教員コラム

文学部には100名を超える教員が在籍しています。一人ひとりのリアルな教育・研究活動を紹介します。

COLUMN

K-POPや「三国志」から、言語、歴史や思想へ、東アジアについて学びが広く・深くなっていく

現代東アジア言語・文化専攻

東アジア研究学域
教授

庵逧 由香

東アジア研究学域は、中国・韓国を中心とした東アジアの歴史や文化、思想、文学、言語などを幅広くも深くも学べる学域です。最初はK-POPや韓流ドラマ、「三国志」などが好きで入学した学生が、東アジア全般について広く知識をつける中で韓国から中国に関心が広がったり、歴史や政治の問題も正面から捉えるようになるなど学びが広く、深くなっていきます。

とりわけ重視しているのは、実際に現地に赴き、体験を通じて学ぶこと。文学部では数週間の短期の海外研修から1年間に及ぶ交換留学まで学部独自の海外プログラムを豊富に用意しています。現地で人と触れ合い、自分の目で見ると、日本で見聞きするのとは違った側面が見えてきます。また他の国や人の視点から眺めることで視野が大きく広がります。

中国・広東外語外貿大学のキャンパスアジア学生の来日を出迎えた際の写真

日本、中国、韓国で学ぶ「キャンパスアジア・プログラム」

こうした学びの中でも特長的なのが、「キャンパスアジア・プログラム」です。このプログラムでは、2、3回生の2年間に中国と韓国の両方の大学で数カ月ずつ2周して学びます。それぞれの国で中国語、韓国語を習得することはもちろん、歴史や文化を理解し、人文学について深い知識と多角的な視点を養います。英語圏で学ぶことだけがグローバル教育ではありません。将来、東アジアのさまざまな分野で活躍できる力を磨く上で他にはないプログラムだと思っています。

東アジア研究学域の中でも私の専門は、朝鮮の近現代史です。特に近代に朝鮮半島で行われた植民地支配や、戦争動員、「徴用工」、「慰安婦」など現代の日韓・日朝関係をめぐる課題に関心を持っています。当時の文献や資料を丹念に調べる他、韓国や朝鮮民主主義人民共和国を訪れ、体験した方の証言を集め、当時の朝鮮の人々がどのように考え、どう対応したのかを詳らかにしたいと考えています。

日本は中国や韓国と深い関係を築いてきた一方で、現代もさまざまな課題を抱えています。そうした課題の解決や関係の改善に寄与できる。そんな「今」に関わるダイナミックな学びや研究に触れられるのがこの学域の醍醐味です。

PERSONAL

庵逧 由香

専門領域:
朝鮮近現代史、国際関係史
オフの横顔:
ビールが大好き! ヨーロッパや台湾、韓国など海外でもおいしい地ビールを探して飲み歩くのが楽しみ。一押しは平壌の「大同江ビール」。