卒業生からのメッセージ
文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。
2019
マスコミキャンパスアジア・プログラムで培ったコミュニケーション力
- 文化芸術専攻 2016年卒業
株式会社ハルメク(通販本部暮らし課)
立命館大学文学部に入学した理由
高校時代から留学に憧れがありました。そんな中、立命館大学文学部でキャンパスアジア・プログラムが始まることを知り、志望しました。キャンパスアジア・プログラムは日本・中国・韓国の3つの国で学ぶことができるプログラムです。各国の学生が順に3ヵ国を周って学んでいきます。中国にも韓国にも留学できるのはお得!と思ったのもありますが、歴史問題を始めとした東アジアの課題を、現地の学生が実際にどう感じているのかを知りたいという気持ちから参加をしました。
キャンパスアジア・プログラムを経て感じたこと
日中韓3か国の学生たちの集合写真
このプログラムでは、常に中国・韓国の学生と一緒に学びます。日本(立命館大学衣笠キャンパス)でも、大学が用意してくれたシェアハウスで共に生活しました。すると、やっぱり驚くこともたくさんありました。例えば、学期末にみんなで大掃除するとき、中国の学生は自分の担当箇所が終わったと、まだ掃除中のキッチンでご飯を食べ始めました。「担当箇所が終わった」という理由は分かりますが、まだ終わっていないところを手伝うべきでは?同じ東アジアで距離的な近さもあり感覚も近いと思っていたので戸惑ってしまいました。近いながらも異なる点が多く、正直、イライラすることもありましたが、一緒に過ごす内に、それは自分の価値観を押しつけているのだと気づくことができました。
中国と韓国では現地の学生寮に入りました。一緒にごはんを食べたり、現地の学校に通ったりするうちに、さらに仲良くなっていきました。話す言語はごちゃまぜです。中国語、韓国語、日本語、英語…伝わればOKという感じです。とにかく、いろんな手段で主張しないと相手に伝わらない。それ以前に、「自分の意見」というものの重要性も感じました。政治問題も話題にあがることもありましたが、「正解はない」という前提で話し合うようになりました。様々な意見が飛び交うので、自分が否定されても、「そういう意見もあるよね」と冷静に受け止められるようになりました。
留学経験で得たコミュニケーション力を仕事でも活かしていきたい
私は今、シニア女性向けの出版社の、通信販売部門にてMDとして働いています。毎月の企画立案・商品選定を行うのが仕事です。寝具、生活雑貨、キッチン用品、掃除用品、リビング用品など幅広く担当しているのですが、今のシニアは本当にアクティブで目が肥えています。ただの提案では目新しさが無いため、ニーズにマッチした新しい提案と商品が必要となります。そのため、会員様を集めてグループインタビューを実施することもあります。弊社のコアなファンの方たちですので、直球な意見をいただくこともあるのですが、そのあたりはキャンパスアジア・プログラムで鍛えられたので、どうすればより良い商品をご提供できるのか「正解はない」中で格闘しながらも形にしていけていると思っています。
キャンパスアジア・プログラムを志望する学生へのメッセージ
とにかく交流することです。それに尽きます。せっかくのプログラムでも、受け身の姿勢では得られるものは少ないと思います。どれだけ主体的に動けるか、中国や韓国の学生の考えを知ることができるか、議論できるかが大事だと思います。例えば韓国であれば、K-popやコスメ・メイクも魅力的だと思いますが、実際は雑誌に載っているようなきれいな部分だけではありません。生身の人間と生活を共にするので、それぞれの国の考え方や歴史問題の捉え方も見えてきます。私にとって、それはとても貴重な経験になりました。
私が参加していた頃のキャンパスアジア・プログラムから、今は少し形を変えていると聞いていますが、面白く新しいプログラムなので後輩たちにもぜひ参加してもらいたいです。
キャンパスアジア・プログラムの詳細はこちら
https://www.ritsumei.ac.jp/campusasia/