立命館守山中学校・高等学校の取り組み

SSHアドバンスト理系クラス 湖上実習・水環境ワークショップの取り組み

立命館守山高等学校では、「水」をテーマとして、数年にわたり研究調査を行っています。アドバンスト・サイエンスクラスでは、滋賀県の立地を生かしたフィールドワーク「湖上実習」、立命館大学および琵琶湖博物館、琵琶湖環境科学研究センターと連携した「水環境ワークショップ」を実施しました。

「湖上実習」では、南湖と北湖で1地点ずつ水質全般に関する調査を行いました。3日間にわたる「水環境ワークショップ」でも、環境学習船megumi号に乗って北湖と南湖に向かい、表層水と深層水(45m)、底泥、プランクトンを採取し、簡易水質調査も行い、幾度も湖水をくみ上げてプランクトンネットを通して濾過を行い、無事、実習に必要な試料を集めることができました。その後、立命館大学びわこくさつキャンパスへ向かい、立命館大学理工学部環境都市工学科水環境工学研究室・惣田訓教授と琵琶湖環境科学研究センター・一瀬諭専門員の指導のもと、Aグループ、Bグループに分かれてそれぞれのテーマに取り組みました。

Aグループは一瀬先生の指導のもとで、北湖、南湖で採集したプランクトンを、計数板を用いて定量的に分析する実習と水質調査行い、Bグループでは惣田教授の指導のもとで、5種類(琵琶湖北湖、南湖、BKC生活排水など)の与えられた水試料の採集源を推定するという課題に取り組みました。

「学校周辺を流れる水路・河川調査」と
「野洲川河口域ヨシ帯モニタリング調査:YRP※」の取り組み

※Yasu Restore Project

立命館守山中学校・高等学校は「水」をテーマとして、数年にわたり研究調査を行っています。高校2年生のアドバンストサイエンスクラスの生徒は琵琶湖をフィールドに「湖上実習、水環境ワークショップ」を実施しており、プランクトンの生息調査、水質調査などを行っています。またSci-Tech(サイテック)部では、中高の連携を活かし、中学校では野洲川、高校では目田川を中心に定期的に環境調査を行い、水質および生物調査を通して、自然環境改善や生物多様性の復活を目標に活動を行っています。

今年度の中学生の目標は、国土交通省主催の日本水大賞への出場、高校生は、ストックホルムで開催される水に関する国際大会への出場を目標としています。今年度、部活動で注目しているテーマは、人工岸である野洲川河口域において、ヨシ帯の繁茂を促しながら高い生物多様性を確保することです。さらに、改善した環境の地域住民による活用や観光資源化など、持続可能な環境維持体制の確立を目指しています。現地調査では、ヤナギの分布域拡大抑制実験として、ヤナギの樹皮を剥ぎ、露出面に身の回りの調味料や自然由来成分を塗布し、立ち枯れの促進成分を絞り込む調査を継続的に行っています。勢力旺盛なヤナギの計画的な抑制で、河口域の生物多様性の向上と環境改善を目指しています。

また、立命館大学の学生による支援団体haconiwa(ハコニワ)が主催する、地域の小中学生対象の科学教室に協力するなど、中高大の連携も推進しています。

「学校周辺を流れる水路・河川調査」と
「野洲川河口域ヨシ帯モニタリング調査:YRP」の取り組み

※Yasu Restore Project

立命館守山中学校・高等学校は「水」をテーマとして、数年にわたり研究調査を行っています。

高校2年生の選択授業の探究科学では、5人程度のグループの生徒が水路や河川に触れて課題テーマを設定し、半年間研究を行って年度末にはポスターにまとめて校内発表し、プレゼンテーション能力の向上につなげています。

またSci-Tech(サイテック)部では、中高の連携を活かし「水」をテーマに課題研究を行い、自然環境改善や生物多様性の復活を目標に活動を行っています。今年度の中学生の目標は、国土交通省主催の日本水大賞への出場、高校生は、ストックホルムで開催される水に関する国際大会への出場を目標としています。

