卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2020

その他

海外へ夢を膨らませたイタリア実習。 論理的な思考力を磨いた卒業論文執筆。

言語コミュニケーションプログラム 2013年卒業

独立行政法人国際交流基金 ジャカルタ日本文化センター

インドネシアでは、今、若者の間で日本のアニメや漫画が大人気。好感度調査でも、日本はいつも上位にランクされます。そんな親日国の首都ジャカルタにある独立行政法人国際交流基金の現地事務所(ジャカルタ日本文化センター)が、今の私の仕事場です。
インドネシアでは、日本語教育も盛んです。都市部はもちろん、都会を離れた地方の中学校や高校でも日本語学習の授業が行われ、多くの生徒が学んでいます。私が担当するのは、そんな学校に日本からボランティアでやって来る「日本語パートナーズ」を派遣する事業の仕事。日本語パートナーズの方が暮らす住宅を準備したり、現地の教員向けのワークショップや日本語パートナーズのフォローアップ研修を企画運営したり。業務は多岐にわたりますが、海外で仕事をするのは学生時代からの夢。忙しい毎日が、むしろ充実した時間に思えます。graduate/graduate35_sub01現地スタッフとの打ち合わせの様子

私が海外で働くことを強く意識し始めたのは、立命館大学文学部2回生の時。幅広い分野を学べるように学部が独自に開設している「エリアスタディ(地域研究)」のプログラムでイタリアの言葉と文化を学び、実習として4週間トリノ大学に留学したのがきっかけでした。トリノ大学では、語学を学び、現地の学生とも交流。異なる文化や価値観を触れ合うことの楽しさを肌で感じました。イタリアには、実習以外にも語学の勉強で2度ほど出かけました。でも実習の時の異文化体験は特別。海外で働きたい気持ちが、どんどん高まっていきました。graduate/graduate35_sub02留学時に滞在していた学生寮での交流

文学部では、今の仕事に直接役立つ学びも得ることができました。特に強く印象に残っているのは、卒業論文執筆の経験です。自分でテーマを設定し、資料を調べ、結果をレポートするのは初めての経験。期日までに書き終えなければ卒業できないプレッシャーもある中、試行錯誤の毎日でしたが、ゼミ(専門演習)の田中省作先生と佐野まさき先生がひとつひとつ筋道を立てて、納得のいくアドバイスをくださいました。インドネシアの事務所では多いときで80名を超える現地スタッフや日本人スタッフを一緒に働いていますが、様々な価値観を持ったスタッフと話し合いを重ねながら、合理的な考えに基づいて仕事を進めていく必要があります。卒業論文執筆を通じて学んだ論理的な思考力や考察力は、日々の業務に直接生かされています。

立命館大学文学部は、学域を超えた授業が豊富に用意されている大学です。私が海外で働くキッカケになったのも本来の専攻ではない「エリアスタディ(地域研究)」のプログラムでしたし、他にも「心理学」「世界史」「経営」など、シラバスを読んで面白そうな授業を片っ端から受け、自分の幅を広げることができました。

新型コロナウイルスの感染拡大にともなう一時帰国も解け、2020年の12月から再びインドネシアに赴任しました。言葉も文化も異なる人たちとふれあい、互いを理解しあうことの楽しさを、より多くの人に伝えるために、“第二の故郷”で新たな挑戦を始めます。

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