立命館宇治中学校・高等学校の取り組み

International Coastal Cleanup(国際海岸クリーンアップ)イベントに参加

ハワイ州観光協会の招待で、2019年9月18日(水)〜25日(水)に、立命館宇治高等学校の生徒2名がハワイ島で開催されたInternational Coastal Cleanup(国際海岸クリーンアップ)イベントに参加しました。この活動を通して、環太平洋地域から多くのプラスチックごみが漂着している現状に気づき、その広報活動に協力し、National Geographic Eco Travelerにも活動の様子の動画が公表されました。

この活動を受け、日本の現状を知るため、鴨川でのクリーン作戦を独自に計画し、そこで集めたプラスチックごみでウミガメオブジェを制作し、その成果を大阪で2019年10月に開催されたツーリズムエクスポで発表しました。河川を通してプラスチックごみが海に流入し、海洋が汚染され、その汚染がウミガメなどの海洋生物に大きな影響を与えているということを活動を通じて知ることができました。また、11月9日(土)〜13日(水)にハワイ州で開催された Student Energy Summit(SES)にも同校の生徒2名が参加し、環境問題を自分たちでどう主体的に解決していくかについて、深く考えました。

立命館宇治高等学校では、文科省WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)の拠点校としてSDGs教育にも力を入れていますが、この取り組みによって、マイクロプラスチックの海洋汚染問題に関心を持つ生徒が増えてきました。

ペーパーレスの取り組み その後

2017年9月に生徒個人の情報端末導入が中学1年より行われたことを、昨年報告しました。その実績により、2017年度の紙使用量が再び減少に転じました。これまでのペーパーレス化の取り組みに加え、中学生徒会の環境委員会の取り組み、IMコースの発展途上国支援プロジェクト等によって、学校全体にペーパーレスの意識が広がりつつあります。

福島ひまわり里親プロジェクト in Rits-Uji

「福島ひまわり里親プロジェクト」は、福島県の復興のシンボルとしてひまわりを植えようと2011年5月から始まったプロジェクトです。プロジェクトの参加を通して、福島県の教育対策・雇用対策・観光対策に役立っています。

本校ではプロジェクトの趣旨に賛同し、今年で参加4年目になります。中学校生徒会の環境委員会を中心に活動しており、2018年度もオープンキャンパスに参加された方に種植えを協力していただきました。この活動を通し、環境問題等への興味が深まります。

「福島ひまわり里親プロジェクト」の取り組み

この取り組みは、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県が復興のシンボルにしたヒマワリの種(1袋50粒入500円)を販売し、全国各地で育て、新しい種を福島県に送り返す「里親さん」を募り、活動の輪を広げようというものです。種の袋詰め作業で県内の授産施設の雇用を生み出し、送り返された種から搾油し地元のバスのエネルギーとするなど、福島県と各地を繋ぐ絆としての役割も期待されている取り組みです。

立命館宇治中学校・高等学校では、中学校生徒会の環境委員会が2016年度から取り組み、2017年度はオープンキャンパスに参加された方に種植えを協力していただきました。委員長の天野颯人さんは「思っていた以上に多くの人が里親プロジェクトの取り組みに協力してくれた。責任を持って種を育て、ヒマワリの花が咲いたら写真を撮って協力してくれた人にハガキで送りたい。」と話しています。

中学校IT化と紙使用量削減の取り組み

2014年度に「ペーパーレス化」元年として高等学校IMコース1年生と文科・理科コースの2年生に情報端末の購入をお願いし、また、校内の基幹会議をペーパーレス化したことを報告しました。

2015年度には、再利用可能な裏紙を回収し、裏紙印刷を推奨したり、プリンタの設定を「両面・小冊子・2in1としたり、教材配信システムによるデジタル化などにより、印刷用紙の使用量が2013年度:365万枚、2014年度:285万枚に削減されたことを報告しました。

下のグラフは、立命館宇治中学校・高等学校が購入したコピー用紙をA4に換算して使用枚数を算出したデータをグラフにしたものです。本校の印刷用紙の使用量の報告とは少し異なりますが、削減の取り組みが成果として現れていることは確認できるものとなっています。

