2025.10.29
  
  
政策科学部・都市政策ゼミ(吉田ゼミ)がウォーカブルシティとレジリエントな都市のあり方を考える路上イベントを実施しました。これはJR茨木駅に隣接する商店街の路上において「みちから、まちを、変えていこう!」と題した茨木市役所主催の社会実験「みちクル」プロジェクトに協力参加したものです。この社会実験は、商店街、警察、市役所、大学、そして地域住民の方々が連携し、2週間にわたり自転車専用道を新たに設置したり、路上をポケットパークのように利用したり、夜の飲食空間のためのバルスペースとして時限的に利用しようとするまちづくりの試みです。3メートル幅の側道上に催し物スペースが南北両側に設けられ、立命館大学理工学部阿部研究室による茨木市各所の提案図面の展示スペース、関西大学社会安全学部伊藤ゼミの防災研究の展示スペース、空き店舗を利用した喫茶室、そして物品販売店とともに参加しました。
  
  側道の催し物スペースを利用した路上ゼミの風景
 
  茨木市の「ツーコア・ワンパーク政策」には、阪急茨木市駅とJR茨木駅を2つの「コア」、元茨木川緑地公園一帯を1つの「パーク」と位置付け、それらにつながる交通を有機的に結びつけることで、コンパクトシティ化を進める狙いがあります。ゆくゆくは一方通行の自動車道を設けて、歩道や自転車道の幅を広くしようという構想もあります。
  2025年10月25日午後、政策科学部吉田ゼミのメンバーと教員が集まり、最初に茨木市都市政策課職員さんから「ツーコア・ワンパーク政策」の意図と社会実験みちクルの実施状況が説明されました。ポスター展示では、2024年度PSエキスポで表彰された学生論文「中心市街地活性化に向けた駅間商業地の回遊性向上に関する政策的アプローチ分析」の紹介があり、また2024年度地域デザイン調査で考案されたまちづくり提案「地域に溶け込む学生寮」、「まちなか立ち寄り・サク飲みプロジェクト」、「響き合う知と感性の瑞雲空間」の紹介もありました。
  後半の討論では、ゼミ生から2つのクエスチョンが提示され、少人数のグループで質疑応答や意見交換が行われました。クエスチョンは「JR⇔阪急 お互いにわざわざ行くん?どないしたらよう行くんかね?」、「2Core1Parkは茨木市の地震の際の防災機能を高めるか?」でした。学生同士の活発な質疑応答が展開し、まるで「路上ゼミ」、「青空ゼミ(曇天ゼミ?)」という状況でした。あいにく途中から雨天となりましたが、ゼミを終えた学生諸君は地域経済に貢献するため、バル参加店舗で夕食をとって懇親を深めました。
 
 
  
    
    学生同士の活発な路上ディスカッション(茨木市役所提供)
   
  
    
    催し物スペースの設営風景(金相憲提供)
    
(文責吉田)
 
  
  続きを読む
  
 
  2025.10.29
  
  2025年10月8日、立命館大学政策科学部の学生を対象に、三菱ふそうトラック・バス株式会社の代表者による国際製造会社キャリアセミナーが開催されました。山内浩平氏(生産本部・物流)とNitikitpaiboon Panyapat氏(経営戦略本部・ESG)は、グローバルなトラックメーカーで働く上で直面する様々な業務や課題について、自身のキャリアパス、業務内容、日常業務など、実践的な視点から学生に説明しました。セミナー後、両講師は学生と交流し、三菱ふそうトラック・バス株式会社のようなグローバルな製造企業で働くことの可能性について議論しました。
 
  
  続きを読む
  
 
  2025.10.14
  
  政策科学部の上久保誠人教授が、外国特派員協会(FCCJ: The Foreign Correspondents’ Club of Japan)で
開催されるプレスイベントに登壇されます。
講演タイトルは、「高市早苗は首相になるのか?」です。
本イベントは、YouTubeライブ配信および録画アーカイブ視聴が可能です。
政治・メディア・国際報道に関心のある方は、ぜひご視聴ください。
視聴はこちらから
<10/16更新>
記者会見のアーカイブ動画はこちらをご覧ください。
 
