立命館慶祥中学校・高等学校の取り組み

食品ロスの現状を知る

立命館慶祥中学校の2年生は、2020年度にSDGs委員会を独自に立ち上げることを目指し、「総合」の授業で「学校でできるSDGs」をテーマに「Let’s Food Recycle」という企画を行いました。慶祥の食べ残しなどの食品ゴミを、肥料として有効活用する取り組みです。

その後、有志で集まった生徒が「食品ロスの現状を学校ベースで考えてみよう!!」というテーマを掲げ、食堂でインタビューを行いました。2020年度はSDGs委員会を組織し、各6クラスの議長と副議長がメンバーとなり、本格的に活動を開始する予定です。

コンタクトでSDGs

立命館慶祥中学校・高等学校では、2018年度より、生徒会執行部・環境委員を中心にコンタクトレンズの空ケースの回収をはじめました。部活動に所属している生徒をはじめ、学校でコンタクトレンズを装用する生徒だけでなく、朝の校内テレビ放送で案内して以降、家族分まで集めて回収に励んでいる生徒もおり、各トイレに設定している回収ボックスはすぐに満杯になってしまいます。この活動は、大手コンタクトレンズ会社のリサイクル活動の一環ですが、数少ない6学年共通の取り組みとして、学校の一体感の醸成にも役立っています。

ホタルの里を守る環境ボランティア

立命館慶祥中学校・高等学校では創立以来、「江別ホタルの会」を支援し、ホタルの生育を取り戻す活動を行っています。北海道江別市の筋違川と早苗別川流域では、以前沢山のゴミが投棄され、ホタルの個体数が激減していました。そこで、地域住民の方々との清掃活動を行っています。今年は約1時間半で軽トラック1台分のごみを回収しました。河川環境は徐々に改善され、ホタルの個体数が着実に増加しています。数年前からは、7月初旬になるとヘイケボタルが飛び交うようになりました。そこで、生徒と地域住民の方々と「ほたる鑑賞会」が開かれています。生まれてはじめて手にとって、ホタルの点滅を見る生徒もいて、そのはかない光に、意外な感動もあったようです。

環境ボランティアにより、自分たちの地域の環境がどのように改善したかを目で見て考える上で、鑑賞会の意義は大きいものでした。「1度でいいからホタルが見たい!」という思いだけで、生徒たちはボランティアに集いました。

北海道屈指のホタルの名勝だった河川は、改修によりホタルの数が激減しましたが、保護活動によって再びホタルの飛び交う川になりつつあります。これからは、ホタルとともに、多くの水辺生物が生きる環境に変えようと努力しています。

「私たちの身のまわりの環境地図作品展」への作品応募

中学校社会科の授業の内容をふまえた取り組みとして、1991年より例年開催されている「私たちの身のまわりの環境地図作品展(主催:環境地図教育研究会(本部・北海道教育大学旭川校))」に2016、2017年度と続けて作品を応募しています。この催しは、身のまわりの環境について自分で調査したこと、観察したこと、考えたことを地図として表現するもので、International Geographical Unionや国土交通省、日本地理学会などの各種学会、新聞社や放送局などの企業といった、国内外からの後援・協力を受けています。受賞作品は10月の授賞式・展示会にて披露され、そこでは国内外から来場者が赴き、さまざまな意見交換が行われる場所となるので、中学生にとっては、環境を通じた国際交流の第一歩を踏み出す貴重なチャンスにもなりうる場合があります。立命館慶祥中学校においては、2016年度、1名の生徒が努力賞を受賞する評価を得ました。その際の作品は、当該年度の指定テーマ(毎年、「指定テーマ」「自由テーマ」の選択が可能)であった「電気」にまつわる地図で、タイトルは「札幌市営地下鉄の仕組みMAP」。地下鉄の誕生から使用電力の推移や仕組みについて考察したものでした。交通と電力の関係は切っても切れない関係であり、かつ公共交通機関は、まさに環境について考察が求められるもので、学校内からも高い評価を受けました。そして2017年度の指定テーマは「身のまわりの『エコ(ECO)』」。2016年度以上に多くの作品が世界で評価される地図を発信していってほしいと願っています。