そして今回は、2017年9月より、中学校において生徒ひとり1台のタブレットパソコンの導入について報告致します。NTTのシステムを用い、教員からのプリント配布、課題回収等もデジタルベースで行っていく予定です。それに伴い、本校のペーパーレス化がさらに加速するものと確信しています。

バングラデシュ支援プロジェクト、ボランティアグループPeco

写真提供/(特活)ハンガー・フリー・ワールド

立命館宇治中学校・高等学校では、公認の正規クラブ・同好会・課外自主活動団体を対象に一団体上限10万円の「保護者会による提案型、クラブ・同好会・自主活動奨励金制度」を設けています。2015年度は本制度を活用し、環境に関わる2つの活動が行われました。

①バングラデシュ支援プロジェクト

バングラデシュ支援プロジェクトは、農村部に暮らす子どもたちの貧困・飢餓問題を、教育支援によって解決することを目指す、立命館宇治高等学校生徒有志による国際支援ボランティア団体です。50名あまりの高校生が、文化祭や私学フェスティバルなどの学校内外のイベントへの出展や街頭募金活動など、積極的に行動しています。

2015年度は保護者会からご支援いただいた活動奨励金により、およそ17万円のバングラデシュへの支援金をつくることができました。

具体的には、特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールドがボダ郡で運営するシュニケトン・パッシャラ小学校の教員給与、修繕費などの学校運営費等に活用されました。また、2013年に寄贈した太陽光発電装置の余剰電力を利用して始まった放課後教室は、現在、シュニケトン・パッシャラ小学校以外のさまざまな学年の生徒も教えあいながら学べる場として、地域の教育の質の向上に貢献しています。

②ボランティアグループPeco

「Peco(※)」は立命館宇治高等学校の生徒を中心に組織されたボランティアグループで、マングローブの植林を目標として活動をスタートしました。

2015年度は、生物多様性広報活動として、興風祭(文化祭)や宇治市環境フェスタ、ユースワンワールドフェスティバルにて生物多様性に関するポスターの展示と、植物を利用して開発した花のストラップグッズの販売を実施しました。地域貢献活動としては、宇治市主催の宇治市環境フェスタでの活動内容の報告とストラップの販売をおこないました。また、宇治市観光ボランティア協会に宇治茶のストラップ作りをレクチャーしました。延べ18名の協会員が来校され、ストラップ作りの方法を見学されました。

※Pecoの名前の由来…環境について考えることで世界を平和にしたい!という”Peace ecology”と、私たちの生活を支えてくれている自然に敬意を示してお辞儀をする”ペコッ”という意味から名づけました。

情報部によるペーパーレスの取り組みを実施

立命館宇治中学・高等学校 情報部がペーパーレスの取り組みを実施しました。
立命館宇治中学校・高等学校における2013年度の印刷用紙の使用量は、2014年2月3日時点で3,650,000枚でした。

2014年度の高校IMコース1年・2年、文科・理科コース2年へのタブレットPC導入に伴い、ペーパーレスならぬ「レスペーパー(※)」を呼びかけたところ、学内サーバの「教材配信システム」等によるデジタルデータによる教材の配信が浸透し、2014年度の同時点での使用量は2,847,500枚、22%の削減に成功しました。

2015年度は引き続き高校2年にタブレットPCが導入されたことに伴い、目標値を「2013年度比50%」とし、レスペーパー化をさらに推し進めるための施策を実施していきます。

具体的な施策として、印刷室やプリンタ近辺などでの啓発ポスターの掲示、中・高職員室のプリンタ8台のうち4台を両面プリンタと入れ替え、再利用可能な裏紙を入れるためのボックスの設置、裏紙が適正に使われているかどうかを毎週火曜日に確認する情報部による「裏紙パトロール」の実施、ペーパーレスを推進するための講習会の実施等を行っています。

※「紙の節約」を意味しています。

2014年度は「ペーパーレス化」元年!

