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ゲスト講義実施報告(世界銀行 東京事務所上級対外関係担当官 大森 功一様)
2026年4月22日、「国際連合入門」(担当教員:金児真依)の授業にて、世界銀行東京事務所 上級対外関係担当官の大森功一様にお話頂きました。175人の受講生は、立命館大学卒の大先輩である大森さんの話を真剣に聴き、活発に質問をしていました。

また、地球規模課題についての大局的なお話しもあり、今後10年で約12億人が労働市場に参入する一方、十分な雇用吸収が見込めない現状から、貧困削減には経済成長だけでなく、産業育成、公共投資、教育訓練、民間投資の促進を一体的に進める必要があることが強調されました。


プロフィール 大森功一
2000年、世界銀行入行。東京事務所広報担当官としてNGO連携を担当後、2010年から2014年まで、南アジア地域担当副総裁特別補佐官。2015年より現職で、日本における世界銀行のアウトリーチ活動全般を担当。世界銀行入行前は、立命館大学の研究所で歴史的都市保存・開発プロジェクトを担当。立命館大学法学部(政治行政コース)卒業、立命館大学大学院国際関係研究科修士課程、アメリカン大学国際関係大学院修士課程修了。立命館大学在学中は、ウォーリック大学への短期語学研修、立命館UBCジョイントプログラムにそれぞれ1期生として参加。
講義では第二次世界大戦後の国連創設とブレトンウッズ体制に至る歴史をたどりながら、国連が平和と安全保障などの政治課題を担い、世界銀行、IMF、GATT/WTOが経済・金融・貿易・復興・開発を支えてきたことが整理されました。
国連中心で捉えがちな国際協力を、より広く相対的な制度的文脈の中で理解する機会となりました。
続いて、大森さんは国際開発金融機関(MDBs)の発展と世界銀行の役割を解説されました。世界銀行は、極度の貧困の撲滅と繁栄の共有、そして「居住可能な地球で貧困のない世界」を目標に、各国の拠出を基盤としながら債券発行などで資金を調達し、返済を通じて次の開発につなげる循環型の仕組みで政府向け融資を行っています。
あわせて、国連の「一国一票」に対し、MDBでは出資比率に応じて投票権が配分されることなど、制度設計とガバナンスの違いについても具体的な説明がありました。
また、地球規模課題についての大局的なお話しもあり、今後10年で約12億人が労働市場に参入する一方、十分な雇用吸収が見込めない現状から、貧困削減には経済成長だけでなく、産業育成、公共投資、教育訓練、民間投資の促進を一体的に進める必要があることが強調されました。
講義では世界各地のプロジェクトの具体例が幾つも写真とともに紹介され、開発金融がインフラ整備にとどまらず、農業、教育、福祉、雇用、地域社会の基盤づくりに深く関わっていることが具体的に示されました。
あわせて、日本がかつて東海道新幹線や高速道路などで世界銀行の支援を受け、現在は主要ドナー国となっている歴史も紹介され、国際開発支援を身近なものとして捉える視点が共有されました。
講義の終盤では、国際機関でのキャリア形成についても大変実用的なお話しがありました。
日本は高い出資比率を有する一方、専門職の日本人比率はなお低く、理系・文系を問わず多様な分野から国際機関を志す人材が求められているとのことでした。自ら機会を探しネットワークを築いていく姿勢が重要であることが語られ、学生たちにとって将来の進路を考えるうえでも大きな刺激となりました。学生たちからは、「世界の人口の約一割が一日3ドル以下で生活をしているという貧困の現実と、それが国際社会におけるあらゆる課題の根底にある」という事実を認識し「行動を起こすために、その行動を起こす人を増やすために、私が知ったことを周りの人にシェアしたいと思う」といった声が多く寄せられました。
2000年、世界銀行入行。東京事務所広報担当官としてNGO連携を担当後、2010年から2014年まで、南アジア地域担当副総裁特別補佐官。2015年より現職で、日本における世界銀行のアウトリーチ活動全般を担当。世界銀行入行前は、立命館大学の研究所で歴史的都市保存・開発プロジェクトを担当。立命館大学法学部(政治行政コース)卒業、立命館大学大学院国際関係研究科修士課程、アメリカン大学国際関係大学院修士課程修了。立命館大学在学中は、ウォーリック大学への短期語学研修、立命館UBCジョイントプログラムにそれぞれ1期生として参加。