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Campus Master Plan

キャンパス整備におけるファシリティマネジメント

良好なキャンパス環境の創造に向け、継続的にキャンパス整備を進めていくには、経営戦略や管理・運営面とのすり合わせが不可欠である。学園全体のトータルファシリティマネジメントの検討が不可欠となる。関連各部局との協力のもと、フレームワークプランを踏まえながら検討を進めることが重要であり、具体的なアクションプランに繋げていくための必要予算の算出や評価基準の設定とのすりあわせなども必要となってくる。

7.1ファシリティマネジメントの必要性

立命館大学が目指す良質なキャンパス環境の創造に向け、持続的なキャンパス整備を進めていくためには、そのための財源確保や実行のための経営戦略、施設マネジメントが必要であり、学園全体のファシリティマネジメント(FM)の考え方を活用することが有効である。財務・品質・供給の目標を設定し、PDCAサイクルをまわすことで全学的な体制のもと、目標の達成と更なる改善を目指すことが可能となる。

7.1.1ファシリティマネジメントとは

ファシリティマネジメントとして整理すべき一般的な項目を右記する。これらの各項目について、既存の考え方を整理し、各方針を関連づけた計画が必要となる。ファシリティマネジメントを運用するためには企画・管理・運営の主管が異なる既存部局の横断的な連携強化により、運用の効率化を図り、さらなる質の向上を目指すことが重要である。

7.1.2運用の効率化を図る推進体制

キャンパス整備・施設保全、キャンパス管理、キャンパス計画いずれも専門家を交えたフィジビリティスタディが必要となる。そのため、次のことを行っていくための推進体制が必要となる。

  • FMの計画立案
  • 各部局担当からの情報収集と現状評価
  • 施設管理のFM推進体制
  • 情報の共有化
  • 適切な運営管理

本学においては、キャンパス整備は財務部管財課、キャンパス管理・施設保全は総務部総務課・キャンパス事務課・地域連携課が担っている。また、キャンパス整備事業を計画的に推進(キャンパス計画)するための専門的検討機関として、キャンパス計画室が設置され、事務局は総合企画部と財務部が担っている。(2015年4月現在)

ファシリティマネジメントの一般的な配慮項目
財務管理(資金調達、運用)
  • 各段階における施設整備関係経費の確保(企画検討、施設整備、屋外環境整備、運営(光熱水費)、保守点検、維持管理(清掃・備品管理)、修繕・改修、人件費など)
  • 財政構造の把握と目的に応じた財源の活用(補助金、自己収入、外部資金)
  • 限られた財源の適切な分配と優先度
  • 執行状況の把握
品質管理(企画、維持・管理・修繕計画)
  • 企画から運営、維持管理までの検討組織体制の確立
  • 修繕依頼の流れと維持管理主体の明確化
  • 修繕計画作成(短期・中期・長期)
  • 保守点検、維持管理
  • 進捗の共有
  • 品質管理の均一化のための規定設定
供給管理(施設整備計画、面積の分配)
  • 施設概要の管理(構造、用途、築年数、面積等)
  • 利用状況の把握(利用目的、管理者、利用者)
  • 施設整備の優先度の明確化
  • 必要な面積を適切に分配し、施設の有効活用につなげる

7.2既存施設の考え方

7.2.1既存施設改修・改築増加への対策

この間、大阪いばらきキャンパス開設をはじめ、衣笠キャンパスやびわこ・くさつキャンパスでの再整備が続き、新棟の建設など相当数の建設事業が継続してきている。今後は、新棟の建設に変わり既存施設のリノベーション(改修・改築など)が主要な整備課題となることが想定される。将来にわたり良好なキャンパスを維持するために、施設の維持・管理・運営の強化が不可欠となる。

改修・改築計画を進める際には、教学・研究における重要度や老朽化・安全性などの緊急性などを総合的に判断し、整備の優先順位を明確にすることが必要となる。特に、衣笠キャンパスにおいては建ぺい率が上限を迎えているため、計画的かつ長期的な建替計画を検討することが極めて重要となる。

図7-1 施設整備における優先順位の設定イメージ
図7-1施設整備における優先順位の設定イメージ

7.2.2施設データの管理・更新

施設の維持・管理・運営においては、既存データの管理や活用策の強化が求められる。衣笠キャンパスには、古い建物が多く、CAD化されていない図面や的確なデータが残されていない場合がある。今後、建て替え計画や改修などを検討するために、既存資料の再整理や共有しやすい情報の整理が求められる。

7.2.3目指す空間の質の実現に向けたライフサイクルコストの検討

施設や空間は造って終わりではなく、完成してからの維持・保全が重要となる。建設費よりも多額のライフサイクルコスト(LCC)が必要となることから適切なファシリティマネジメントが重要となる。

図7-2 氷山に例えたライフサイクルコストのイメージ
図7-2氷山に例えたライフサイクルコストのイメージ

7.3キャンパス整備の推進体制

7.3.1施設整備の推進体制

フレームワークプランで示した整備方針をプロジェクト毎にあてはめ実現していく為には、関連する複数の部局を横断した推進体制が必要である。

  • 管理運営面との調整
  • 既存施設との調整
  • 全学課題との調整
図7-3 みんなでつくっている推進体制イメージ
図7-3みんなでつくっている推進体制イメージ

7.3.2最大限に施設や環境を活かすための管理・運営体制

継続・更新・発展する大学経営を支え、整備されたキャンパスを最大限に活用するためのファシリティマネジメントが必要である。長期的なキャンパスコンセプト実現に向けたキャンパス整備の手順や管理・運営体制、計画・管理・運営の一体的な評価体制の確立が必要である。