立命館宇治中学校・高等学校では、「情報端末一人一台の時代」として、IMコース1年生と文科・理科コースの2年生を対象に情報端末を購入しました。導入初年度ということもあり、進行は徐々にという状況ですが、課題配信システムを活用した「ペーパーレス化」が進みつつあります。教員側の取り組みは一歩先行く状況で、一貫教育部とのTV会議、執行部会、校務運営委員会、高校主任会議、教科主任会議、IB教育部会議等の基幹会議をペーパーレス化しました。これによりかなりのペーパーレスが進行したと考えられます。

また、本校生徒自主活動団体「バングラデシュ支援プロジェクト」の代表4名の高校生が、2014年9月、バングラデシュ最北部のボダで特定非営利活動法人「ハンガー・フリー・ワールド」が運営する小学校「シュニケトン・パッシャラ」を訪問し、2013年度に寄贈した太陽光発電・蓄電システムの視察を行いました。

生徒の家庭学習用に寄贈した充電式LEDライトの80台の充電と学校停電時のバックアップ電源として機能していることが確認できただけでなく、余剰電力を利用した夜間自習教室「イブニング・スクール」が、近隣の小中学生に無料開放され、地域の教育環境の改善に役立っていることを知りました。

環境保全・環境負荷低減に関する取り組みもグローバルに!

立命館宇治中学校・高等学校では、情報基盤社会で活躍する生徒(能動的に情報を吸収し整理し利活用する生徒)の育成のためには、探究型学習スタイルへの改革や4メディアルームの高稼働率(62~72%)の解決、自宅や寮での活用などが着眼点となり、「情報端末一人一台の時代」であるという結論に至りました。2014年度の高校1年IMコースと高校2年文科コース・理科コースの生徒に、それぞれのコース教育に相応しい情報端末の購入をお願いすることとしました。このことは、必然的に「ペーパーレス化」への取り組みの一助となるはずです。

環境に関わるその他の取り組み

①「自然環境の改善」というテーマで実施された国際生徒リーダー会議(ISLC)に生徒4名を派遣。〈6月30日~7月6日・香港〉
②「森林の維持」というテーマで実施された国際環境管理会議(CEI)に生徒3名を派遣。〈7月6日~7月15日・イギリス〉
③昨年度より取り組んでいるGCP(グローバル・チャレンジ・プログラム)のひとつ「バングラデシュ支援プロジェクト」は、今年度現地小学校に太陽光発電・充電システム の支援に成功しました。出力1kwで50台追加されて合計80台になった充電式ライトを充電するほか、教室照明と天井ファンの電力も供給しています。

省エネルギー推進委員会を中心とした
全校ですすめる環境活動

2011年度、前年比15%節電を達成した本校は、2012年度も省エネルギー推進委員会を立ち上げ検討を開始しました。教職員・参画企業(クレオテック・生協)で行った第1回の会合では、夜間の自販機やウォシュレットの温度調節など新しい提案もなされましたが、まずは学校全体の取り組みにすべく、昨年度の内容を全構成員に徹底する目的で、「省エネルギーの取り組みについてのお知らせ」を全校配布しました。その中では、照明関係や空調関係および機器関係での省エネの取り組みを進めました。

秋には、再度委員会を開催し、電力使用量等を確認するとともに、夏期以上に節電が求められる冬期の取り組みについて検討していきたいと考えています。

また、2011年度GCP(グローバル・チャレンジ・プログラム)をきっかけにして、バングラデシュ帰国後本校生徒有志が現地NGOに協力、支援活動を行っています。2012年2月には30台の充電式LEDランプを現地の小3~5の家庭に貸与する事業が開始されました。この村で唯一電源のある学校で昼間充電し、夜間には家庭での学習に活用するというしくみです。バングラデシュでは小学校卒業時に全国学力テストがあり、このテストに合格しないと中学校へ通うことができないシステムになっているのです。これにより、オイルランプの時より、家庭学習時間が1~2時間増えたそうです。

7月初旬に省エネルギー推進委員会を立ち上げ、生徒代表の委員を含めて合計3回委員会を開催しました。その議論に基づき、各分掌より以下の具体的な方向性を確認しつつ、取り組み等を実施してきました。

