在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2023

東アジア研究学域

日本で出会った東アジアの現代文学。大好きな本をより深く読めるようになった。

兪 辰亮 さん
現代東アジア言語・文化専攻 3回生

桐郷市高級中學/中国・浙江省

初めて日本に来たのは、小学校を卒業した年の夏でした。小さい頃からドラマなどで見ていた日本を観光して以来、日本に対する興味が強くなり、高校卒業後に留学を決めました。
読書が好きで、文学部を志望していましたが、中でも立命館大学を選んだのは、「東アジア研究学域」に惹かれたからです。中国大陸の他、台湾やマレーシアやシンガポールなど、中国語圏の現代文学作品を知りたいという気持ちに加え、東アジアの国々を幅広く学ぶことで、母国をより多面的に理解できるようになりたいという思いがありました。とりわけ京都は、文学者・林文月が書いた『京都一年』や、作家・蘇枕書の『京都古書店風景』などを読んで、「一度は暮らしてみたい」と夢見ていた場所。立命館大学に進学し、それを叶えることができました。

共同研究室で勉強する様子

東アジアを専門にする先生方も多く、多様な分野を学べるところが「東アジア研究学域」の魅力です。1回生では、東洋史や中国文化など、それまで知らなかった東アジアの歴史や文化について学ぶのが楽しかったです。2回生の時に受講した「東アジア現代文化論」では、中国大陸や台湾、マレーシア在住の華人の作品など、さまざまな華語文学との出会いがありました。同じ中国語で書かれていても、例えばマレーシアの華人の作品には、大陸の作家の作品とは異なる雰囲気があります。小説を通して、多様な国の文化や風俗に触れられるのが、おもしろいところです。
作品を読むだけでなく、人との交流を通して理解が深まることもたくさんあります。学内の国際交流コモンズ「BBP (Beyond Borders Plaza)」に行って、さまざまな国や地域から来た留学生と話したり、授業で日本人学生や韓国人の学生の意見を聞いて考え方に違いに驚くこともあります。

現在は、中国大陸と台湾の小説における言語表現の違いに関心を持っています。大陸の作品は、物語性を重視するものが多いのに対し、台湾の小説は、心理的な描写に重点が置かれているものも多く、言葉の選択にも違いがあるように感じます。なぜこうした違いが生まれたのか、さまざまな作品を通して明らかにしたいと思っています。文学部で学んでからは、ただストーリーを楽しむだけでなく、「この作家はなぜこの題材を選んだのか」といった背景に思いを馳せたり、小説の構造や技法に目を向けるなど、多様な視点でより深く読めるようになりました。

課外では、平井嘉一郎図書館の学生ライブラリースタッフとして活動しています。配架や書架整理の他、目的の本がどこにあるのかわからない学生を案内したり、利用の方法を教えることもあります。活動を通じて日本語能力もめきめき上達し、自信を持って学生をサポートできるようになりました。何より嬉しいのは、立命館大学の膨大な蔵書に触れられること。日本語の書籍だけでなく、中国語の本も数多く収蔵されています。そうした本を読んでいる時間が、一番幸せです。

ライブラリースタッフとして勤務の様子(ぴあら)

ライブラリースタッフとして配架しているところ

文学部での学びは、パズルを埋めるようなものだと感じています。幅広い科目を通して得た知識の一つひとつがパズルのピース。これらがどのようにつながっているのかを探求することは、ミステリー小説を読んで、手がかりから真相を探り当てる時のように心が躍ります。ぜひ皆さんも、文学部での4年間で自分だけのパズルを仕上げてください。

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