在学生の声
4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。
2026
東アジア研究学域複数の史料を突き合わせ、2000年前の人々のリアルを解明していく楽しさ。
- YU CHENGYU さん
- 東洋史学専攻 4回生
師範大学附属高等学校/中国
中国史を本格的に学びたいと考えていた私が立命館大学文学部に入学したのは、中国の古代・中世・近現代それぞれに専門の先生がおられる環境に魅力を感じたからです。先生方の研究テーマや、研究に対する真摯な姿勢にも強く惹かれました。文献史料や出土史料を直接見たり、現地を訪ねたり、多様な研究手法があることにも興味を持ちました。
入学後は、授業で先生方の膨大な知識量と鋭い問題意識に圧倒されました。尊敬できる先生方のもとで、専門的な史料の読み込み方を基礎から徹底的に学べる。まさに私の望んでいた大学生活そのものでした。
ゼミでは、前漢時代の官僚登用制度に関する研究を行っています。2000年以上も前に、それまで重視されていた血筋や身分に代わり、広大な国を治めるため作られた画期的な統治システムです。私が最も面白いと感じるのは、「実際には何が起こっていたのか」を謎解きのように解明していくことです。ある本には「徳のある優れた人を推薦した」と書かれていても、複数の史料を突き合わせると、その背後に地方豪族の意向やコネ、権力闘争といった生々しい現実が見えてきます。史料ごとに異なる場合もある言葉の真の意味を探りながら当時の出来事を追究していくうち「こういうことだったのか!」と、まるでパズルのピースがはまるような瞬間が訪れるのです。2000年前の人々のリアルな姿をあぶり出し、客観的な事実を少しずつ復元していく作業に大きなやりがいを感じています。
立命館には東洋史の史料が豊富にそろい、恵まれた研究環境があります。また、京都は人が多すぎず、住みやすい街だと思います。中国史に関連する展示のある博物館や、美術館にもよく足を運びますし、通学途中にある北野天満宮をはじめ、神社仏閣の古い建物と中国の建築とを比較するのも面白いです。
卒業後は大学院で研究を続け、その楽しさを伝えられる人になりたいと考えています。将来は大学教員を希望していますが、日本か中国で高校の歴史の教員になるかもしれません。「歴史を学んで役に立つのか?」と思う人もいるでしょう。しかし、私たちが向き合う史料は、当時の人々が何らかの意図や感情を持って書き残したものです。それが真実とは限らないからこそ、多角的な史料を集めて検証を重ね、当時の実像を限界まで復元するという高度な知的探求に取り組むのです。この過程を通して、情報の真偽を見極める力や、膨大な情報の中から本質を読み解く力が鍛えられます。また、当時の人々の行動の理由を推し量る共感力は、自分と異なる背景を持つ人や異文化を理解する力にもつながります。自分の力で事実に迫り、人間の本質や多様性に触れるこの学びは、正解のない現代社会を生きるうえで、どのような仕事にでも通じる一生の武器になると思います。
AIは毎日学習し、進化し続けています。だから、人間も学び続けなければなりません。大学での4年間でその姿勢が身につけば、将来「これを学びたい」と思ったときに、いつでも学べる人になれるでしょう。それは、どんな時代になっても自分を高め、進化できるということだと思います。
