卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2019

製造

新潟から離れて気づいた地元産業の魅力を海外にも発信したい

英米文学専攻 2011年卒業

株式会社諏訪田製作所 営業部

国内なのに異文化交流が盛ん。新潟からきたからこそ思う立命館大学の魅力

私は英米文学専攻に進学したのですが、実は、高校時代は英語が苦手でした。しかし、これからの時代は絶対に英語力が必要になりますし、留学への憧れもあったので英語をしっかり勉強できる大学を中心に進学先を探しました。実家が寺ということもあり、小さい頃から京都に来る機会が多く、歴史も好きだったので、自然と京都の大学に絞られていき、立命館大学文学部を志望しました。

学生時代はフットサルサークルに所属しました。サークルなのでいろんな学部の学生がいます。出身もバックボーンも興味関心も多種多様。いろいろな価値観に触れることができました。私が新潟県出身ということもあるかもしれませんが、国内なのに異文化交流をしているような経験ができました。

ゼミで夢中になった英米文学の研究

3回生になるとゼミの選択をするのですが、私は竹村はるみ先生のゼミに入りました。竹村先生はイギリス文学・文化を研究されています。選んだきっかけは2回生のときに竹村先生の授業を受けており、授業内容や指導方法がとても面白かったからです。分からないことがあると、親身になって相談にのってくれて、この先生のもとで学びたいと思うようになりました。

英米文学専攻では、文学を英語で読みます。難易度は高いのですが、そこが面白さでもあります。自分で読みといていく感じがワクワクします。ゼミでは、それぞれが単語の意味の解釈を考え、それをみんなで議論しました。読む人によって解釈が変わるのが新鮮でした。英語が苦手だった私が、こんなに英語に夢中になるなんて思ってもいませんでした。3回生のときには1ヶ月間のアメリカ留学も経験しました。

3回生の後半になると、いよいよ卒業論文のテーマを決めていきます。私は、「シェイクスピアのハムレットは本当に悲劇なのか」をテーマに執筆しました。研究をすすめる中で、竹村先生には本当にお世話になりました。基本的には、図書館へ頻繁に通って本を読み漁るようにして文献調査をするのですが、文献調査の方法をご指導いただいたり参考文献をご紹介いただきました。ゼミでは、仲間たちと議論をするのですが、それぞれの解釈を尊重しつつ、議論を深めていただきました。

ゼミで思い出深いのは、六甲山への宿泊合宿です。山道を歩いたのですが、ほとんど登山をしているような感じで、到着した頃にはみんなヘトヘトでした。合宿中は、他のゼミ生の発表をしっかりと聞く機会があり、私とは違った視点での研究内容にたくさんの刺激をもらいました。

新潟へのUターン就職。英語力を活かして地元産業の魅力を海外に発信する仕事に従事

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諏訪田製作所のつめ切り

私の出身地である新潟県三条市は金属加工で海外でも有名な町です。地元にいた頃はあまり意識したことはなかったのですが、進学で地元を離れ、就職活動をはじめる中で、その可能性に気づきだしました。私は大手志向ではなかったので、軽い気持ちで地元の企業を調べていくうちに現在の会社を見つけ就職しました。私が働く諏訪田製作所は「高級つめ切り」が主力の会社です。職人さんが1つ1つ丁寧に作った製品を扱えることに喜びを感じています。

海外との商談も多くあります。基本的にはメールでのやりとりになるので、大学でしっかり学んだ英語のライティング力が活かせています。また、海外見本市への出展等で海外出張も多く、英会話力も重要です。職人さんがつくった大切な商品を、しっかりアピールする力が求められます。

地元を離れることをきっかけに、地元の魅力を見つけて欲しい

立命館大学は、関西圏だけでなく、地方から進学する学生も多い大学です。特に地方出身の方にお伝えしたいのは、大都市ではなくても、地元にはたくさんの可能性があるという点です。私自身、地元にいたときは気づかなかったのですが、離れてみて気づくことができました。大都市や大企業に就職することで経験できることもあると思います。しかし、足元をみてみたら、気づかなかった魅力を発見することもあります。今、私は三条市の青年会議所に所属しています。青年会議所は、地元企業の幹部が多く所属しており、その方々から多くのことを吸収している最中です。まだまだ知らないことも多くあるという気づきを得られました。

立命館大学文学部は、多くの仲間・先生に出会えます。またその人それぞれの価値観に触れることができる場所でもあります。地方出身の方には、その経験を地元で活かすという選択肢があることを知ってもらえたら嬉しいです。

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