卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2021

教員

現役プロボクサーかつ高校の体育教師。 先生や仲間に支えられ夢を実現。

教育人間学専攻 2006年卒業

天王寺学館高等学校 保健体育科教員/太成学院大学高等学校 スクールカウンセラー/プロボクサー

祖父が校長、母と叔母も教師でしたので教職は身近な存在でした。目指し始めたのは中学生のとき。大学でも続けた柔道を中学生のときに誘ってくれた先生に憧れ、「私も先生のようになりたい」と思ったのです。大学在学中も教師の夢を追いかけていたのですが、周りが就職活動を始めたタイミングで私もなんとなくその流れに乗ってしまい。内定もいくつかいただいたこともあって、いったん就職することに決めたのです。
同僚はいい方ばかりでしたし、いわゆる“普通の日常”を送っていたのですが、どんどん「こんな人生でいいのだろうか、もっとできるんじゃないか」と思い始めて。やっぱり教師を目指そうと、立命館大学の柔道部でコーチをしながら大学院で教育論を学ぶ日々がスタート。学校心理士の資格も取得し、現在は2つの高校で保健体育の教員とスクールカウンセラーをしています。
graduate/graduate38_sub01 授業中の様子

プロボクサーを目指したきっかけは、29歳のとき柔道部の生徒との稽古中に怪我をしたことです。何かに夢中になり挑戦し続けたいと思っていましたし、「30歳なんてもうダメだ」という周りの声に一念発起した部分もあります。私は、一度覚悟を決めたら脇目も振らず進んでいくタイプ。「今からそんな挑戦をするなんて」と、おそらくやさしさから言われたこともありましたが、私にとっては夢に向かって挑戦するのはごく当たり前のこと。必ず結果を残せる、そんな風に自分自身を信じてもいました。結果、31歳でプロボクサーのライセンスを取得し、37歳の2020年12月には夢であったWBO女子世界チャンピオンにもなれました。2022年、もう一度世界チャンピオンに返り咲くべく、今もトレーニングに励んでいます。
graduate/graduate38_sub02 プロボクサーとして試合中の様子

大学4年間は勉強、遊び、柔道、恋愛、すべて全力で取り組みました。学びの面においては、卒業論文にも取り上げたメンタルトレーニングが現在でも役立っています。というのも、私はもともと練習に強くて本番に弱い、緊張するタイプ。持っている力を発揮できず悔しい思いをすることも多々あったので、授業で教えていただいたメンタルトレーニング法を実践し、試合でもいい結果を残せるようになりました。また、一年に一度の教育人間学の学会にも参加し、尊敬する先生に今でもいい刺激をもらっています。
graduate/graduate38_sub03 大学時代の友人たちとの様子

大学で出会った友人たちとは、今でも頻繁に連絡を取り合う仲です。日常のちょっとしたことを報告し合ったり生き方についての議論をしたり、学生時代からまるで変わらない関係が続いています。すごく居心地がいいですし、話したり会ったりすると刺激にもなる。それぞれ違う人間だということをお互いに理解していて、その上で受け入れ合う最高の仲間たちです。大学生活で、生涯に渡って尊敬できるすてきな先生や友人たちと巡り会えたのは本当に感謝しかありません。

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