会議のペーパーレス化を推進

立命館慶祥中学校・高等学校は、今年度6月1日の教員会議から、懸案であったペーパーレス化の取組を実施しました。教員に配付済みのすべてのノートPCにドキュワークスのソフトを組み込んだので、会議資料のデータをノートPCにダウンロードして会議に持ち込むことにより、会議資料のペーパーレス化を実現しました。

本校における昨年度の教員会議は、全部で25回開催し、会議資料の総ページ数は1,240ページ。印刷部数は毎回105部であったので、延べ総ページ数は130,200ページにもなりました。このことから教員会議資料を取り上げても、年間で13万ページものペーパーレス化を図ることができる計算になります。教員会議資料のみならず、運営会議、執行部会議におけるペーパーレス化も実施しておりますので、これらを手始めとして今後一層の、大幅な紙の削減を図ることができると考えています。

全員が会議の際にノートPCを持ち込み、ドキュワークスを活用して会議資料にアンダーラインを引いたり、吹き出しに書き込みをしたりしている様子は、まだ少し慣れない手つきではありますが、やがては見慣れた光景となることでしょう。今後もペーパーレス化を推進していきたいと考えています。

中学1年寿都町~きれいな砂浜を取り戻そう!環境ボランティア

立命館慶祥中学校1年生は、北海道の寿都町という港町で宿泊研修を行っています。その研修の中では、地球環境規模の取り組みとして、日本海から吹きつく風力を利用した風力発電の見学と学習を行い、また、寿都町の基幹産業である漁業についても学びます。地引網体験やホタテの養殖見学、磯場の生物観察、ホッケの開きの作成など漁業に携わる町ならではの貴重な体験を通して、漁協の方からさまざまなお話を聞く機会もあり、近年の環境変化に関するお話も聞くことができました。地球温暖化の影響で海水温の上昇による漁獲高の減少や取れる魚種に変化があること、取れる時期がずれていることなど、漁業に従事する方から地球環境の変化を聞き、環境問題について考える機会となりました。

そこで生徒たちは寿都町の環境を少しでも改善する取り組みとして、砂浜の清掃ボランティアを行いました。大陸から様々なゴミが海岸沿いに漂流し、1ヶ月もたてば砂浜のあちらこちらに流れ着いてくるとのことでした。生徒たちはクラスごとに分かれて、寿都町の海岸沿いのゴミ拾いを積極的に行い、多くのゴミを集め、砂浜は見ちがえるように美しくなりました。普段からできる限りゴミを減らす生活を心がけるとともに、この活動を通して様々な国から排出されたゴミが海を汚し地球環境を悪化させていることを学びました。

ホタルの里を取り戻す環境ボランティア

立命館慶祥中学校・高等学校では創立以来、「江別ホタルの会」を支援し、ホタルの生育を取り戻す環境ボランティア活動を行っています。北海道江別市の筋違川と早苗別川流域では、以前沢山のゴミが投棄され、ホタルの個体数が激減していました。そこで、ホタルの里を復活させようと、長年多くの地域住民のみなさんとの清掃活動により、河川環境が徐々に改善され、ホタルの個体数が、着実に増加しています。その結果、数年前から、7月初旬になると、ヘイケホタルが飛び交うようになりました。そして、生徒と地域住民の皆さんとで「ほたる鑑賞会」を開くようになりました。生徒の中には、生まれてはじめて、手にとって、ほたるの点滅を見る者もいて、そのはかない光に、意外な感動もあったようです。

「ほたる鑑賞会」の意義は、環境ボランティアで、自分たちの地域の環境が、どのように改善していったのかということを目で見て、考える上で、大きかったと思います。「1回でいいから、ホタルが見たい!」という思いだけで、生徒たちはボランティアに集いました。早苗別川の源流は、立命館慶祥の森である野幌森林公園内の湧き水です。20年位前までは、北海道屈指のホタルの名勝だったそうです。

それが、河川改修で全滅し、その後の地域の方や慶祥生の保護活動で、蛍の飛び交う川にもどりつつあります。河川環境は年々改善され、ホタルの生息数も着実に増えています。これからは、ホタルとともに、この川を多くの水辺生物が生きる環境に変えようと努力しています。

