ニュース
2015.06.26
セミナー報告:少数民族保護の紛争後社会への影響-マケドニアを事例に
6月25日(木)、衣笠キャンパス恒心館において標記タイトルの公開講演会を行った。講師は、大阪大学国際公共政策研究科特任准教授の中内政貴氏である。
本講演では、連戦終結以降、ヨーロッパ共同体(EC)や全欧安保協力会議(CSCE)が少数民族保護のための枠組みを提供してきたことを確認した後、マケドニアの事例を確認した。マケドニアでは、マケドニア系の多数派と、アルバニア系の少数派の民族融和が課題である。アルバニア系ゲリラと政府との対立が2001年に発生したが、国際社会の仲介によりオフリド枠組み合意が結ばれ、アルバニア系の地位向上が約束された。しかし、マケドニア系は合意の履行に積極的ではなく、アルバニア系も不満を抱いている。少数民族の保護が、規範として国民の間に内面化しているのではなく、押し付けられていることから、逆に対立を助長している側面もあることが指摘された。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構の主催で行われ、共催として国際地域研究所「グローバル化時代の「民族・宗教紛争」と非伝統的安全保障に関する統合的研究」、「セキュリティ・ガバナンス研究会」が関わった。およそ30人の学生が参加した。
2015.06.23
7/9 (木)~7/14(火) 博士論文公開審査会
2015.06.22
セミナー報告:ケニア、トゥルカナ地方行政区における多層的な紛争と石油産業
講師:ケネディ・アガデ・ムクトゥ氏
京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科・客員教授
米国国際大学アフリカ校・准教授
6月18日、立命館大学恒心館において、標記タイトルでのセミナーを開催した。国際関係研究科とグローバルイノベーション機構(R-GIRO)との共催である。講師は、米国国際大学アフリカ校の准教授であり、現在、京都大学にて客員教授として滞在されているケネディ・アガデ・ムクトゥ氏である。参加者は50名ほどであった。
本セミナーは、ケニアのトゥルカナ地方行政区に関しての内容である。ムクトゥ氏は三年間、トゥルカナ地方行政地区で調査を実施しており、本セミナーでは、その内容について発表した。この地域では、石油発見以前から紛争が絶えないが、石油が発見されて以来、多くの問題が新たに立ち上がった。特にガバナンスおよび人間の安全保障にかかわる問題は深刻である。いかにそうした新たな問題が、いかに影響を与え合っているのか、そして、それらの問題が既存の紛争の動態といかに関わりあっているのかについて論じられた。ムクトゥ氏によると、石油開発は紛争をさらに深刻化させ、犯罪件数の増加ももたらす可能性がある。また、牧畜民の生業への支援が不在なことも重要な帰結をもたらしうるという。
2015.06.08
6月5日~6日 「Professional Training」 綾部フィールドトリップ報告
綾部市役所では、学生たちは山崎善也市長から綾部市の人口減と高齢化の現状についての説明を聞き、日本の地方行政が抱える課題について学びました。
日東精工株式会社では、生産現場を実際に見学し、地方企業でありながら、世界規模で事業展開する日本企業の実態を体感しました。
十倉名畑町の黒谷和紙工芸の里を訪問し、和紙の製造工程を知り、院生全員が和紙すきに挑戦しました。初めての体験に目を輝かせながら、自分だけの和紙を製作しました。
最後にグンゼ記念館を訪れ、創業130年来変わらない起業家精神と社会に奉仕する経営哲学を学びました。
13の国と地域の院生たちは、改めて日本、京都で学んでることを実感し、それぞれ思い思いの表情で真剣に取り組んでいました。
2015.06.06
セミナー報告:第三世界が作った世界秩序―バンドン会議と冷戦後の国際秩序
5月21日(木)、衣笠キャンパスにて、アメリカン大学のAmitav Acharya教授による講演会「第三世界が作った世界秩序―バンドン会議と冷戦後の国際秩序」が行われた。
今年はバンドン会議が開かれて60年という節目の年にあたる。講演では、同会議が第二次大戦後の世界の政治的動態に与えた影響と意義が論じられた。Acharya教授は特に、バンドン会議の遺産として、冷戦の構図が作り変えられたこと、非同盟運動が誕生したこと、また今日のASEANの中心となる東南アジアという地域的国家関係が形成されたことを強調した。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構との共催で行われた。およそ120人の学生や教職員が参加し、熱心に講演に聞き入った。
2015.06.06
セミナー報告:ラオス北部における植生動態と地域住民のリスクマネージメント
6月4日(木)、名古屋大学より広田勲氏をお招きし、衣笠キャンパス恒心館において「ラオス北部における植生動態と地域住民のリスクマネージメント」と題するセミナーを開催した。
セミナーでは、近年の経済発展によって、ラオス北部の自然環境に依存する人々の生業形態が大きく変化していることが報告された。広田氏は、こうした変化は焼畑システムの柔軟性を喪失させる結果となり、それに伴って焼畑地における豊富な植物資源、生物多様性を失うことに繋がる危険性を指摘した。
セミナーは、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構との共催で行われた。およそ50人の学生が参加し、熱心に講演に聞き入った。
2015.05.29
【6月18日(木) 18:00-19:30】教員との研究相談会開催!
