環境に配慮した施設・取り組みが評価され、立命館中学・高等学校が環境省の「令和4年度気候変動アクション環境大臣表彰」(普及・促進部門)を受賞しました。また、立命館慶祥中学・高等学校もサステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)の「第8回サステイナブルキャンパス賞」(第1部門 キャンパスのサステイナビリティに配慮した建築・設備部門)を受賞しました。

立命館中学・高等学校の受賞

 2014年度に開設した立命館中学・高等学校は、環境配慮型技術の5つの柱、①地域性を活かした計画、②自然エネルギー利用、③ピークカット(最大電力削減)に寄与する電力デマンド低減、④災害時の地域貢献と省エネの両立、⑤学校活動と連携した環境の取り組み、を実現する次世代型のエコスクールです。

 太陽光や風、地下水といった地域特性を活かした自然エネルギーを最大限活用しつつ、断熱性を高めた外装などによって消費エネルギーを低減。また、太陽光発電によるエネルギーの創出により、施設の中心的な空間「アトリウム」のエネルギー収支をゼロ化しています。さらに、太陽光発電・蓄電池による電力確保、水貯留水槽による生活水の確保により災害に強く、地域の避難所として貢献することも可能となっています。

 立命館中学・高等学校では、生徒会の生徒らと企業が協議を重ね、教室ごとのエネルギー消費量だけでなく、換気や温度設定などによってどのように変化するかを可視化するシステムを設けたことで、各クラスで省エネ活動などを積極的に取り組むようになりました。また、Rits Super Global Forum(RSGF)やJapan Super Science Fair(JSSF)など、国内外の生徒らとの学術交流の場においても、環境などにかかる社会問題について議論を交わし、その解決策を検討するなど、環境配慮型の施設・技術を有する「エコスクール」を環境教育の学びの場として位置づけ、探求学習に活用してきました。

 環境省が気候変動対策推進の一環として、顕著な功績のあった個人・団体を称えることを目的に実施する気候変動アクション環境大臣表彰において、こうした「エコスクール」を活かした気候変動対策や環境教育が高く評価され、今回の受賞に至りました。

大規模太陽光発電・蓄電設備
大規模太陽光発電・蓄電設備
太陽熱・空気熱を利用するソルエアパネル
太陽熱・空気熱を利用するソルエアパネル

地中熱コイル
地中熱コイル
地下水の熱源を利用する輻射パネル
地下水の熱源を利用する輻射パネル

立命館慶祥中学・高等学校の受賞

 北海道にある立地から冬場、暖房が欠かせない立命館慶祥中学・高等学校。立命館の附属校のなかで最もCO2を排出していました。そこで、カーボンニュートラルな燃料である木質チップ(木質バイオマス)を利用した木質バイオマスボイラーと液化天然ガス(LPG)を利用したボイラーを導入しました。

木質バイオマスボイラー
木質バイオマスボイラー
木質バイオマス(木質チップ)
木質バイオマス(木質チップ)

 木質バイオマスは、大気中に新たなCO2を増やさない再生可能エネルギーとして近年注目されています。森林資源由来の木質バイオマスを安定的に入手できるという北海道のメリットを生かし、再生可能エネルギーの利用をベースにしながら、必要な分だけLPGボイラーを使用することで、CO2排出量の削減を図りました。CO2排出量は従来よりも、熱源空調設備で71%削減、建物全体で35%削減できる見込みです(現在、実運用下で測定中)。

 将来、木質バイオマスの燃料灰を地域の土壌改良材(肥料)や融雪剤として活用でき、バイオマスエネルギーの利活用を通じて、地球温暖化防止や資源循環などを学ぶことができる教育的活用も視野に入れています。

 こうした点がサステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)に高く評価され、「第8回サステイナブルキャンパス賞」(第1部門 キャンパスのサステイナビリティに配慮した建築・設備部門)を受賞しました。

授賞式の様子
授賞式の様子

 今後も立命館は、一人ひとりが地球市民としての自覚を持ち、環境に配慮した施設やそれらを通じた教育・研究活動、啓発活動などを通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

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