在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2019

東アジア研究学域

文理を超えて「歴史」に光を当てる研究に挑む

山下 修平 さん
東洋史学専攻 3回生

私立 京都産業大学附属高等学校/京都府

立命館大学文学部を志望した理由

高校生の頃から世界史がとても好きで、専門的な歴史教育が受けられることと、社会科の教職免許を取得できると聞いて、立命館大学文学部を志望しました。歴史学にとどまらず、所属学域以外の分野も広く学ぶことができ、以前より興味を持っていた哲学や宗教学なども履修できるところにも惹かれました。

歴史に興味・関心があり、特に中東史や西洋史に関しては高校時代から専門書にも目を通していました。しかし大学進学を考える中で、「東洋史に関してはそれ程深く勉強していなかったな」と思ったのが、東洋史学専攻を志望した理由です。世界史の流れにおいて重大な転換点となったのが、モンゴル帝国の時代ではないかと考えていたので、専攻でもその時代の歴史と地域に焦点を当てて学んでみたいと考えていました。

文学部で勉強が大好きに、理系分野も貪欲に独学

入学後、自分に起きた大きな変化は「学問が大好きになったこと」です。高校のときは歴史だけ一生懸命に勉強していたのですが、大学に入ってから語学や理系分野の学問にも関心を抱き、独学を続けています。3回生の春学期で卒業に必要な単位数を修得できたので、空いた時間を数学の勉強にあてたところ、大学の授業レベルの数学は理解できるようになりました。語学も英語だけでなく、フランス語やイタリア語も習得したいと考え、勉強を続けた結果、辞書があれば論文を読めるぐらいまで身につけることができました。

そうした学びを生かして続けているのが、独自の研究調査です。1回生の頃はバッタ(飛蝗)が中国史に与えた影響の考察を行い、2回生からは人と動物を直接的に繋げる「病原体」に注目して調査を続けています。いま関心があるのは、「14世紀の中国に黒死病は到達していたのか」という研究テーマです。

熱中しているボクシングにも学問は活かされる

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ボクシングで試合している様子

現在、私はボクシングジムでトレーナーをしています。ボクサーとして試合にも出ていたのですが、今はトレーナーとして人に教えることに喜びを感じています。その際も、大学での学びが活きています。選手が勝つためには、徹底して相手を観察・分析し、その結果をわかりやすくレクチャーする必要があります。私が関わったことで、選手が喜んでくれるとやりがいを感じますね。

立命館で広がった自分の可能性

私は大学に進学する前から、歴史の教科が「人の歴史」を中心に展開されていることに疑念を抱いていました。人間社会の動きには、感染症の蔓延や、食料生産の変化といった「生命に関わること」が大きな影響を与えるからです。そこで「生命の歴史」という壮大な観点から、歴史の研究を捉え直してみようと考えたことが、現在の研究テーマに繋がりました。

私は将来、研究者としての道に進みたいと考えています。今は文学部で歴史を研究していますが、大学院の進学先は、物理学方面への転向を予定しています。というのも、幼少の頃から、文理の区別をして学問を学ぶことに疑問を感じていて、さまざまな領域を統一して深く学んでいきたいと考えていたからです。現在取り組んでいる「黒死病が中国に与えた影響」という研究テーマもそうですが、歴史学、疫学、気象学などの分野を融合することで、歴史に新たな面から光を与えることができるはずだと考えています。大学院で物理学を志したのも、「時間」というまだ正体がよくわかっていないものを、科学的に理解し考察したいと考えたのが理由でした。

立命館に入学したことで、自分の可能性は大きく広がっていきました。ぜひ高校生の皆さんも、この大学で自分の新たな関心事項に、チャレンジしてみてください。

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