今年度、部活動で注目しているテーマは、人工岸である野洲川河口域において、ヨシ帯の繁茂を促しながら高い生物多様性を確保することです。さらに、改善後の環境の地域住民による活用や観光資源化など、持続可能な環境維持体制の確立を目指しています。現地調査では、ヤナギの分布域拡大抑制実験として、ヤナギの樹皮を剥ぎ、露出面に身の回りの調味料や自然由来成分を塗布し、立ち枯れの促進成分を絞り込む調査を行っています。勢力旺盛なヤナギの計画的な抑制で、河口域の生物多様性の向上と環境改善を目指しています。

立命館守山高等学校 Sci-Tech(サイテック)部
「大川プロジェクト」の取り組み

立命館守山中学校・高等学校は、琵琶湖に近いこともあり、地域と連携し、数年間にわたる継続研究を進めてきました。特にSci-Tech(サイテック)部では「水環境」を中心とした調査研究を行っており、中学校では野洲川の、高校では大川の水生生物、水質などの調査研究を行っています。

生物たちは食う-食われるという「食物連鎖」という関係でつながりあっています。その関係の根底を担うのがいわゆるプランクトンで、プランクトンの多様性がその場所の生態系の多様さを決定するといっても過言ではありません。よって、プランクトンを調査することは非常に重要です。プランクトンは植物プランクトンと動物プランクトンに区別できます。動物プランクトンは植物プランクトンを食べて生育するので、植物プランクトンの方が動物プランクトンより、量が多いのが理想の形です。今回の調査ではさらに詳しく、植物プランクトンを「藍藻」「珪藻」「鞭毛藻」「緑藻」、動物プランクトンを「原生動物」「ワムシ」「節足動物」に分けて調査をしました。これまでの調査で、季節によって底生生物やプランクトンの種類が異なりました。また、そのほかの水質調査においても、溶存酸素やクロロフィル量に上流と下流で差が見られるなど、私たちが立てていた仮説とは異なる非常に興味深い結果が得られました。その内容を滋賀県自然科学部のコンクール、SSH生徒研究発表会で発表しました。今後も引き続き調査研究を行い、経年変化の特徴などを見守っていきたいと思っています。

「水環境探究ワークショップ」実施

日本最大の湖沼「琵琶湖」に隣接する立命館守山中学校・高等学校は開校以来、SSH指定を基軸に「水環境」を学校の中心的な教学課題として取り組んできました。2015年度はこの取組の一環として、立命館守山高等学校が「水環境探究ワークショップ」をSSH校3校と共に8月19日〜21日に実施しました。

このワークショップでは琵琶湖南湖の人工湖岸と砂浜湖岸でどのような水環境の違いがあるかについて仮説をたて、科学的に検証・考察し、新たな問いを発見する過程で、水環境に関わる研究の手法を学び、研究のおもしろさ、難しさなどを学ぶことを目指しました。

調査活動では人工湖岸と砂浜湖岸の担当に分かれて、各湖岸での水質、底泥の生物、湖岸の形状、水草、プランクトン、岸辺の貝類・水草について計測、サンプルを採集し,翌日にデータ分析を行い、パワーポイントにまとめました。

調査結果は、①琵琶湖の湖岸の構造と水質、②底生生物と水草、③プランクトンの3テーマについて発表しました。最後、調査活動についてご指導いただいた滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの一瀬諭氏と井上栄壮氏の講評で、様々な要因を含む調査を総合的に分析した発表を高く評価していただきました。

この経験を生かして琵琶湖での調査活動をよりいっそう深化させ、国際的な取組へと発展させていく大きな足掛かりができました。

立命館守山高等学校サイテック部が「大川フォーラム」に参加

2015年2月7日(土)に、守山市美崎自治会館で「大川フォーラム」が行われ、地域住民をはじめ約100名が参加しました。

このフォーラムは美崎自治会、守山市、京都大学東南アジア研究所と本校サイテック部で構成される「大川活用プロジェクト」が主催したもので、守山市北部の大川の水質改善はもとより、大川を「里川」として地域住民の憩いの場所に戻すとともに、地域の豊かな自然・歴史・文化等を発信していくことを目指して例年この時期に行われているものです。立命館守山高等学校サイテック部は、水耕栽培による水質浄化だけでなく、この4年間の水質の変化の分析から、川底のヘドロ除去とその有効活用や溶存酸素の増加のための水車の設置等を提案し、フォーラムのコメンテーターから高い評価を受けました。