  
  続きを読む
  
 
  2025.10.8
  
  角本ゼミ(政策構想演習)では、3・4回生合同で「AI・デジタル技術による社会課題への法政策的アプローチ」をテーマとして研究を行っており、その一環として2025年8月25日~28日に東京都で複数の民間企業へのヒアリング調査を実施し、一橋大学大学院法学研究科での特別講義を行なっていただきました。
  
25日には、ソフトバンクとトヨタ自動車の合弁会社であるMONET Technologies株式会社自動運転事業部の横山英則様、石原隆弘様、事業統括部の仁木創様に、自動運転サービスの到達点と今後の可能性についてお話をしていただきました。特に、社会的課題の解決を重視するなかで、オンデマンド交通や、医療MaaS、行政MaaSに注力されていることを伺いました。また、弊ゼミからは、サービスによって蓄積される関連データの公共財性や、「自動車を運転する、所有する」文化の行く末等について質問し、丁寧にご回答をいただきました。
  
 ソフトバンク本社
 
26日には、セイコータイムクリエーション株式会社を訪問し、サイネージ営業推進部の矢野雄一郎様、植竹彩子様、原佳奈穂様より、デジタルサイネージに関するサービスや実際の導入事例を詳細にご紹介いただきました。あわせて、デジタルサイネージの選挙利用の意義と課題に関する質問事項にもご回答をいただきました。選挙の場面における、紙媒体、SNSとのメリット・デメリットの比較をするなかで、設置費用、耐久性や設置場所、システム面での特徴など、デジタルサイネージに関する企業ならではの情報をご教示いただきました。
      
 セイコータイムクリエーション株式会社へのヒアリング
 
    
 
27日午前には、株式会社電通 CXクリエイティブセンターの木幡容子様、データ・テクノロジーセンターの伊勢裕子様、森山知英子様、dentsu Japan データ & テクノロジー プレジデントの松永久様より、広告業界におけるAIの活用と人間の役割に関してお話を伺いました。具体的には、「AI For Growth 2.0」における「People Model」や「Creative Thinking Model」等の活用事例やその意義と課題、AIの台頭による働き方の変化、「人間の知」が生かされるべき領域、電通様が目指す今後の方向性等について、ご解説をいただきました。 
              
 株式会社電通
 
        
 
27日お昼には、株式会社BookLiveコミュニティ事業本部の横田容啓様に、イラスト投稿プラットフォームXfolioに関するお話を伺いました。そもそものサイト設立のご事情から始まり、AI生成物を投稿すること及びAIが投稿物を学習することを規約で規制するに至った経緯、「AIによってカスタマイズされたコンテンツは確実に増えていく」という今後の展望と、そのような環境下における「AIを使用せずに人間によって創作される著作物を投稿する場」の意義について、ビジネスの観点を交えながら、ご説明頂きました。 
  
    
株式会社BookLiveへの訪問
   
  
    
    BookLive子会社が運営するWeb漫画サイトで連載中の漫画キャラクター パグ太郎
   
 
27日午後には、株式会社Sapeetを訪問し、代表の築山英治様とエンジニアの堀ノ内司様にAI関連サービスを開発・運用するにあたっての情報管理や責任の所在に関するお話を伺いました。情報管理において特に配慮すべき点は、秘匿情報をAIの学習に使用されないようにすることである、とのご意見をいただき、顧客の利用ミスを防ぐために、システム等に「ガードレール」を作ることも心掛けているとのことでした。AIの判断に関する責任の所在については、現状、自律的に意思決定するAIは存在しないことから、AIはあくまで補助的なものであり、最終判断は人間が担うこととなるとご説明いただきました。また、同社はAIがデータを元に身体の姿勢分析を行い、将来の予測を踏まえて適切なエクササイズを提案するサービスを強みとしており、その体験もさせていただきました。
                 
