OIC H棟・
情報可視化

第1回

〈テーマ〉グローバル人材って何?

いろんな国の人と一緒に働くということ
―このシリーズを始めるにあたって―

  • 三宅 雅人

    立命館大学 副学長
    社会共創推進本部 本部長

お互いの違いを知ることが、
仲良くなるきっかけにもなる

最近は、日本でも海外の方とつながって仕事や研究をする機会が増えてきています。外資系の会社に勤める人も増加しています。皆さんが今後、研究者になったり企業で働いたりする時には、海外との連携もさらに多くなってくるでしょう。今日は、グローバルに働くにはどんなマインドが必要か、そして、グローバルで活躍できる人になるにはどうすればいいか、といったことをお話ししたいと思います。

文化の違う人と一緒に仕事をする時は、相手の文化を知り、そのバックグラウンドに対する理解を深めることが重要です。そのためには、どんどん話をして、相手の文化的な背景を聞き、友達になって人間関係を築いていく必要があります。

私は、イギリスのケンブリッジ大学で研究者として3年半ほどすごしました。家族で渡英し、実際に暮らしながら研究をしていたのですが、海外の方は、日本人とは全く違う考え方をし、仕事の進め方も違います。その時「この人はどのような考えでこうしているのか」という背景を知って、理解しなければ、一緒に研究や仕事を進めていくのは難しいということを実感したのです。

ある学内でのパーティーの席で、ラッキーナンバーの話になりました。日本では7や8がラッキーナンバーとされていて、逆に9や4は「苦しむ」や「死」の音を含むので嫌がる人も多いですね。7はアメリカの人にとってもラッキーナンバーなのですが、中国では逆に7はアンラッキーナンバーだと言うのです。こうしたジンクスですら国によって違います。お互いの違いを知ることは、相手を理解する一歩になり、また、仲良くなるきっかけにもなりました。

何かに興味を持ったら、
どんどん行動することが大切

海外で研究や仕事をする場合、仲間として受け入れてもらうためには、自分は何ができるのかを知ってもらう必要があります。「私はこれができますよ」「今までこういうことをやってきました」ということをきちんと説明できると、「この分野ならこの人に聞けばものごとが進む」と相手に分かってもらえて、仕事も研究もうまくいきます。

「海外では自分をアピールしなければ」とよく言われますが、アピールというよりも、自分のことを知ってもらい、相手のことを知ることが必要です。そのためには、コミュニケーション力も重要です。翻訳機もありますが、コミュニケーションツールとしてある程度の語学力は必要でしょう。

ただし、グローバルに活躍するには、スキルを磨くだけでは足りません。何かに興味を持ってそれを実現するための行動力、わからないことを誰かに聞く、コンタクトするといった行動力が一番重要だと思います。このような場で質問をするのもその一つですね。海外で活躍する人の多くは、自分でどんどん動いていく人です。

皆さんは、これからさまざまな海外の人と出会うことでしょう。相手の考え方やその背景を知り、それを認め合って、友達になってもらいたいと思います。仕事や研究をする時には、いろんな見方をする人が集まる方が絶対面白いアイデアが出るので、そういう仲間をいっぱい増やしてほしいし、何らかの形でつながった人とはコンタクトを取り続けて、ネットワークを広げていってもらいたいと思います。そうしたネットワークは今すぐに活用できないかもしれません。しかし、5年後、10年後、ふとした時に、一緒に何かをするチャンスがあって活かされるかもしれないのです。

共催

2024年度GPSP(R2030 推進のためのグラスルーツ実践支援制度)採択 「オール立命館で取り組む新しい創発性人材育成プロジェクト「Rising Stars Nexus」の創設」

キーワード

  • #人材育成
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