活動報告では本校以外に、「夏休み大川自由研究室」(大川自然博物館研究会 子ども代表)、「幼稚園での取り組み」(速野幼稚園)、「取り組みの総括と今後の展開」(美崎自治会)、「まるごと活性化の取り組み」(守山市)など、さまざまな層による豊かな関わりが感じられる発表となりました。特に、守山市の学区単位で取り組んでいる「丸ごと活性化事業」の中でも、この大川での取り組みは注目されており、本校サイテック部員をはじめとした参加者たちにとって励みになる機会となりました。
その後行われた「今後を語るパネルディスカッション」では、本校サイテック部員もパネラーの一員として参加し、授業での経験を活かして、活動資金の調達方法やボランティアの集め方などの提案を行い、大いに注目を集めました。

現在、大川とその周辺の整備は計画が進んでおり、大川の河口部ゾーンでは「ウッドデッキ」の建設が2年計画で進められています。本校サイテック部のOBのみなさんが中心となって「大川活用プロジェクト支援団体」を立命館大学びわこ・くさつキャンパスを拠点に立ち上げ、立命館大学からボランティアサークルとしての公認も受けました。今後もOBのみなさんとともに、地域と連携した水環境改善に向けた取り組みを進めていきます。

立命館守山高校「水環境フォーラム2014」を実施

日本最大の湖沼「琵琶湖」に隣接する立命館守山中学校・高等学校は、開校以来スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、「水環境」を教育の中心課題に位置づけて取り組んできました。この取り組みの一環として、昨年度の立命館地球環境委員会シンポジウムでは、河川改修工事で川の水が流入しなくなった地元大川の再生を目指す「大川活用プロジェクト」について報告しました。今年度は、8月19日(火)~22日(金)に実施した「水環境フォーラム2014」について報告します。

今回のフォーラムでは、海外から5か国6校(韓国・台湾・タイ・シンガポール・アメリカ)、国内から7校(各校2~5名)の高校生が集い、共同で研究調査するプロジェクトに取り組みました。1日目のポスターセッションやミーティングを経て、2日目に「琵琶湖湖上実習」を行いました。琵琶湖北湖と南湖の2地点で湖水やプランクトンを収集し持ち帰り、各校混成のグループに分かれてプランクトンや水質の調査結果を分析し、ディスカッションやまとめをしました。最終日には、各グループが調査結果のプレゼンテーションを行いました。このフォーラムでは、事前に実施した米国ミシガン州との交流プログラムにおいて、五大湖の「水質調査」と「水環境データ」の収集をしていたこともあり、これらのデータとの比較など、壮大な試みにも挑戦することができました。

各グループがiPadを使用し、リアルタイムでデータ分析をしながら海外の生徒と英語でディスカッションするという経験は、本校生徒はもちろん、他の日本の高校生にとっても大変な刺激になりました。とりわけ、台湾や韓国の生徒の発信力には、国内高校生も終始圧倒されていました。

水環境の調査を通して、科学的な理解力、英語力、発信力など、全般にわたり海外高校生の水準の高さを改めて実感し、日本の教育の在り方に強く思いを向けることができたフォーラムとなりました。

この刺激を発条にして、2016年本校の10周年記念イベントとして開催予定の「高校生世界湖沼会議」を、何としても実りあるものとして成功させたいと決意を新たにしています。

水環境研究活動交流会

8月16日から3日間、水環境の学習・調査・研究を行う全国6校の高校生・指導教員と本校生徒70名が参加し、研究活動交流会を開催しました。本校を会場とした全体会では、市民環境研究所代表の石田紀郎先生の基調講演に続いて、各校より地域の河川や水環境の調査・改善の取り組み・研究結果を発表しました。

発表を受けて、山敷庸亮京都大学准教授、石川俊之滋賀大学准教授、大西信弘京都学園大准教授から講評があり、調査範囲の絞込みや実験の前提に疑問を持ち、精査することの必要性、高校生だからこそできる地域との息の長い調査、データ収集の重要性などをご指導いただきました。

