在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2026

日本文学研究学域

日本文学が私にもたらしてくれた感動の理由を探求し、その魅力を伝えたい。

滕 林洋 さん
日本文学専攻 4回生

中学生の頃に日本文学と出会い、『人間失格』や『山月記』を読んだ時の感動は、今も忘れられません。自分の中にあったもやもやもした気持ち、繊細な感情が、文学作品として描かれていたからです。その後、さまざまな日本文学を読み進めるうちに、原文でも読みたくなって日本語の学習を始め、作品の奥深くに迫るためには文学研究の知識も必要だと考えて文学部への進学を決意しました。立命館大学を選んだのは、京都が好きだったことと、オープンキャンパスでのとても温かい対応が印象に残ったからです。

私の研究テーマは、芥川龍之介の作品における構造分析です。これまでの研究では、作家自身の個人史をもとに作品を説明しようとする傾向がありました。それに対して私は、作品の人称や叙法などの表現構造に着目しています。作家の人生や思想の変化として説明されてきた問題を、作品そのものの構造や語りの技法から捉え直すことで、芥川文学の新たな理解につなげたいと考えています。

物語は、作家から読者へのメッセージでもあります。メッセージの発信者である作家については多くの先行研究がありますが、私は受け手である読者にも目を向けたいと考えています。読者は作家が実際はどのような人物なのかを推測することしかできませんし、作家も読者が自分の作品をどのように読んでいるのかを推測することしかできません。今、そうした作家と読者の関係性に着目し、新しい研究の視点を探るため、先行研究にあたっているところです。

大学入学前の1年間、京都の日本語学校へ通っていた頃は、桜や紅葉の季節にお寺などをよく訪れていました。でも、大学入学後は忙しくて自分のための時間があまりとれていませんでした。だから今は、生活と勉強とのバランスを意識し、限られた時間の中で、京都のさまざまな場所を訪ねたり、美術展を鑑賞したりするようにしています。他の芸術分野に触れることで、自分の研究へのヒントが得られるかもしれないという期待も持っています。

大学周辺のカフェで息抜きするのも好きな時間です。中でも70年以上の歴史がある『静香』というカフェが大好き。サンドイッチがすごく美味しくて、一人でゆっくり時間を過ごすことがよいリフレッシュになっています。

卒業後は大学院に進学し、引き続き内藤先生のもとで研究を続けたいと考えています。将来の夢は研究者になることですが、今はまだそれを堂々と言えるほどの自信がありません。それでも、日本文学が私に与えてくれた感動の理由を探求し続け、それを自分の言葉で表現したいという強い思いがあります。そして、文学の魅力や感動を若い世代にも伝え、分かち合っていきたいです。

人文学は、人の教養に関わる学問分野だと思います。教養がなければ、人生の楽しみも限られてしまい、分かりやすさや強い刺激を求めてしまうでしょう。でも、知識があれば、同じものをより深く味わい、楽しむことができます。文学部での学びは、人としての成長という意味でも欠かせないものだと感じています。

BACK