卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2019

製造

命に関わる仕事だからこそ、大学で得た学ぶ姿勢が活かされている

中国文学専攻 2018年卒業

アルフレッサファーマ株式会社 東京支店医薬診断薬4課

中国思想に魅了され立命館大学文学部へ

高校時代、中国史の授業が大好きで、特に中国思想に強く惹かれました。西洋史で西洋思想も学びましたが、抽象的だと感じてしまいあまり興味が沸かなかったんです。しかし、中国思想は因果関係がハッキリしていて分かりやすく、漢文が好きだったこともありどんどん勉強するようになりました。世界史の先生の影響も大きかったと思います、面白おかしく説明してくれました。

立命館大学文学部を志望した理由は、中国史や中国思想を学ぶ環境が整っていたことが一番大きいです。また、私の父も京都で学生生活をしていて当時の話をよく聞いていたので、単純に京都で学生生活をするという憧れもあったと思います。

横断的に学べる文学部の面白さ

入学してみて驚いたのは、文学部の学びの広さです。もちろん私が学びたかった中国史や中国思想は本格的に学べるのですが、その他にもインド美術の授業や、茶道に関する授業、京都の神社仏閣に関する授業など、多岐に渡る授業を受けることができました。特に、茶道や神社仏閣の授業は、京都にいるからこそ実感できることがあります。すぐ近くに、金閣寺や龍安寺などの本物がありますからね。学生時代は、気軽に有名な神社仏閣を巡りました。

また、先生も文献も充実しているので、分からないことがあってもすぐに調べたり、質問することができました。興味関心が広い人も、充実した学生生活が送れると思います。

唐の皇帝が服薬していた不老不死の薬「丹薬」をテーマに書いた卒業論文

中国史の授業で唐の時代を学んでいるときに、当時の皇帝たちが不老不死を求めて「丹薬」という薬を服用していたことを知りました。実は「丹薬」の成分には水銀が含まれていて、不老不死どころか、命を削る薬なんです。実際に命を落とした皇帝がいたと伝わっています。それなのにどうして皇帝たちが「丹薬」を飲んでいたのか興味を持ち、卒業論文のテーマに選びました。

水銀は通常銀色ですが、燃やすと赤くなり、加熱し続けると銀色に戻るらしく、その性質が不老不死の概念に結びついていたようです。様々な文献を読みながら、権力者が不老不死を求める欲望についてもだんだんと理解していきました。

卒業論文で鍛えられた力が仕事でも活きている

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私は入社して2年目でまだまだわからないことが多くあります。しかし、現在の仕事はMR(医薬情報担当者)といって、医師、薬剤師、看護師など医療関係者に対して自社の医薬品の説明(医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報提供・収集・伝達)をすることが主ですので、高度な知識が必要とされます。そんなとき卒業論文を執筆しているときに培った、調査力、理解力、論理的思考力などが活きていると実感します。わからないことをそのままにせずに追求することは、今の仕事では必須です。わからないことは適当な回答はできません。命に関わる問題ですので「勉強不足ですみません。調べてご報告します。」と素直にお伝えし、迅速に回答し直すことで、信頼を築くことができます。

横断的な学びで視野を広げながら、興味をもったことを深堀りしてほしい

いろいろな意見があるかと思いますが、立命館大学文学部は進学するときに具体的な目的を持っていなくても大丈夫だと私は思います。所属学域に囚われず本当に多様なことが学べます。そこで、深堀りしたいテーマが見つかることもあります。私も中国には興味を持っていましたが、まさか「丹薬」をテーマにするなんて、入学当時は考えもしませんでした。ただ、受け身の姿勢ではテーマを見逃してしまいます。学生時代という貴重な時間を無駄にしかねないですし、単純にもったいないと思います。具体的な目標がまだ無いという方も、視野を広く持ちつつ、興味を持てることを見つけてほしいと思います。

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