最終日は、美崎自治会館に会場を移し、宮本和宏守山市長ご参加のもと、美崎自治会との地域連携活動交流会を実施しました。交流会では、美崎自治会の皆様より、河川改修工事で川の水が流入しなくなった大川の再生に取り組む「大川活用プロジェクト」について報告いただきました。報告を受けての意見交換では、地元の漁師の方から“川と生活”の関係についてお話いただくとともに、宮本守山市長より、行政による環境改善の取り組みや地域自治組織の大切さについてお話いただきました。

また、安藤和雄京都大学准教授からは、環境問題を科学のテーマとしてだけではなく、人間が暮らしていく組織や集団のあり方そのものとして考えていくことの大切さについてお話いただきました。

立命館守山が掲げる「文理融合」の重要性や地域、実践を通じた学びの大切さを実感した交流会となりました。

自治会・守山市・京都大学研究機関との
四者連携による「大川活用プロジェクト」のとりくみ

「大川活用プロジェクト」とは守山市の北部、琵琶湖大橋にほど近い準用河川大川の水辺環境の改善とともに、「里川」の再生と地域資源として活用する事業を行い、地域の活性化を図るものです。大川は旧野洲川の南流で、子どもたちの遊び場など地域にとって大切な地域資源でしたが、1979年の野洲川改修で川の流れがなくなり、水がよどみ水草が繁茂するなど水辺環境が悪化しました。

立命館守山高校では、2011年度に立ち上がった「大川活用プロジェクト」に参加し、昨年度は定期的に大川の水質調査を行い、12月3日に実施した「大川フォーラム」(当プロジェクト主催)でその調査結果を報告し、現在の調査を継続しています。また、10月30日に地域の子どもたちを対象に行われた「水環境調査」のティーチングアシスタントとして指導し、その時に参加した子どもたちも「大川フォーラム」で活動を報告、今年度も8月25日に「水環境調査」を自治会と一緒に行いました。

こうした活動を担っているのが、本校の科学部「Sci-Tech部 生物班」です。2010年2月に開催した「高校生国際みずフォーラムin湖国・滋賀」の参加校のつながりで、シンガポールの高校とこうした水環境改善の研究の交流も行っています。

今年度は新たに開講された「科学探究Ⅰ」(1年生必修)で「水系生態系の基礎調査方法」で大川の水質調査を教材にして、地域の水環境問題について興味関心を高めることができました。

区切り線

立命館守山では、「夏期省エネルギー緊急の取り組み」として大きく二つの取り組みを行っています。

一つめは教職員の取り組みです。使用しない時間帯のエアコン、電灯をオフにするだけでなく、広い部屋での部分的消灯や、離席時のパソコンをスリープ状態にするなど、小さな個々の取り組みが大きく蓄積した省エネになるように取り組んできました。

二つめは生徒の活動です。英語や理科、家庭科などの授業でも省エネルギーは取り上げていますが、実際の教室使用においても、エアコンのスイッチ、電灯のスイッチを未使用時にオフにすることを生徒たち自身が徹底しました。

こうした取り組みを一年を通じて行いながら、生徒も教職員も、エネルギー節約=地球環境保護の認識を深めています。

中学・高校生徒会が中心となり環境保護活動と啓蒙活動を行っています

2010 年度立命館守山中学校第一学年では7月1日よりエコ活動の一貫としてペットボトルキャップと空き缶のプルトップの回収をしてきました。これを集めることで、ワクチンや車椅子などに変えて社会福祉に貢献することが目的であり、第一学年の学級委員を中心として学年全体として取り組みを行いました。一年四組では、10月に行われた文化祭の教室展示の作品として、ペットボトルや空き缶などのリサイクル用品のみで展示作品を制作し、文化祭後全てのキャップとプルトップを回収し学年に寄付しました。

その後10月9日に一年生で集めたキャップとプルトップを回収業者に渡したところ、合計でキャップは83kg、プルトップは10kgにまでなりました。この量のキャップでワクチン41人分、プルトップで車椅子一台分とまではいきませんが、短期間で非常に多くの量が回収でき1クラス分のワクチンと換えられたことで、子供達にも分かり易い形で社会福祉を学ばせることができ、達成感も感じさせられたのではないかと思います。

今後この活動を継続し、更に学校全体として取り組むことによって一人でも多くの学生が社会貢献の意識を高め、支援活動の輪を広げることができればと思います。