8つの学域

国際文化学域

国際文化学域

GLOBAL STUDIES PROGRAM

グローバルな視野から
人間の文化や社会を見つめ直す

国際文化学域では、芸術・文学・歴史・思想といった、社会や文化の多岐にわたるさまざまな学問の基礎を横断して学んだ上で、より専門的な知識の習得をめざします。多様性に満ちた学びを通して、グローバルな課題に対応する能力を伸ばしていくことができるでしょう。
文学部で最大の規模を誇る国際文化学域には、幅広い専門分野の教員が所属し、多種多様な学問的関心に柔軟に対応しています。しなやかな思考力と何ものにもとらわれない自由な創造性をはぐくむ場―それが本学域の魅力です。

COLUMN

教育・研究の“リアル”を発信、教員コラム

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歴史を通してこの世界について考える

アラビア半島の南西部に位置するイエメンと呼ばれる地域とインド洋周縁部の歴史について、研究を続けています。

イエメンは、かつては古代南アラビア諸王国が特産品である乳香の輸出などで栄え、地中海周縁部の人々から「幸福のアラビア」と呼ばれていました。しかしその後の歴史のなかでは大きく活躍することもなく、世界史の教科書にもなかなか登場しません。そのため、西アジアのなかでもエジプトやシリア、イラク、イラン、トルコなどと比べると、知名度が低いと言わざるを得ません。

ところが、歴史書を紐解いてみると、イエメンが結構重要な立ち位置を占めていたことがわかります。イエメンは紅海とインド洋をつなぐ結節点となっているため、西はモロッコから東は中国に至る地域から積み出された様々な商品がこの地を行き交うこととなりました。東からやって来たもののなかではコショウをはじめとした香辛料が有名ですが、これらはイエメンを経由してエジプトへ至った後イタリア商人へ高額で売却されました。このコショウをもっと安く手に入れたいという思いが、「大航海時代」のきっかけでした。また15世紀以降になると、紅海の沿岸部に位置するモカがコーヒーの積出港として栄えました。「モカコーヒー」という単語をきいたことがある人も多いと思いますが、これはこの港の名前に由来します。

馬場 多聞

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