取り組みの目的

  1. 省エネルギーに対する取り組みを、本校全ての生徒・教職員・参画企業の
    三者で推進する。
  2. 生徒と教職員、参画企業が協同して取り組むことによって双方の意識向上を目指す。
  3. 地球環境に対する教育の取り組みを強化する。

委員会としての全学提案・行動等

  1. 中学生徒会および高校生徒会の各取り組みの検討
    1. 意識の改善のため、キャンペーンを実施する。
    2. 取り組みに対する成果や方法の発表の場を設定する
  2. 生徒寮の取り組み
    1. 寮生委員から各寮生に対し、改善に向けた意識的な節電への呼びかけとして、ポスター掲示を実施した。
    2. 洗濯物の乾燥機について、乾燥機の使用と節電の観点から議論を深めた。
  3. 教員の取り組み
    1. 意識改善に向けたキャンペーンの助言・指導をおこなった。
    2. 不要箇所の点検・消灯を実施した。
  4. 事務室の取り組み
    1. ダウンライトの照明等、消灯可能な照明の消灯を実施した。
    2. 昼休み時間中の消灯を実施した。
    3. 消費エネルギー状況の「見える化」について検討した。
  5. クレオテックの取り組み
    1. システム制御を導入した。
    2. 飲料の自動販売機を順次節電型に更新した。
    3. 消費エネルギー状況の「見える化」について検討した。
    4. 節電対策を積み上げている。
  6. 生協の取り組み
    1. 消灯可能な照明を消灯した。
    2. 冷蔵・冷凍庫の節電対応をおこなった。

冬期省エネルギーに向けて

「11月中旬に4回目の委員会の開催を予定し、各分掌における取り組み状況およびその結果として、使用量実績がどのように推移したかを相互に確認することとしています。本格的な寒さの到来を前に、夏期よりも厳しい節電の実施が求められていることを踏まえて、改めて省エネルギー推進に取り組みます。

国境を越えた自主活動 ~Rits-LABOの取り組み~

2010年夏に、政府によるJenesys programmeでタイに派遣されるという機会がありました。そのプログラムに参加した生徒たちは、「Rits-LABO」という団体を立ち上げ、タイの生徒と共に環境問題の解決へ向けての活動を行っています。タイ滞在中に生徒たちは「タイの環境問題」に強い関心を持ちました。

訪問した高校でもゴミは分別されることなく、一緒に捨てられていました。交流を深める中でタイの生徒たちから「自分たちも環境を少しでも良くしていきたい。まずはゴミの分別からはじめたい」という声が上がりました。

帰国後、文化祭でのタイの物品販売やエコキャップ運動を実施し、タイの分別ゴミ箱購入のための資金を集めました。エコキャップ運動は校内だけでなく、立命館大学やAPUとも一緒に活動しました。一方タイでも、タイの生徒たちが全校集会で「ゴミの分別実施」を訴えました。

こうした活動の結果、2011年1月に共に活動しているタイのテープリラー高校に分別ゴミ箱をプレゼントすることができました。まだまだ第一歩ですが、環境改善に向けての確かな一歩を踏み出すことができました。

授業での取り組み例 ~社会科の場合~

環境問題が地球規模で論議され始めた1990年代の初頭より、中学・高校生徒会が中心となり環境保護活動と啓蒙活動を行ってきております。

社会科では、環境に関する取り組みとして、環境分野の中で自分たちが興味のあるテーマを設定し、研究するといった授業を実施しています。最終的には大学の産業社会学部の教授の前でプレゼンし、評価を頂く事で、より深い研究ができています。「絶滅危惧種」や、「太陽光発電は普及するのか」、「オーストラリアの空の青さとオゾン層破壊は関係あるのか」など、様々なテーマで発表があり、生徒達にとっても環境問題を学ぶ良い機会となっています。こうした授業をきっかけに、行動に移して行く生徒達も出始めており、社会科の授業が教室から外の世界へ踏み出すきっかけになればと思っています。