在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2023

地域研究学域

地域観光学を学びさらに深まった街づくりへの思い。

瀧口 夏寧 さん
地域観光学専攻 3回生

兵庫県立尼崎稲園高等学校/兵庫県

祖父母が旅館を営んでいることから、私にとって「観光」はとても身近な関心事でした。旅館のある香川県高松市を観光地として盛り上げるにはどうしたらいいか。いつしかそんなことを考えるようになり、観光について学べる大学を探す中で最も興味を引かれたのが、立命館大学文学部でした。日本を代表する観光地である京都で、しかも金閣寺や北野天満宮をはじめ数多くの名所が間近にある最高のキャンパスで学べるところに魅力を感じ、進学を決めました。
2回生から地域観光学専攻での学びがスタートし、とりわけ大きな糧を得たのが、「地域観光学フィールドワーク」です。奈良県にある生駒山をフィールドに、この地が観光地として形成されてきた歴史をひも解く研究に挑戦しました。フィールドワークでは、県立図書館に行って古地図を調べ、歴史や地域のデータを収集する他、現地に赴き、昔からある商店で、店や街の由来を聞くといったインタビュー調査も行いました。それまで知識として頭に入れていたことはほんの一部に過ぎず、現地で調べたり、人とコミュニケーションを取って初めてわかる発見がたくさんあることに驚きました。印象深かったのは、地元の人に古い写真や地図を見せて話を聞いた時、ご本人も忘れていた記憶が蘇って、「そういえば、こんなことがあった」、「思い出せて良かった。ありがとう」と言われたことです。自分の調査が対象者の思い出を呼び起こすきっかけになれることも、喜びだと実感しました。

宝山寺鳥居の全体像

名前が刻まれている宝山寺の鳥居

また分析に必要な情報やデータを集めるには、どこに行ってどのような資料を当たればいいのか、どんな方に話を聞けばいいのかなど、実践を通して研究方法を学んだことは、今、ゼミで研究する上でも生きています。
現在は、香川県高松市にある屋島の観光地形成の歴史を研究しています。屋島は、山上からのすばらしい眺望、源平合戦の古戦場や四国遍路の霊場である屋島寺など、豊富な観光資源を備えた場所です。ここがいつから観光地として栄えるようになったのか、その歴史を解き明かすことで、地域に貢献したいと考えています。

屋島山上からの景色

一方課外では、立命館大学の学生による自治組織の立命館大学学友会学園振興委員会で、学園振興委員長補佐という役職に就き、自治活動に携わっています。学生の要望を集め、大学に伝えるのが私たちの役割です。3万3千人を超える学生を代表し、大学に要望を伝えることに、責任感とともに大きなやりがいを感じています。学生の声を集めるための全学アンケートを実施することも活動の一つです。どうすれば学生が感じている課題を引き出せるか、質問項目を検討することから、回収率を高める広報戦略を立てることまで、一つひとつ取り組む中で、課題を見つけ、解決策を考える力が鍛えられました。

全学アンケート集計の様子

その街で暮らしている人が誇りを持ち、心から愛せる街をつくりたい。これまで地域観光学を学んできて、そんな思いが強くなってきました。将来は都市開発の仕事に就き、街づくりに携わりたいと考えています。

BACK