卒業生からのメッセージ
文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。
2020
サービス人生を変えた立命館での4年。 挑むことの大切さを教わった。
- 地域観光学専攻 2020年卒業
阪神高速道路株式会社 営業部
阪神高速道路は、1日に70万台を超えるクルマが通る関西の大動脈です。その建設と維持管理にあたる阪神高速道路株式会社が、私の今の勤め先。営業部のETCチームで、仕事をしています。
今では普及率が9割を超えるETC(自動料金収受システム)。でも「使い方がよく分からない」などの理由から、まだお使いでない方もおられます。ETCチームは、そんなお客さまを対象にETCのメリットを紹介するチラシをつくったり、ETCの情報を集めたポータルサイトを企画運営したり、さまざまな取り組みでETCの普及促進をはかるのが仕事です。
工事で通行止めの高速道路での現場見学の様子
ETCチームでは、大きなキャンペーンの企画などがあると、メンバーで手分けしながら仕事をして、目標達成をめざします。その時に大切なのは、協力、情報共有をしながら与えられた任務をやり遂げる力。立命館大学の4年間での経験が、そんな時に役立っています。通常業務に加え、高速道路への理解を深めるために、現場見学に出かけ、会社で企画される橋梁模型研究会にも参加しました。 仕事場での作業風景
特に仕事に直接結びつく学びを得たのは、卒業論文でした。私の在籍した河原典史先生のゼミ(専門演習)では、学生が思い思いにテーマを設定します。私が取り上げたのは、地元(熊本)の代表的な郷土料理「からし蓮根」。フィールド調査で栽培農家や製造工場を訪ねて分布を調べ、作業にあたる方々から聞き取りを行ない、熊本県の郷土料理の地域的な展開を探りました。年齢も世代も異なる多くの方との出会い、面白いネタや情報を発掘できた時の喜びは、忘れることのできない思い出。でもそれ以上に、興味の対象を絞り、課題を見つけ、解決の仕方を探るという実社会では欠かせない問題解決の流れを自分1人の力で成し遂げたことが、何ものにも代え難い貴重な経験でした。 卒業論文執筆の際に苦労した作図(からし蓮根の販売店のマップ)
また在学中は、「大学で学ぶからには、幅広く勉強したい」という思いから、他の学域の授業にも積極的に挑戦しました。「世界史」、「心理学」、「国際関係論」……。自分が所属する学域以外の専門科目にも積極的にかかわれる環境は、立命館大学の文学部の大きな魅力です。
立命館大学文学部に入学が決まり、地元を離れる時は、もの凄く勇気がいりました。親もとを離れるのは初めてだったし、知らない土地で一人暮らしする自信もなかったからです。でもあの時、勇気を振り絞って本当によかった。もし、ためらっていれば、多くの友人や今の会社との出会いもなかったからです。
夢は、発展途上国に道路の技術指導を行なう海外事業部門で仕事をすること。英語を話せるようになるために、社内セミナーで勉強を始めました。夢を実現するのは、簡単なことではありません。でも負けずに頑張るつもりです。挑戦することの大切さを、立命館大学での4年間が気付かせてくれたのですから。