在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2021

国際コミュニケーション学域

かなわなかった夢もある。 それでもたくさんのものを得た。

神足颯人さん
英語圏文化専攻 3回生

山口県立徳山高等学校/山口県

高校時代、英語の勉強が大好きでした。たとえば、「sur(超えて)」と「vive(生きる)」がひとつになって「survive(生き残る)」となるように、単語も要素に分けてみると実に面白い。そのことに気付いてからは、ワクワクするような気分で勉強に励みました。また英単語の6割近くがフランス語系由来だと知ってからは、フランス留学を真剣に考えるようになりました。

立命館大学は、そんな私の夢を実現させてくれる絶好の舞台でした。国際コミュニケーション学域なら英語の歴史や成り立ちを深く学べるし、留学先となる海外の提携大学がとても多く、フランス留学のチャンスもあるからです。また立命館大学は地方受験に力を入れていて、地元山口県で入試を受けられるのも魅力でした。(地元を離れ、)京都で一人暮らしをすれば、経済的な負担は大きいですが、立命館大学の充実した奨学金制度があったことで、その問題も解決できました。地元の国立大学にも合格しましたが、立命館大学で学びたいという気持ちに変わりはありませんでしたし、その選択に間違いはなかったと、今は思っています。念願だったフランスには1ヶ月間の短期留学ができたし、英語の研究やサークル活動、ボランティアなどいろいろなことにチャレンジし、たくさんのものを得ることができたからです。
students/students45_sub01 ホストブラザーに俳句を教えているところ

学外活動では京都市の校務支援員募集に応募し、小学校で働き始めました。純粋な小学生から「ありがとう」といわれることがとても嬉しくて長期留学ができなかった悔しさ・悲しさが少しずつ無くなりました。また、コロナ禍以前から始めていた、京都にある私立高校での文芸部コーチのアルバイトも少しずつ再開され、一度は折れかけた気持ちを徐々に立て直すことができました。
2回生の終わり頃から、茶道と華道のサークルに入り、日本の文化をあらためて理解しようと努めています。そのきっかけは、フランス留学でした。留学先では、自分の俳句経験を活かして日本文化を紹介できればと試行錯誤を続けていましたが、西洋の詩と日本の俳句はまったく違い、言葉のカベの大きさをあらためて実感しました。お茶やお花など、形として目に見える文化に見識があれば、フランス人の学生に日本文化の真髄をもっときちんと伝えられたはずだと思い、日本文化の聖地である京都で勉強を始めることにしました。

現在は、「英語の発展とこれからの国際社会」というテーマで研究に取り組んでいます。国際化やグローバル化というと、すぐに英語を思い浮かべるほど、現代では英語が標準化しています。しかし英語のルーツは、かつてブリテン島に住む人たちが話していた地方言語です。では、なぜ英語が国際社会で共通して優先的に使われる言葉になったのか。また、ひとつの言語が優先的に使われる今の世界が、本当に平等で開かれた世界なのか。言語を単なるコミュニケーションのツールとしてではなく、文化を媒介するメディアとしてとらえることで、英語一強の国際社会を見つめ直すのが研究のいちばんの趣旨です。

文学の木は無限です。枝葉は無数に分かれて広がり、根は深くどこまでも続いています。しかし、その種は意外にも至る所に転がっています。夕陽が射す放課後の教室で「なんで英語を勉強しないといけないの?」と思いながら勉強する人も、洋楽にハマった人も、映画好きな人も、知らず知らずのうちに文学の種を見つけているのです。「好き」や「なんで」を突き詰めて、それを「学問」だと自信をもって言える場所、それが立命館大学の文学部です。文学を通して咲かせた知識の花は、必ず成果として実り、次の発見や学びの種になるのだろうと感じています。

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