在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2019

東アジア研究学域

漢文が嫌いだった私が『史記』を研究

時信 和佳 さん
中国文学・思想専攻 4回生

岡山県立岡山操山高等学校/岡山県

漢文が嫌いだった私が『史記』を研究

今では大学で司馬遷の『史記』を研究する私ですが、じつは高校に入学した頃は漢文がまったく読めず、国語の漢文の授業も「早く終わらないかな」といつも思っていました。それが大きく変わったのは、高校で出会った漢文の先生のおかげです。先生の授業で、漢文に書かれていることの中身をくわしく知り、「こんなに面白い内容だったのか!」と心が躍りました。すっかり漢文好きになったことから、関西で漢文を学べる大学を探すなかで、立命館大学の文学部を知りました。中国文学が学べる大学は立命館の他にもあるのですが、一緒に中国思想も学べる大学はなく、中国文学か思想か決めかねていた自分にとってぴったりの学部だと感じたのです。オープンキャンパスに参加したときには東アジア研究学域の先生から、実際に大学で行っている研究の話をお聞きし、「自分が学ぶ大学はここしかない」と感じて入学を決めました。

小説のような『列伝』の面白さ

いま私は、中国の歴史書である『史記』のなかにある、『列伝』を研究しています。『史記』は高校の漢文の教科書にも載っており、私も高校時代に知って興味を持ちました。実際に読んでみると著者の司馬遷の感情や人生が文章の前面に表れており、まるで隣りで話を聞いているかのような気持ちで読み進めることができます。『列伝』は全部で70篇あり、長い中国の歴史を彩った皇帝や武将、宰相、思想家、また刺客や商人といった人まで取り上げた、人物伝になります。私はそのなかでも特に、春秋戦国時代の列伝に興味を持っており、卒業論文では「管晏列伝」を取り上げることにしました。この列伝は、管仲と晏平仲という、二人の春秋時代に活躍した宰相の人生を描いています。二人の生きた時代は100年ほど離れていますが、この二人の活躍によって国は力を増しました。いまから2千数百年も前に生きた人物のエピソードなのに、まるで小説を読むような面白さがあり、いつの時代も変わらない人間のドラマを感じています。

落語研究会での思い出

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落語研究会の寄席で落語をしている様子

4回生なのでもう引退しましたが、課外活動で「落語研究会」に所属していました。大学内のホールで、学生や地域の方々に向けて、寄席を行うことが年に数回ありました。そこで着物を着て高座に上がり、観客を前にして覚えた落語を披露したことは、とても良い思い出になっています。演じるのに30分ぐらいかかる落語の噺を暗記したり、「まくら話」を考えるのはたいへんでしたが、お客様が私の話に笑ってくれるのが、何よりの喜びでした。サークル活動では他大学との交流や、お年寄りの方々が暮らしている施設を訪問して落語をするボランティア活動にも取り組み、とても有意義な日々を過ごせたと思います。

研究者として中国文学の面白さを伝えたい

私の将来の夢は、中国文学の研究者になることです。古典文学、とくに漢文や古文は、現代文に慣れている方からすると読みにくいので、食わず嫌いの人が沢山います。しかし一度その中身に触れてみると、私のように必ずその面白さがわかるはずです。立命館の文学部では、古典の「中身」を突きつめて研究できるので、高校の勉強とはひと味違う学びが得られます。文学の間口はとても広く、その魅力もさまざまなので、今少しでも文学に興味がある方は、ぜひ文学部に来てみてください。

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