STORY #6

研究活動は「食」を通じ、
地域経済社会と連携する。

  • R×食

立命館大学ではキャンパスを問わず、「食」をキーワードにした地域経済社会との連携を積極的に進めています。
農産物の紹介を通して地域の魅力を伝えたり、農業作物の販売モデルの構築や展開を一緒に考えたり、
地産池消を促進したり、その活動は多岐にわたります。
今後も「食」を通じた積極的な研究活動、そして新しい価値づくりを進めていきます。

りつまめ納豆、納豆もち

産業社会学部/京北プロジェクト

京北プロジェクトは、2008年から京北地域の地域資源の発掘とその活用方法を提案することで、地域経済活動をプロデュースするプロジェクトに取り組んでいます。これまで京北地域での農商工連携の立ち上げを目指して、納豆の新ブランドを商品化したり(「りつまめ納豆」)、田植えから作った米で日本酒を開発したりしてきました(「一陽来福」)。

最近では、藁つと納豆の発祥地との謂れがある京北の納豆文化をより広く発信し、併せて第6次産業の一翼を担うために、これまで地域の人にしか食べられていなかった納豆もちに注目し、若い人にもスイーツ感覚で楽しんでもらえるような商品「京北・杣人の里“納豆もち”」を開発しました。納豆もちは、京北地域の道の駅「ウッディ京北」や山国さきがけセンターにて販売中です。今後は、「地産地消の推進」と「大学生の食育」をテーマとする「食の里親プロジェクト」を中心に活動予定です。

リッツファーム・プロジェクト

産業社会学部

京北プロジェクトからのスピンオフとして開始された本プロジェクトでは、京北地域の市民向け貸し農園で学生たちが京野菜や果物などを栽培し、収穫した野菜等を本学衣笠キャンパス内で開催される「京北マルシェ」で販売したり、京北地域のベーカリーに材料として卸したりしています。また農だけでなく、食を手がかりとした活動にも積極的に取り組んでおり、市内の日替わりカフェ店を借りて、京北産の野菜を使用した若者向けメニューが市民の方々に提供されています。2016年度は秋田県にいちじくを活かした取り組みを学びに行ったり、学内の他団体と料理教室を開催したりしました。

南丹市日吉町での町おこし活動

国際関係学部 河村 律子 教授

国際関係学部・河村律子ゼミでは、南丹市日吉町の農業生産・販売を通した地域活性化を目指し、町おこし活動に取り組んでいます。過疎・高齢化が進む南丹市日吉町の四ツ谷、佐々江両地区の住民と、立命館大学の学生らが連携し、地域で収穫された野菜や郷土料理を販売する「朝市カフェ」(日吉町)の運営や、京都市内のカフェにて日吉町の食材をたっぷり使った季節の料理を提供しています。これらの活動を通し、農村環境の保全や定住促進、都市交流、地域の情報発信などに積極的に取り組んでいます。

地元産!
旬菜マルシェ@BKC

びわこ・くさつキャンパスでは、立命館生活協同組合と共に、JA おうみ冨士(守山市)、JA 草津市の協力を得て学生および教職員に地元産の野菜を販売する「地元産!旬菜マルシェ@BKC」が定期的に開催されています。この取組みは、地産地消を促進し、本学学生や教職員に地場野菜の購入機会を提供するため、立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)の拠点形成型R- GIRO 研究プログラム「農水産業の6 次産業化による新食料研究拠点」、および、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)拠点」事業「食と農のスロー&ローカル・イノベーション地域拠点モデルの構築拠点」の一環として2012年より始まったものです。年に約10回開催されるマルシェは、野菜の美味しさ、品質の良さが口コミで広がり、毎回行列ができるほど好評なイベントとなっています。

純米大吟醸「必勝の酒勝馬米」

生命科学部生物工学科 久保 幹 教授

「清酒勝馬米」は、地域の6次産業化製品に、大学の知を取り入れて製造された清酒です。科学的な根拠を加えることで、農業生産物を高付加価値化そしてブランド化するという、新たな概念から生まれた商品です。このお酒は日本中央競馬会(JRA)栗東トレーニング・センター(滋賀県栗東市)の競走馬の馬糞から作られた堆肥(馬有機堆肥)を肥料に栽培したお米(勝馬米:滋賀県産)を、小西酒造が清酒として加工・製品化し、これまで経験的に良質とされていた馬有機堆肥について、久保幹・生命科学部教授が微生物に基づく土壌肥沃度診断(SOFIX)の技法を応用し、科学的に良質で安全、安心であることを証明したものです。国内だけでなく、海外でも販売されて人気を博しており、国際味覚審査機構(iTQi)の"優秀味覚賞(三ツ星)"を2年連続で獲得しました。

2017年7月18日更新