卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2024

進学

中国・韓国への留学プログラムで得た経験が研究の出発点。「RARA学生フェロー」で他分野の研究者と交流も。

人文学科 中国文学・思想専攻 2023年卒業

立命館大学大学院 文学研究科 人文学専攻 中国文学・思想専修 博士課程後期課程 在学中

高校の漢文の授業が好きだったので、中国の文化や文学が学べる大学を志望し、ご縁があった立命館に進学しました。趣味で韓国語を学んでいたこともあり、入学当初から、中国と韓国の歴史、文化、社会を学ぶ「キャンパスアジア・ブログラム※」に参加。2回生からの留学に備え、通常の授業に加えて中国語・韓国語や中韓の歴史、文化なども学んでいました。しかし、コロナ禍のため現地留学が中止となり、オンラインでの受講となってしまったことから、もっと学びたい、研究がしたいと思うようになり、大学院に進学しました。

卒業論文の時から、六朝時代の中国で盛んに書かれた「志怪(しかい)」をテーマに研究しています。中国には歴史書を書く文化がありますが、怪奇現象や迷信じみた話なども「志怪」として記録され、その後、朝鮮半島にも伝えられていきました。私の関心は、中国で書かれた「志怪」が朝鮮半島にどのように伝わり、発展していったのか、朝鮮半島の「志怪」にはどのような特徴があり、人々はどのような怪異に対して畏怖の念を抱いたのかなどにあります。中国と朝鮮半島の「志怪」の比較研究はあまり例がなく、日本人の私だからこそ、両方を客観的に見ることができると考えて取り組んでいます。

立命館の協定校である韓国の高麗大学で研究発表する機会もありました。文学の研究者とはいえ、近現代の日本文学などの専門家もおられる前で、韓国語で発表するのはとても緊張しましたが、無事に終えることができ、その後、立命館大学でも韓国語での発表と質疑応答を行いました。中国語と韓国語の文献を扱い、それらの言語で研究発表ができるのも「キャンパスアジア・ブログラム」で習得したからです。プログラム中は、すべて投げ出してしまいたいと思ったこともあるくらい大変でしたが、振り返ると人生の糧となる有意義な経験だったと思います。
博士前期課程1年時に高麗大学校で発表を行った際の名札。

博士後期課程に進学したのは、さらに研究を深めたいと思ったからです。このまま研究を続けていいのか、不安もありましたが、立命館先進研究アカデミーの「RARA学生フェロー」になれたことで経済的な不安は解消されただけでなく、他の研究をされている方、さらには理系の研究科の方と意見交換をする機会も得られるようになって、大きく視野が広がりました。専門外の方にも分かってもらえるように自分の研究を説明したり、逆に理系の研究内容を詳しく教えてもらったりしています。研究を社会にどう実装したいかという展望を話してくれる人もいて、研究と社会のつながりについて新たな気づきを得ることも多くあります。さまざまな分野の人から忌憚ない意見をもらうことによって自分の研究をさらに豊かにしていきたいですし、私も人にアドバイスができるようになりたいです。立命館学園内の小学校、中学校に研究内容を話しにいく機会もあるそうです。わかりやすい説明をして、興味を持ってもらえたら嬉しいですし、どんな反応が来るのかも楽しみです。職員の方の手厚いサポートもあり、立命館で学べて本当に良かったと感じています。

修了後は研究者を志望しています。今は必要な情報を得られるよう、さまざまな研究発表の場に積極的に参加し、人脈を広げているところです。大学での生活を通して、研究者としても、人間としても、さらにステップアップしたいと思っています。
共同研究室で授業を受けたり、研究を行っています。

※「キャンパスアジア・プログラム」は現在、新規募集を行っておりませんが、立命館大学では多様な留学プログラムを開発しています。

海外留学について|国際展開・留学|立命館大学

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