 株式会社Sapeetへのヒアリング
                
    
28日午前には、高齢者の見守りサービスを提供する合同会社ネコリコを訪問し、代表の山中泰介様と営業企画部の高津賢一郎様より、製品の実演を交えたお話を伺いました。まず、コミュニケーションロボット「Bocco emo LTEモデル Powered by ネコリコ」については、マイナスの感情になることを言わない工夫や、会話のレベルを高度に設定しない理由等についてご説明いただきました。また、冷蔵庫の開閉を検知する「まもりこ」については、冷蔵庫の利用状況にあえて着目した経緯や意義等を学ぶことができました。
                    
 合同会社ネコリコへのヒアリング
 
  28日午後には、株式会社viviONの「あおぎり高校」運営スタッフ様に、VTuberの人格権の保護をはじめ、業界の抱える諸課題についてお話をいただきました。具体的には、「VTuberのプライバシー保護」、「AI生成コンテンツやなりすまし等への対応」、「VTuberという存在をどのように捉えるべきかの解釈」等に関してご解説をいただいたり、意見交換を行ったりしました。   
                 
 viviONが手掛けるVTuberグループ『あおぎり高校』
                
 
28日午後にはまた、一橋大学大学院法学研究科ビジネスロー専攻の得津晶教授(商法がご専門)に、デジタル資産の私法上の性質に関するお話をいただきました。具体的には、特定物(中古車)、種類物(プラモデル)、証券類、預金口座、金銭という従来からある財物と比較して、仮想通貨、セキュリティ・トークン(デジタル証券)、非代替性トークン(NFT)がどのように保護されるべきか、善意取得や倒産隔離等の場面について、代替物性に着目する視点から、ご解説いただきました。
                     
 得津教授による講義
                 
                
 
今回の集中セミナーを通じて、AIをはじめとした先端的なデジタル技術が現代社会にもたらす発展と課題について、多くの知見を得ました。この度の調査等にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。この経験をもとに、デジタル技術が抱える法政策上の課題を解決する手がかりを探りながら、今後の研究を進めていきます。 
      
  
    
    懇親会の様子
   
  
    
    懇親会の様子
   
 
           
                (文責:2025年度角本ゼミ3・4回生一同)
   
  
  続きを読む
  
 
  2025.09.29
  
  2026年春期に開講される「ヴィジョン特殊講義(アドベンチャーワールドの飼育現場からの学び)」の準備のため、9月8日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドを訪問しました。
この講義では、飼育の現場に立ち、展示動物とお客様の間をつなぐ飼育スタッフに注目します。日々の知恵や工夫、積み重ねられた経験を改めて整理し、事例から実証的に学ぶことが目的です。受講生は、そこで得られる示唆をもとに自らのアイデアを広げ、課題を見つけて解決へとつなげる知識を身につけていきます。
訪問当日は、獣医師や飼育員、施設管理の方々、そして従業員食堂のスタッフまで、多様な現場のお話を直接伺うことができました。また、普段は一般公開されていないバックヤードを案内していただき、舞台裏の数々を間近で見る貴重な機会となりました。
実際に足を運んでみて、バックヤードへの関心はさらに深まりました。レコード盤の例えで言えば、パークには表のA面と裏のB面があり、どちらにも学びがあります。そして今回は、私たちにとってバックヤードこそがA面に感じられたのです。
さて、「アドベンチャーワールドの飼育現場からの学び」はどんな授業になるのでしょうか。ぜひ楽しみにしていてください。