2015.05.15
セミナー報告:「人間の安全保障」の行方―人間の安全保障と平和構築
5月14日(木)、衣笠キャンパス恒心館において、初代在東ティモール大使で、現在日本国際問題研究所客員研究員である旭英昭氏をお招きし、「『人間の安全保障』の行方―人間の安全保障と平和構築」と題する公開講演会を行った。
本講演会は、2015年3月に増補改訂された、旭氏の『平和構築を再構築する―日本はイニシアティブを発揮できるか』の出版を記念するものである。旭氏は、「人間の安全保障」概念の形成から国際的な発達過程に深く関わった経験を踏まえ、同概念が現在では日本の外交政策として定着し、実践の段階に進んでいる点を指摘した。また、人間の安全に対する脅威を3つに類型化し、平和構築との関係を明らかにした。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構、人間の安全保障学会関西支部との共催で行われた。およそ50人の学生が参加し、熱心に講演に聞き入った。
2015.05.13
5/23(土) 森永卓郎氏 立命・国関で語る
2015.05.08
セミナー報告:「和解理論と東アジア情勢」
セミナー報告:「和解理論と東アジア情勢」
5月7日(木)、衣笠キャンパス恒心館において、イギリスのコベントリー大学より
Alan Hunter教授(同志社大学客員教授)をお招きして、「和解理論と東アジア情勢」と題した講演会を行った。
本講演は、東アジアの地政学的観点から日中関係に焦点をあて、近年問題化している両国間の和解を論じるものであった。
Hunter教授は、まず日中関係の現状を分析し、現実的で達成可能な和解の方法を模索すべきだと主張した。
その上で、政治的な解決策が見いだせない中、市民レベルの文化的、
経済的交流が進む両国の相互依存関係を指摘し、両国間の和解に対して楽観的な見方を示した。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構との共催で行われた。
およそ50人の学生が参加し、積極的に議論に加わった。
2015.05.01
セミナー報告:「修士論文から国際協力の実務へ―紛争下の子どもの問題を事例とした、私の体験談」
講師は、2014年度JPOとしてUNICEF南スーダンに派遣予定の幸村真希さん。将来国際協力の道に進みたいと思っていた幸村さんは、
アフリカにおける子供兵の問題を修士論文で取り上げたことが、いかにその後のNGOや国際機関での実務に関係しているのかを語った。
講演では、聴衆の学生や院生に「迷うことなく現地に行ってみて」と呼びかけた。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構との共催で行われた。
学部生・院生を含め、およそ30人が参加し、講演後には活発な質疑・応答がなされた。
2015.04.30
セミナー報告:食糧安全保障、開発と世界食糧システムの観点から
セミナー報告:食糧安全保障、開発と世界食糧システムの観点から
4月23日(木)、衣笠キャンパス恒心館において、カナダのトレント大学よりHaroon Akram-Lodhi先生をお招きし、「食料安全保障、開発と世界食糧システムの観点から」と題して、講演会を開催した。
本講演会では、現在人類が直面している食料安全保障にかかわる問題が、世界の食糧システムと関連があることが論じられた。Lodhi教授は、人口増加が食糧危機の要因であるという説に対し、統計データなどを用いながら、先進国でのバイオ燃料のための食糧生産増加など、世界の食糧システムの在り方に問題があることを指摘した。
講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構との共催で行われた。およそ90人の学生が参加し、講演後には活発な質疑・応答がなされた。
2015.04.27
諒友館食堂において新メニューカードの表示スタート 
2015.01.21
[ニュース] 「西川長夫先生と〈私〉――国際関係のなかの〈文化〉とは」を開催
2014年12月3日、故西川長夫先生(立命館大学国際関係学部名誉教授)の追悼記念講演会が開かれました。講師は本学部の卒業生でもある杉浦清文先生(中京大学)で、「西川長夫先生と〈私〉――国際関係のなかの〈文化〉とは」というタイトルで、西川先生との思い出を皮切りに、西川先生の『新・植民地主義論』から多大な影響を受けたというポストコロニアル研究について熱く語って下さいました。「ポストコロニアル」とは単純な「植民地後」という意味ではなく、植民地とされていた国、地域が、独立後も植民地主義的な支配(政治的、経済的な支配だけでなく、文化・心性にかかわる領域まで)の元に置かれ続けている状況を指すこと、そして現在、その「支配/被支配」の関係が、グローバル化の名のもとに「隠蔽されながら」さらに強化されていることが、カリブ海(世界で最初に西洋の植民地支配下に置かれた場所)の島々の事例や映像などを元に説明され、学生たちは真剣に聞き入っていました。最後に君島東彦副学部長が「ポストコロニアル研究の視点は、国際関係学部のどのプログラムにおいても非常に重要である」という言葉で締めくくられました。
西川長夫先生のご業績・最終講義「フランスの解体?―もうひとつの国民国家論」はこちらでごらんいただけます。
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ir/college/bulletin/vol12-j.html#no.3(立命館国際研究「西川長夫教授退職記念論集」)