在学生の声
4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。
2026
東アジア研究学域『風の谷のナウシカ』の登場人物に、老子思想の実践につながる手がかりを探る。
- 松村 果穂 さん
- 中国文学・思想専攻 4回生
京都女子高等学校/大阪府
中国文学・思想専攻を選んだ最初のきっかけは、高校1年生で小野不由美さんの中華ファンタジー小説『十二国記』に出会ったことです。全10巻の各巻末には、その巻の出来事を要約した漢文が、まるで歴史書の一節のように収められ、独自の世界観を表現していました。「壮大な物語をこんなに短い漢文に凝縮できるのなら、史料として残されている漢文にも、それぞれ豊かな背景や物語があるのでは?」と興味をそそられた私は、物語の根幹にある中国の思想を深く学べることから立命館大学を志望しました。
この専攻で必須となる漢文は、授業の中で段階的に学べるようになっています。難しいと感じることもありましたが、図書館で仲間と原典を突き合わせながら検討するのは、一体感があって楽しい時間でした。他専攻や他学部の授業も積極的に受講しました。印象に残っているのは、日本史学専攻の「史学論」です。歴史の「if」を考えたり、時代によって学者の歴史観が異なることを学んだりする中で、新たな視点を得ることができました。
『東の海神 西の滄海 十二国記』巻末に附された漢文
(小野不由美『東の海神 西の滄海 十二国記』(新潮文庫、二〇一三年)三四二頁)
ゼミでは、老子思想の実践について研究しています。「先人の生き方を学びたい」との思いから、老子の思想を形而上の議論としてだけでなく、現実の生き方に結びつく実践的な手がかりとして捉えたいと考えたのです。今は、漫画『風の谷のナウシカ』を、老子思想の実践という視点から読み解いてみようと構想中。登場人物の人物像や生き方と、老子の思想がどのように対応しているのかを、三国時代の学者・王弼による注釈を手がかりに検証したいと考えています。
このような研究は、直接何かの役に立つものではないかもしれません。しかし、自分なりの問いを立て、さまざまな資料を突き合わせながら、そのはざまに見える新しい何かを探していく力は、どの分野にも応用できる課題探究力につながると思います。必要なスキルは後からいつでも身につけることができますが、文学部の学びを通して鍛えられるのは、もっと根本的な力だと感じています。
課外活動では、立命館大学交響楽団でチェロを弾いています。高校のオーケストラ部で活動し、全員で一つの音楽を作り上げる一体感に魅せられたので、レベルの高いオーケストラがあることも立命館大学を志望した理由でした。立命館大学交響楽団は団員数約150人、学生による自主運営団体で、私は団全体の技術指導や選曲を担当する委員会の一員としても活動していました。このデジタル時代に、指揮者が振る一本の棒に全員が食らいつくというアナログな感覚の中から、オーケストラならではの「ゆらぎ」が生まれていることがとても面白いです。他学部の学生から、自分の知らない分野の研究の話について聞けることも、総合大学ならではの良さだと感じています。この活動のために毎日大学に通ったと言っても過言ではありません。
交響楽団のチェロパート同期との写真
立命館大学交響楽団 創立70周年記念公演・第134回定期演奏会の様子
今は就職活動に取り組んでいます。民間企業に入るか、音楽系の公的な文化施設の運営団体などで働くか、まだ決められていません。卒業後も市民オーケストラに入り、音楽と長く関わり続けたいと考えています。
