卒業生からのメッセージ
文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。
2020
進学走り出したら、ゴールまで――。 行動すること、全力で挑むこと。
- 日本史学専攻 2020年卒業
立命館大学大学院経営管理研究科(立命館大学ビジネススクール)
大学院経営管理研究科(立命館大学ビジネススクール)は、次世代のビジネスリーダーを養成する教育機関。私は今そこで、マーケティングや組織づくり、ファイナンスなど、会社経営に必要な知識を1から勉強しています。文学部を卒業してすぐに大学院に入ったのは、4回生の時に立ち上げた個人事業「TERAFUL」を会社にして、大きく成長させるため。夢の実現にむけて、2度目の学生生活がスタートしました。TERAFULのメンバーとの写真
私が立命館大学の文学部を選んだのは、小学校5年生の頃から歴史が大好きで、社会科の先生になるための勉強をしたかったからです。1回生の頃は、研究報告で必要な史料を1人で探しに出かけたり、人に会って直接話を聞くために九州福岡の山に登って神社を訪ねたり、文字どおり全身全霊をぶつけて勉強しました。違和感を感じ始めたのは、そんな矢先。細かな事実関係を追う学術研究に、自分自身の考える歴史の勉強とはどこか違うものを感じ、一度頭の中を整理してみることにしました。そこで出て来た答えは、「人」というキーワードでした。
どんな人にも、歴史があります。その人にしか歩めない物語があります。そして物語を背負った人と人が出会い、家庭ができ、街が生まれて国になり、世代が変わって歴史がつくられます。今の自分は、そんな歴史の縦糸と、社会という横糸の交差点に生きている――。そんなふうに人を起点にして見ていくと、人を原点とするつながりの物語としての歴史を若い人や幅広い世代に語り伝え、新しい価値を生み出す活動に携わりたいと考えるようになりました。
歴史の勉強と将来の進路について答えを見つけられずにいた3回生の秋、私は新しい学生団体を立ち上げました。その名も「てらふる」。自分の今までの勉強や活動が学内だけに限定されていることに疑問を感じ、もっと外の世界とつながりながら新しいことをできないかと、SNSで外部の学生団体と接触し、神社のお祭りを運営する活動に参加したのがきっかけでした。新たに立ち上げた学生団体「てらふる」のコンセプトは、「お寺のイベントを通して過去からつながる京都の歴史の魅力を発信する」。その後活動範囲は京都だけでなく大阪や三重にも広がり、これを起爆剤としてお寺と学生が力を合わせ、地域を活性化する新たなビジネスをつくるため、個人事業「TERAFUL」を立ち上げました。学生団体「てらふる」の活動写真/起業決意のきっかけは三重の学生とおこなった活動
「TERAFUL」は現在、寺社イベント事業、教育事業、歴史魅力発信事業の3つを柱として活動中。新型コロナウイルス禍にあっても売上げは右肩上がりで伸び、法人化が視野に入ってきました。経営が軌道に乗れば、地域社会と密接に関わるお寺という空間を生かし、年齢や職業の分け隔てなく学びあう江戸時代の「寺子屋」を令和の時代に甦らせる事業にもチャレンジするつもりです。
文学部は、立命館大学で学生数が最も多い学部の一つ(約4000人)。しかも全国各地から個性豊かな人が集まり、高名で素晴らしい先生も数多くいらっしゃいます。試行錯誤しながらも、自分のやりたいことの答えを見つけられたのは、そんな出会いとつながりにあふれた文学部の環境があったからです。すべては「行動」から始まりました。一度走り出したらゴールまで。そんな思いで、夢の場所まで駆け抜けていくつもりです。