた大学の内部質保証とIRの役割」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、大学が学位授与機関であることを改めて自覚し、授与する学位の水準やクオリティを保証することの必要性が再確認されるとともに、大学固有の理念や文化等に基づく内部質保証やIRのあり方の検討、中長期的かつ全学的な視点での教学マネジメントの重要性、日本国内に限らないグッドプラクティスの収集や大学での柔軟な制度化等について意見が出されました。
参加者アンケートでは、「概念や理論の説明にとどまらず、現場レベル、運用レベルの話も聞けた。自大学に実装する想像がしやすかった。」、「IR室のマネジメントや学内での役割について、大いにヒントを得ることができました。」、「内容豊富な事例報告を3つも拝聴でき、またIRのこれまでとこれからをコンパクトにお伝え下さった基調講演を耳にすることができ、とても貴重な機会となりました。」「すべての報告、パネルディスカッションとも刺激的でした。」といったご感想を頂きました。
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