卒業生からのメッセージ
文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。
2024
その他やりたいことを探し、学内講座から気象予報士・気象キャスターに。専攻や留学の経験を気象の世界でも繋げていきたい。
- 地域研究学域 地域観光学専攻 2017年卒業
株式会社ウェザーニューズ 陸上気象事業部
大学在学中に気象予報士の資格を取得しました。同じ学域内には公務員や旅行業界への就職を志望して勉強する人が多い中、職業に対して明確な希望がなかった私は、まったく違う分野の資格をとろうと、学内にあるエクステンションセンターの気象予報士講座を受講したのです。もちろん難しい資格ですが、学ぶうちに、地図と天気図は似ていて、現地に足を運ぶことで現地感覚が理解できる点では、観光との関わりもあって、とても面白い、楽しいと感じるようになりました。
卒業後は地元である北海道で気象予測や気象解説に携わり、気象をわかりやすく伝えることに興味を持ち、転職をして九州の放送局で気象キャスターになりました。現在は株式会社ウェザーニューズで道路や鉄道向けの気象予測に携わっています。悪天候による道路の通行止めや鉄道の計画運休、その他日々の業務を判断する材料にもなる気象予測を提供するのが主な業務です。専門的な内容をそのまま伝えるのは簡単ですが、私はできるだけ内容をかみくだき、現場での運用にすぐ活かしていただけるような形でお伝えすることを大切にしています。その意味では、理系の人だけではなく文学部出身者にも向いている職業なのかもしれません。ただ情報を伝えるだけではなく、提供した情報が十分に活用されているか、業務での課題や改善点はないかなどに関してお客様とコミュニケーションをとるようにもしています。その中で、新たなサービスのヒントが得られることもあります。自分が伝えた情報によってインフラが守られたり、お客様とのコミュニケーションがうまくいったりした時などにやりがいを感じています。
仕事にてお客様へ気象解説をしている時の様子
地域観光学専攻を志望したのは、高校の時から観光と地域活性化について学びたかったからです。大学ではフィールドに出ての調査もよく行いました。卒業論文では、観光の視点から兵庫県の有馬温泉と京都の嵐山温泉を比較調査。現地に足を運び、道路の配置や建物の構造などを直接見たり、地元の方に直接お話を聞いたりして「現地の感覚」を知ることは教室で地図や資料を見ているのと、全く違うことを実感しました。気象の仕事でも、例えば、北海道の人と九州の人では気温の感じ方が違うなどといった「現地の感覚」を大切にしたいと考えています。
卒業論文でフィールドワークを実施した有馬温泉
1回生の終わりには韓国に短期留学し、異文化への理解を高めることもできました。わずか1か月でしたが、現地の学生と交流し、それまで「当たり前」と思っていたのとは違うさまざまな考え方や生き方があることを知って、とても刺激を受けました。気象の仕事でも、近年多くなっている集中豪雨などといった「当たり前」ではない現象には難しさを感じつつも、多くの人が「当たり前」に知っている言葉に置き換え、「現地の感覚」やその地域に住む方々や文化を大切にしたいと考えています。
韓国留学中の集合写真(本人は後列 左から1番目)
大学入学時にやりたいことが明確でないのは決して悪いことではないと思います。私は、それを見つけるために模索し、行動するうち、最終的に気象予報士という職業に着地しました。当時は気象キャスターになるなんて考えたこともありませんでしたが、人前に出て話すことが今後に活きると思えたのも、大学でのさまざまな経験があったからです。
異常気象や地球温暖化などにより、世界的に気象情報の重要性が高まっています。研究者の知見を世の中にわかりやすく伝えて減災や防災につなげること、多くの方に気象に関心を持ってもらうことが私の役割。いざという時に頼りになる存在、人の役に立てる存在になりたいですし、将来的には、個人としても世の中の役に立つ発信を行いたいと考えています。
放送局で勤務していた当時の様子。放送局のキャラクターとともに
