卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2024

金融

デジタルツールで日本語のデータを収集・分析。大学での学びが営業スタイルに活かされている。

日本文化情報学専攻(現:日本語情報学専攻) 2022年卒業

株式会社京都銀行 園部支店

高校時代、国語が好きだったことから文学部を志望していました。この専攻は「文化情報学」という名前のとおり、デジタルのツールを活用して言語や文化を扱う専攻です。図書館司書の資格が取得できる点も魅力でした。
入学後、デジタルツールを使って自分でデータを集めたり、分析したりすることに魅力を感じるようになりました。自分で調べ方を工夫して、自分に必要な情報を探し出していく過程が楽しかったからです。

卒業研究では、日本語の文章や会話を大量に集めたデータベース「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を使って「非外来語のカタカナ表記」について分析を行いました。例えば「オレ(俺)」や「ヒロシマ(広島)」のように、本来漢字で書かれる日本語を、あえてカタカナで表記されているケースがあるのはなぜかを見ていくものです。理由は多岐にわたり、あえてカタカナにすることで柔らかさを出すケースもありますし、「ガン(癌)」のように、読みやすさを重視するケースもありました。それらの用例を一つずつ見ながら理由を分類していきました。好きな日本語をテーマに、自分の手で調べてまとめ、形にできたことには、大きな達成感がありました。自分で問いを立てて答えを見つける面白さを知ることができたと思います。

2回生の時、東アジア現地実習で、約1ヶ月間、中国の桂林や三江トン族自治県などを訪問したことも印象に残っています。ボランティアでバディになってくれた中国の学生と生活を共にしました。知り合って間もないのに親身になって相談に乗ってくれる姿に驚き、自分も誰かに恩返ししたいという気持ちが芽生えました。帰国後、立命館大学の留学生のサポートを行うようになったのはそのためです。中国での感謝の気持ちを、自分なりのやり方で行動に移しました。
三江で訪れた風雨橋の風景

現在、地方銀行の個人総合営業担当として、主に個人のお客様を対象に営業の仕事をしています。給与振込のために口座を開設された方や、資産を預けておられる方に対して、銀行の商品やサービスをご案内し、何かお役に立てることはないかをご提案するのが主な業務です。ネットで金融商品を選べる時代ではありますが、やはり対面での説明に安心感をおぼえる方は多く、「相談してよかった」「分かりやすかった」と言っていただけるとやりがいを感じます。

仕事の中で「課題をもとに考えた解決策は自信を持って案内できる」と実感しています。売りたい商品を売るのではなく「お客さまが解決したい課題は何か」を丁寧にヒアリングし、その解決に最適な商品を一緒に選ぶことによって、満足していただけているという手応えがあるからです。この考え方は大学での経験から学んだもの。会社である以上、もちろん利益追求は必要ですが、求められている方に対して適切なアプローチをすれば、必ず成果は出せると考えています。

今はCFP資格取得の勉強中。税制や年金制度の知識を深めて説得力を高めると同時に、より充実したヒアリングができるようになりたいと考えています。
接客風景

BACK