教員紹介

尾﨑順一郎
尾﨑 順一郎
(おざき じゅんいちろう)
専門分野と今後の展開

清代学術思想史に関する研究をしています。はじめは清代中期の戴震や程瑶田といった学者たちの学問観の分析や考証学に関連する成果などについて考察していましたが、現在は清代初期に復興したとされる朱子学について、当時の人々のネットワークや出版物などに注目しながら研究を進めています。

中国学の魅力は

文学・歴史・思想の結びつきが強い点です。司馬遷の『史記』は歴史書と見なされますが、文学や思想を学ぶ上でも必携の書籍ですし、四書・五経といった儒家の経典に関連する語句は歴史や文学に関する文献にも頻出です。いずれの分野を専門とするにしても、他の分野にも興味を持つことで、当時の人々の考えや社会の実相に近づいていくことができるでしょう。

ひとこと

中国の古典に興味がないわけではないけれども、漢文は苦手、中国の歴史はよく分からない、という人でも心配はいりません。知識は後からついてきます。それよりも、自分自身の興味・関心を大切にして下さい。スタートラインは横一線!まずは一歩を踏み出してみましょう。

主な論著

■ 論文
発行年 タイトル ソース
2019年 陸隴其の学問における朱子の思想変遷について 『立命館文学』第664号
2018年 【研究ノート】恵棟『古文尚書攷』とその学術史上の位置について 『集刊東洋学』第119号
2017年 程瑶田の経学者としての評価とその手法 『日本中国学会報』第69集
2014年 程廷祚の後半生における学問 『集刊東洋学』第111号
2011年 焦循の「一貫」解をめぐって――いわゆる「修己治人」観の特色と意義 『日本中国学会報』第63集
2007年 戴震の「一貫」解をめぐって 『集刊東洋学』第97号
■ その他
発行年 タイトル ソース
2019年 学界展望(哲学) 共著・『日本中国学会報』第71集
2018年 学界展望(哲学) 共著・『日本中国学会報』第70集
2010年 【翻訳】呉震「「「宋明」から「明清」」への転向――儒学と宗教の関係から見た明清思想の連続性 『白山中国学』通巻16号
2009年 【翻訳】趙明延「近代南通における社会保障システムの構築と張謇の役割について」 『東アジアにおける公益思想の変容――近世から近代へ』、日本経済評論社
2009年 【翻訳】張廷栖「環境保護に対する張謇の功績について」 『近代東アジアの経済倫理とその実践――渋沢栄一と張謇を中心に』、日本経済評論社