2022年度夏集中科目「茶道文化演習（L）」をご担当いただいている千玄室先生（茶道裏千家前家元）の文学部特別講義「茶の文化」を、9月14日（水）衣笠キャンパスにおいて開催しました。 　

　特別講義では、千玄室先生ご自身の学生時代の経験、すなわち戦争体験に関するおはなしの中で、いまを生きる学生たちに生きることの意味を問いかけられました。苦しみのなかで模索しつづけることが人生であり、生きること、望みを持つこと、親からいただいた血のありがたみ、この三位一体こそが「い・の・ち」の意味するところだと説かれたのです。

　現在、世界には約200の国家があります。千玄室先生はその3分の1以上におよぶ世界72か国をこれまで訪問されてきました。そうした先生ご自身のグローバルな経験にもとづき、現今の世界の諸問題にもふれながら、ユネスコ憲章の一文「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」を引きつつ、「一碗の茶をいただくことに差別・区別なし」と述べられました。茶の道が心の中の平和へと通ずることを、初学者にもわかりやすくお伝えくださったのです。 　

　千玄室先生のご講演を踏まえ、受講生は裏千家茶道会館・裏千家学園において実施された5日間の実技を含む授業に臨みました。 　

　今後も文学部ではさまざまな取り組みを実施したいと考えています。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。