リングプル再生ネットワークの取り組み

立命館慶祥の地球環境の取り組みは、5年目となる中学1年生の「寿都」での研修から今年も始まりました。日本海に面する寿都は風が強いことでも有名ですが、昨年度に引き続き、その風力を利用した発電施設の見学をしました。町役場の職員さんから風力発電の仕組みを学び、また町長さんからは、風力をうまく「寿都の町つくり」に活かしているお話しが聞けました。生徒は、大きな風車の下で発電施設の仕組みや自然とうまく共生したこのような町つくりを勉強でき、今後の地球環境に対する取り組みに興味を持ってくれたようです。

そして、夏休み明けの取り組みは、中学校全体でリングプル(プルトップ)の回収運動を始めました。これは、3年前から地域に貢献できるような環境に優しい活動として、中高生徒会が中心となって全校活動となりました。

地元の江別市野幌商店街の「リングプル再生ネットワーク」に参加をし、校内外で回収したリングプルを集め、その収益金で車いすを地元の福祉施設に寄付しようというものです。

リングプルは現時点で120kg(2012.9.10現在)集まりました。まだまだ車いすを寄附するには遠い道のりですが、全校生徒一丸となって(今年は中学生の取り組み)環境に優しく地元にしっかりと貢献していきたいと思います。

詳しくは以下のURLに活動概要があります。
http://www.nopporosyoutengai.com/pullnet/
http://www.nopporosyoutengai.com/pullnet/2430_2682log16.html

寿都の子どもたちとともに考えたエコライフスタイル
~中学1年 寿都研修での取り組み~

今年で4年目となる中学1年寿都研修(北海道寿都町)が7月24~26日の3日間で行われました。

3月11日に東日本を中心に発生した大地震。その時の津波の影響により、福島では原子力発電所で事故がおき、周辺住民の多くが避難生活を余儀なくされ大変な被害が出ました。私たちが訪れた寿都町は泊原子力発電所から30キロ圏内に属する町です。その町を訪れることから、地元の寿都中と慶祥中との両校で、エネルギーについての現状を学び、今の自分たちにできることは何かを発表しあう取り組みを行いました。

この交流では、はじめに寿都中学校から、寿都町で行われている風力発電についての発表がなされました。それに応える形で、慶祥からエネルギーの大消費地帯で生活する私たちの観点で、地球に優しい新たなライフスタイル(私たちにできるエコ)を提案しました。

最後には、両校での学びの成果として、『私たちの行動宣言~今できることからはじめよう~』と題し、寿都、慶祥、両校の代表生徒にこれからの学校生活で私たちができることを宣言してもらい、共同宣言文を作成しました。

この取り組みを通じて、原子力発電所は必要か、不要かという議論だけでなく、そもそもエネルギーを消費しない生活を送ることも大切であることを実感することができました。今では、寿都の仲間と交わした行動提案を実践し、エコライフスタイルを続けている姿が多く見られるようになってきました。

Eco-Campus委員会を設置し、提言をもとに取り組みを進めています

2009 年にEco-Campus 委員会を設置し, その提言をもとに以下の取り組みを進めています。

  • 教職員への啓蒙: 委員会の調査をもとに, 年間の光熱費・紙の使用量などを報告し、教職員に資源節約の啓蒙を図る。
  • エコタッチの設置: 水洗トイレの水圧を落とさずに、節水をする器具を設置。
  • 20:05の一斉消灯: 早期退勤と節電のために、20時を過ぎると保安の照明を残して一斉に消灯。
  • 裏紙の利用: 反故紙を保存し, 休暇届けなど生徒に関わらない書面に裏紙を再利用。会議資料の両面印刷・内容圧縮による節紙。
  • コピーと輪転機の使い分け: 消耗品費によるコピーと輪転機の損益分岐点を試算(慶祥の場合30 枚)し、印刷室に表示
  • 定期郵送物の廃止: 自宅通学の生徒本人と保護者に、二重に配布していた通知文書を保護者会の協力を得て2011 年度から生徒手渡しに統一することで二重印刷の無駄を廃止予定。

これらの取り組みによる, 統計的な節約効果については 調査していませんが, 取り組みを通じて, 教職員の環境保 護意識が高まり, 個人が, すぐに, 実践できる環境保護(節 電・消灯など)に進んで取り組む教職員が増えてきてい ます。北海道では, 暖房による資源消費が著しいことを自 覚し, 最低限, 効率や快適性を損なうことなく実践できる 環境保全については, 今すぐ取り組んでいくことが次世代 への責任ある態度と思います。

エコタッチ導入によるトイレ使用水量削減効果