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09.26

2022

EVENT

2022年度【文学部特別講義】「いけばなの伝統と今」が開催されました

 2022年度夏集中科目「華道文化演習(L)」をご担当いただいている池坊専好先生(華道家元池坊 次期家元)の文学部特別講義「いけばなの伝統と今」を、9月5日(月)衣笠キャンパスにおいて開催しました。
  特別講義では、冒頭に「伝統文化を学ぶことにどのような意味があるのか」という問いを立てられ、先生ご自身が訪問された海外の二つの事例を通じて、東西の美意識のちがいに言及しつつ、日本文化の特色をあざやかに逆照射すると同時に、いけばなの基本となる概念ないし考え方を初学者にもわかりやすい平易な言葉でご説明いただきました。
 ひとつ目の事例として、「海外―ニューヨークの今」をご講義いただきました。まず、タイムズスクエア近傍の花卉市場を地図と景観写真でご紹介されたうえで、一木・一草を愛でる日本とは異なり、北米では「ボリューム感のある美しさ」が求められることを指摘され、摩天楼と緑豊かなセントラルパークを背景とした先生ご自身の作品について解説していただきました。
  ふたつ目の事例は「海外―オランダの“今”」でした。オランダの国土開発・都市建設にふれられたあと、ここでも先生の経験をふまえながら首都アムステルダム郊外に位置するアールスメールの花市場を地図と景観写真から概説され、次いでアルメーレ国際園芸博覧会(2022年)に出展した「SATOYAMA Farm Garden(里山の農家の庭)」をテーマとする日本展示館についてもご紹介くださりました。このオランダの事例紹介では、おりにふれてサスティナビリティに言及されていたことが印象に残ります。
  最後に先生は、「道」とは完成した作品ではなく、過程を大切にすることだと述べられました。池坊専好先生のこの講義をふまえ、受講生は4日間の実技を含む授業に臨みました。

 今後も文学部ではさまざまな取り組みを実施したいと考えています。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2022年度華道

2022年度華道2枚目

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