活動報告
活動レポート

テーマ:「日本を取り巻く国際情勢の厳しさ」

第1回 「日本の常識・世界の非常識」

日時:4月22日(金)

4月22日(金)、衣笠キャンパスにて、岡本行夫立命館大学客員教授による連続講演会「日本を取り巻く国際情勢の厳しさ」が行われ、約120名が参加した。本講演会は、国際情勢への深い理解や、日本人としての生き方、国際社会で果たす役割などを深く考える機会を多くの学生に提供したいという岡本客員教授の意向をうけ、将来、多様な国際舞台で活躍する個性的な人材の育成を目指して開催されている。第1回目となる今回は、「日本の常識・非常識」をテーマに講演が行われた。

冒頭、教授は、目まぐるしく変わる世界情勢を知識としてではなく、自分自身で体感することの大切さについて、自身の体験をもとに述べた。さらに、IT社会を例に世界の変化について説明し、より多様な人材が必要になっていることを指摘した。

また「世界が音を立てて変わっている」状況の中で、「いまだ日本は閉ざされている」と語り、その原因を「日本は居心地のいい社会であるがゆえに自己完結してしまい、世界の厳しさを見ないようになった」と指摘し、日本の国際競争力が停滞している様子を端的に示した。

講演会に参加した国際関係学部の学生は「初回ということで、世界各国の構造変化が具体的に提示され、わかりやすかった。次回から、より専門的な講演になると思うので期待している」と感想を述べた。

第2回 「日中友好は可能なのか」

日時:5月31日(火)

5月31日(火)、衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授(外交評論家、立命館大学客員教授、前総理大臣補佐官)による第2回立命館客員教授連続講演会が開催された。「日中友好は可能なのか」と題し、日本を取り巻く国際情勢の厳しさをテーマに講演された。

岡本客員教授は、中国の経済発展の現状や軍備の規模について説明され、経済、安全保障上、中国と上手につきあっていくことがこれからの日本にとって最重要課題であると講演した。加えて、最近、歴史教科書問題や靖国問題などで、日中関係はこれまでにないほど悪化している点を指摘し、その上で、問題解決には時間を要すが、長期にわたって対話をくり返していく必要があると訴えた。

会場には200名超の学生が集まり、中国からの留学生からも質問が出され、岡本客員教授との積極的な意見交換が行われた。

第3回 「東アジアの安全保障の仕組み」

日時:6月22日(水)

6月22日(水)、衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授(外交評論家、立命館大学客員教授、前総理大臣補佐官)による第3回立命館客員教授連続講演会が開催され、「東アジアの安全保障の仕組み」と題し、講演が行われた。

岡本客員教授は、講義の中で「何が正しいのだろう、と正面から向き合う姿勢が今の日本には足りない」と指摘し、会談決裂などの中国側の姿勢を憂慮しつつ、日本の側の歴史認識についても熟考の必要性を唱えた。また、今後、改善のめどが立たない東アジアと日本の関係を現実的に捉え、安全保障のために日本がすべきことについて解説し、「国際的な場に身を投じる学生にとって、立命館は最適な場所である」と本学学生に激励を述べ、講演会は終了した。

第4回 「世界の不安定地域、中東」

日時:7月6日(水)

7月6日(水)、末川記念会館ホールにて、岡本行夫客員教授による連続講演会の最終回が開催された。講演のテーマは「世界の不安定地域、中東」。前期最後の講演にふさわしく、現在世界で一番注目されている地域に関する講演となった。

岡本行夫客員教授は、イラク復興問題、イスラエル和平、イランの核問題など、中東が抱えるさまざまな問題について解説し、特に核問題に関しては、核廃絶は核兵器不拡散条約(NPT)の枠組みの内外に関係なく、世界全体で取り組んでいかなければならないと述べた。また、イスラム教についても触れ、イスラムの人々のほとんどは法を守るきちんとした人であり、テロとは全く関係のない人々であることを理解して欲しいと訴えた。

