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ゲスト講義実施報告(国連世界食糧計画アジア太平洋地域事務所パートナーシップ部長 佐藤さや香様)

2026年6月5日、「Professional Workshop」(担当教員:金児真依)の授業にて、9か国から集まった受講生たちが、国連世界食糧計画(WFP)アジア太平洋地域事務所でパートナーシップ部長を務められる佐藤さや香さんのお話を聴きました。
米国タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で修士号を取得された佐藤さんは、2010年、JPOとしてWFPへ派遣され、その後アフリカ諸国で緊急食糧支援を担当されたのち、ワシントンDC及びバンコクで資金調達・パートナーシップ業務に従事されてきました。

ゲスト(6.5佐藤様)③

講義では、国際機関で働くための道筋と、現場で求められる判断力についてお話しいただきました。
前半では、通っていた中学校の校歌である「Let there be peace on earth and let it begin with me」という言葉が国連を志す原点となったこと、大学・大学院での学び、インターン等を経てWFPに入職された経緯が紹介されました。
佐藤さんは、国際機関を目指すうえでは、単に「国連で働きたい」と漠然と考えるだけでなく、自分がなぜその仕事をしたいのか、世界を舞台にできる一流のプロフェッショナルとなるためにどの分野で専門性を磨くのかを明確にすることが重要だと述べられました。
また、国連職員の仕事の魅力だけでなく、競争の激しさや家庭生活との両立の難しさなど、実際的なキャリアの現実についても率直に語られました。その一方で、数億ドル規模の契約や各国政府との調整(人道外交)を通じて、多くの人びとの生活に影響を与えることができる点は大きなやりがいであるとの説明がありました。
国連や政府との会議などで表舞台に立つ人を支える裏方の仕事の重要性も紹介され、学生にとって国際機関の仕事を具体的にイメージする機会となりました。

ゲスト(6.5佐藤様)②

後半では、紛争後の架空の国を舞台に、WFPの職員になって限られた予算をどのように配分するかを決める人道支援シミュレーションが行われました。
学生たちは、人命救助と長期的復興のどちらをどの程度重視するか等を議論しました。人道支援の現場では唯一の正解があるのではなく、限られた情報と資金の中で根拠をもって判断し、説明する力が求められることを学びました。
学生からは、「講師のダイナミックでインタラクティブな講義スタイルが本当に凄かった」「グループワークを通じて、人道支援を行うには良い意図だけでは足りず、非常に困難な判断を、責任をもって積み重ねる能力が必要なのだと学んだ」といった感想が寄せられました。
今回の講義は、学生にとって国際機関で働くためのキャリア形成と、人道支援の意思決定の難しさと意義を同時に理解する貴重な機会となりました。

ゲスト(6.5佐藤様)①

プロフィール 佐藤さや香
東京都出身。上智大学卒業後、米国タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修了。WFP日本事務所でのインターン、コンサルタントを経て、2010年、JPOとしてWFPへ派遣。イエメン、エジプト、中央アフリカ共和国などで7年間にわたり緊急食糧支援を担当。その後、ワシントンDC及びバンコクで9年間資金調達・パートナーシップ業務に従事し、2026年夏に再び現場であるニジェール事務所へ赴任予定。既婚、3児の母。