在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2020

国際文化学域

芸術の本場を体感したヨーロッパ留学。 見えなかった目標も、少しずつ見えてきた。

辻本小町さん
文化芸術専攻 3回生

大阪市立南高等学校/大阪府

高校3年の頃、はっきりした将来の目標が見えなくて、進路のことでずっと悩んでいました。外国語大学で勉強しようか、それとも海外の大学に進学しようか……。そんな時、背中を押してくれたのが、担任の先生でした。「目標が見つからないなら、総合大学に進んでいろいろ勉強してから、好きなものを見つければいいよ」。そういって、立命館大学の指定校推薦を勧めてくださったのです。

大学に行って話を聞くと、ポイントをいくつか教えてくれました。学部や学域にとらわれず、いろいろな授業を受けられること。提携大学が世界中にあって、留学のチャンスが多いこと。副専攻として第二外国語の運用能力も高められること。学芸員課程や教職課程、図書館司書課程も取得できること・・・。明確な目標がなかった私には、ひとつひとつが魅力的に映りました。小学1年から10年間習ったクラシックバレエは、高校2年でひと区切り。今度は大学で思い切り勉強しようと、文学部への入学を決めました。

1回生の時は「国際文化学域」に所属し、2回生の時の専攻選択にむけて文化芸術専攻の多様な学びを知ることができる「文化芸術概論」を履修しました。
「文化芸術概論」は文化芸術専攻の複数名の先生が担当するリレー講義です。先生方は、「研究が好きで好きでたまらない」という磁力を全身から発散させているような熱い方ばかり。それぞれの専門分野をひたむきに追い求めてきたからこそ言える言葉の数々が心に残り、2回生では「文化芸術専攻」を選択しました。クラシックバレエ一色の日々だった私は、今さら芸術と距離をおくことなどできません。芸術を多角的に研究される先生のもとで、芸術の歴史的・社会的な役割について学びたいと思いました。

1回生の頃は、他の学域の授業にも積極的に参加しました。意外だったのは、学域外の授業を履修する学生が予想以上に多いこと。文学部の多くの専門科目は、学域を超えて授業を受けることが可能です。また「全学副専攻」は、フランス語を選択しました。「全学副専攻」は、1回生で選択した必修の外国語をもっと学びたいという学生のための制度です。1回生で第二外国語としてフランス語を専攻した私は、フランスへの憧れから「副専攻」でもフランス語を発展的に学びました。

「専攻」の勉強に、「全学副専攻」の勉強。それに2回生秋からの交換留学に備え、今のうちにできるだけ多くの授業を取っておこうとしたせいで授業日程は超過密。でも投げ出したくなったことは、一度もありません。自分では「勉強」というより、「面白い本を読む」くらいの感覚。それくらい、新しい学びに出会えることが楽しくて仕方ありませんでした。

交換留学のために、チェコのカレル大学へ向かったのは、2回生の秋でした。ヨーロッパを留学先に選んだのは、芸術の本場を体感しておきたかったから。以前から関心があった映画について勉強したくて、映画学科のあるカレル大学を選びました。students/students37_sub01留学先で出会った、台湾とドイツの友人と

現地では、エラスムス(ヨーロッパの留学制度)で欧州各国から来た留学生が多く学ぶクラスに所属しながら、カメラワークなどを通じて考察する映画分析、チェコの映画史などを勉強。チェコ人だけでなく、他の国の学生とも交流でき、充実した日々でした。それだけに、新型コロナウイルスの感染拡大で途中帰国せざるを得なくなった時は、本当に悔しかったです。students/students37_sub02rague in Czech and European cultureという授業で美術館にむかっている様子

でも半年あまりの留学で、学んだこともたくさんあります。外へ外へと向かっていた気持ちが内側に向かい、日本の文化芸術にも関心を持つようになって、興味の対象をもっと広げることができたからです。新型コロナウイルスで、思い描いていたプランは白紙に戻りました。でも、また一からつくり直せばいい。立命館大学で全力を尽くして頑張った3年間で、今まで見えていなかった目標を見つけるための選択肢も広げることができたから。

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