会場には多くの学生が集まり、質疑応答では岡本行夫客員教授が質問者に意見を求めるなど、積極的な意見交換が行われ、活発な議論が繰り広げられた。

岡本行夫客員教授によるプログラムは後期も行われる予定。

2005年度 後期

*ゲストスピーカーの肩書は招聘当時のものです。

テーマ:「国際人として生きるための常識論」

第1回 「世界を知らない日本病」

日時:10月27日(月)

10月27日(月)衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」ならびに、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム 第1回ゼミナール」が開催された。

講演会は「~国際人として生きるための常識論~世界を知らない『日本病』」をテーマとして行われ、学部生から大学院生、一般市民の方まで約130名が参加した。岡本客員教授からは、日本が今後、どのように国際社会に貢献していくかを考えるときに、まずはひとりひとりが世界全体の枠組みを知り、国際感覚としっかりとした自分の考え方を持つ事が大切であると語った。また、「個人としての価値観・自信を持って、世界を相手にわたりあえる人間になって欲しい」と参加者を激励した。

引き続き実施されたゼミナールでは、今年度後期より実施されている「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム」の受講生16名から、将来の目標やプログラムにかける思いが発表され、岡本客員教授からは、受講生に対して暖かいアドバイスや質問が投げかけられ、熱気溢れるゼミナールとなった。

次回の講演会は11月8日(火)13時から開催予定。

第2回 「日本と国際社会とのかかわりこの100年」

日時:11月8日(火)

11月8日(火)衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」ならびに、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム 第2回ゼミナール」が催された。

講演会は「~国際人として生きるための常識論~日本と国際社会とのかかわりこの100年」をテーマにして行われ、約130名が参加した。岡本客員教授は、史実をもとに日本が昭和の初めから第二次世界大戦に至るまでの経緯について説明し、日本の戦争責任などについても様々な視点から語った。そして、「日本が今後アジア諸国と友人として付き合っていくためにも、歴史に直面する勇気を持って欲しい」と参加者に訴えた。

引き続き行われたゼミナールでも、岡本客員教授と受講生との活発な意見交換がなされた。受講生から「今後、日本はアジアとどのように付き合っていったらいいのか」という質問に対し、岡本客員教授は、「異なった価値観が併存していることを認識するためにも、多くの人と議論をしていって欲しい」と答えた。

第3回 「国家の安全保障」

日時:12月14日(水)

12月14日(水)衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」ならびに、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム 第3回ゼミナール」が開催された。

講演会は「~国際人として生きるための常識論~国家の安全保障」をテーマにして行われ、約100名が参加した。岡本客員教授は、国の安全保障を考える上での「抑止力」の重要性について言及し、日米関係やアジア諸国との将来の関係について述べた。

引き続き行われたゼミナールでは、新憲法草案や集団的自衛権のあり方、沖縄の米軍基地問題や振興策など、広範なテーマについて議論がおこなわれ、熱気あふれる授業が展開された。

次回第4回講演会は1月17日(火)に実施予定。

第4回 「日本のアジア太平洋外交」

日時:1月17日(火)

1月17日(火)、衣笠キャンパスにおいて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」ならびに「国際社会で活躍する人材養成プログラムゼミナール」が行なわれた。

最終回となった今回の講演会は、「アジア・中東との異文化外交」をテーマに開催され、およそ100名が参加した。岡本客員教授は、現代日本の問題点として、アジア諸国に対するパトロナイズ意識について指摘し、状況改善には日・印・中の対等なパートナーシップの構築が必要であると語った。また、国際情勢への関心が低い若者に危機感を示した。

続いて行なわれたゼミナールでは、学生の質問に答える形式で、経済成長と両立する福祉や人権政策についてディスカッションがなされるとともに、岡本客員教授からは、国際社会において日本が求められる行動について、長期的視点に基づいた分析・行動の必要性が訴えられた。