在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2020

国際文化学域

芸術を学ぶはずが、気が付くと英米文学専攻。 大学は、自分の好きなものを見つける場所。

杉本 はななさん
英米文学専攻 4回生

滋賀県立東大津高等学校/滋賀県

幼い頃から、絵や彫刻を見るのが好きでした。母親に連れられて、よく博物館や美術館に行ったのを覚えています。高校の頃は選択授業で美術を選び、油絵を少し勉強。大学に入ったら芸術を学問として勉強したいと思い、「文化芸術専攻」がある立命館大学文学部を選びました。

文学部では、1回生の時に「学域」で幅広く基礎を学び、2回生から好きな「専攻」を選んで専門分野を深く勉強します。美術が好きだった私は、1回生の春学期まで、当然のように「文化芸術専攻」を選ぶつもりでした。でも実際に私が選択したのは、英米文学専攻でした。1回生の秋学期に受けた「英書講読」の授業があまりにも楽しく、「自分が勉強したいのはこれだ!」と感じたからです。思ってもみなかった、好きな学問との出会いでした。students/students36_sub01「英書購読」の授業の資料

「英書講読」は、講義形式の授業ではありません。毎回短編小説の課題が出て、学生はそれを事前に読み込んで、調べたことをグループで発表。その後議論し、担当の吉田恭子先生が学生の意見にアドバイスをくれます(反転授業)。学生同士で議論すると、いろいろな意見が飛び出して新たな発見があります。「この文章は、きっと○○という意味だ」「いや、○○じゃないか」。たった1行の文章でも、さまざまな解釈の仕方がある。そんな発見が、私にはたまらなく楽しく思えました。

吉田先生には、3回生の春学期にゼミ(専門演習)で指導いただき、その後はPRESTON先生にも教えていただきました。ゼミは、原則として日本語禁止。先生のお話も、学生のプレゼンやレポートも、すべて英語です。他の人ほど英語が得意ではない私は、ついていくのに精一杯。先生が話されることは理解できても、自分の意見を英語でうまく表現できず、もどかしい思いをしてばかりです。でも、どうしても分からないことがあれば日本語で質問できるし、言葉の達人=吉田先生は、授業と同じように分かりやすく教えてくださいます。students/students36_sub02吉田先生がイギリス滞在中に訪問した時の様子

卒業論文では、インド系アメリカ人の女性作家ジュンバ・ラヒリの『The Namesake』(邦題「その名にちなんで」)を取り上げました。小説の主人公の名は、ゴーゴリ。作中には、ロシアの文豪ゴーゴリの『“The Overcoat”(邦題『外套』)』が重要なモチーフとして登場します。なぜ作者のラヒリは、『外套』をモチーフに選んだのか。ラヒリの生い立ちや時代背景にも対象を広げ、資料を集めて分析しました。

卒業論文は、もちろん英語です。英語に自信がない私は、はじめの頃、日本語で書いた草稿を英語に翻訳し直していましたが、そのやり方だと日本語の難しい言い回しを英語に直す時に立ち往生。それで少しずつ、英語で考え、英語で書く練習をするうち、次第にできるようになっていきました。ゼミを通じて英語が伸び、自分の成長を実感することができました。

卒業後は大学院に進み、吉田先生からさらに深く英米文学を学ぶつもりです。これからも楽しみながら自分の可能性を広げていきたいです。ときどき「勉強したいことがないから、大学には行かない」という声を耳にします。でも立命館大学文学部にはいろんな学びの機会が用意され、自分が「これだっ!」と思えるものに出会うチャンスがたくさんあります。好きなもの、好きな勉強と出会える場所。私は自分の体験を通じて、それが立命館大学文学部の一番の魅力だと確信しています。

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