                                文責 服部利幸
 
  
  続きを読む
  
 
  2025.09.25
  
  現代経営学入門では、担当教員による講義に加え、ゲストスピーカーを迎え、企業経営に関する多様なテーマについてご講演いただいています。2025年度は、以下の3名にご登壇いただきました。
5月のゲストスピーカー、石井千紘さんは本学産業社会学部の卒業生で、現在は京都銀行のイノベーション・デジタル戦略部に勤務されています。グループ企業を含めたDX戦略の推進とともに、新規事業としてECモール事業もご担当されています。講義では、地域金融機関によるECモール事業を中心にお話しいただきました。銀行がECモール事業に取り組む戦略的意図とは何か―非常に興味深い内容でした。講義終了後、活発な質疑応答が続きました。
6月の登壇者は、本学政策科学部の卒業生で、株式会社Encounter Japanの執行役員である生田祐介さんです。現在は、同社のメキシコ事業の責任者として、現地に駐在し、日本食の輸入、市場調査、日本政府・官公庁関連事業、日本企業向けのクリエイティブ制作、レストラン運営などを幅広く手がけておられます。「ラテンアメリカと日本の新しい歴史を創り、人々の人生を豊かにする」という理念のもと、日々活動を展開されています。「なぜ、今、メキシコなのか」「現地でのビジネスや生活はどうしているのか」と、受講生の関心は尽きず、質問が相次ぎました。生田さんが在学中、この講義を毎回最前列で聴講していたことを、今でもよく覚えています。
7月は、ATTRACTIC株式会社およびプロエンジニア株式会社の代表取締役である森麻里さんにご登壇いただきました。森さんも本学政策科学部の卒業生です。在学中は、遠距離通学、ダブルダッチサークル、ゼミ研究(本科目担当教員服部のゼミ)と、多方面で積極的に活動されていました。女性が大学卒業後に就職し、さらに起業して「妻」「母」「社長」という三つの役割を担うに至るまでのプロセスや、その秘訣についてご講演いただきました。単なる精神論ではなく、数値に基づいた意思決定の重要性が、具体例とともに力強く語られました。講義中から多くの学生がメモを取りながら聞き入り、終了後には、特に女子学生から多数の質問が寄せられました。自信と将来設計のヒントを与える講義となったのは間違いありません。
現代経営学入門は初学者向けの講義ではありますが、今年度は卒業生の三者三様のキャリアに(企業内新規事業立ち上げ、海外勤務での事業立ち上げ、独立起業)触れることで、学生たちが自らの将来を考える大きなきっかけとなりました。


 
  
  続きを読む
  
 
  2025.09.17
  
  
「集中セミナー」は、ゼミのテーマに関連する研究を夏期休暇中などに集中的に行い、学びを深めることを目的とした科目です。
小田尚也教授のゼミでは、「発展途上国が抱える様々な問題を考える」をテーマに、経済、教育、インフラ、ジェンダー格差など、さまざまな視点から途上国について研究を行っています。
今回の集中セミナーでは、在日パキスタン大使館を訪問し、着任直後のAbdul Hameed大使と意見交換しました。日本とパキスタンの関係や開発援助、国家発展における人材育成の重要性について議論し、学びに直結する有意義な機会となりました。
  
 Abdul Hameed大使と小田教授
 
 
  
 意見交換の様子
 
  
  
ご多忙の中ご対応いただいた大使ならびに館員の皆様に深く感謝申し上げます。
在日パキスタン大使館Facebook
 
  
  続きを読む
  
 
  2025.09.10
  
  
2025年9月4日(木)に政策科学専攻(日本語基準)の教学懇談会が実施されました。
教学懇談会は他学部では、5者懇談会呼ばれているもので、学生の代表である自治会委員長、学部長、副学部長、学生主事、事務長の5者が一堂に会し、自治会が事前に実施したアンケートで集約した学部生の意見について、学部と実現に向けて教学課題を協議する年1回の重要な場となります。
今年は、前年を超える522件(在籍者数の約30%)のアンケートが集まり、自治会内の教学懇談会班のメンバーで夏休みに分担して分析し、議案書の作成、また発表用のPowerPointの作成も行いました。
当日は、傍聴も含め、25名の自治会メンバーが参加し、学部長、副学部長、学生主事、事務長、オブザーバーとして学生オフィスも同席の上、積極的に意見交換を行いました。
学友会について 
https://www.ritsumei.club/
教学懇談会(5者懇談会)について
https://www.ritsumei.club/about/1-2-2/
 
 
 
 
  
  続きを読む