活動報告
活動レポート

テーマ:「日本人の国際競争力」

第1回 「日本経済の競争力」

日時:4月25日(火)13:00~14:30

4月25日(火)衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」および、「国際社会で活躍する人材養成プログラム」のプレゼミナールを開催し、100名を超える学生が参加した。

講演会では、「日本経済の競争力」をテーマに行い、岡本客員教授は、前期のテーマである「日本人の国際競争力」の強化に必要な要素としては、物事をまとめ上げる「自らの発想力」、それを身に付けるための「模倣」、机上の議論で終わらないようにする「現実を見据える力」、agree to disagree(=不同意の合意)つまり、「不合意が生まれることの理解」の4点を挙げた。また、昨今問題になっている、竹島問題や、EUからの靖国批判について、「日本の立場を示す世界へのメッセージ」の必要性を訴えた。

最後に、日本が「ものづくり」をしていく中で、「無から有」を創るフィールドや、「大量生産」を行うフィールドではなく、「多品種少量生産」のフィールドでの活動を中心的に行っていくべきだと述べた。講演終了後も活発に質疑が行われ、熱気あふれる講演会となった。

続いて行われた、「国際社会で活躍する人材養成プログラム」のプレゼミナールでは、「プロアクト(*)型の人間」となって将来に向かっていってほしいとの岡本客員教授からの激励に、参加者も今後のプログラムや将来への思いを新たにしていた。

(*)プロアクト…自らの意思で能動的に動くこと

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第2回 「日本外交は世界に勝てるのか」

日時:5月15日(月)10:40~12:10

5月15日(月)衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会」および、「国際社会で活躍する人材養成プログラム」のゼミナールを開催した。

講演会は、国際競争において最も重要な位置を占める外交について「日本外交は世界に勝てるのか」をテーマに行われ、120名の学生が参加した。

岡本氏は、現在の日本外交を良い点と悪い点の両側面から分析したうえで、今後の外交の指針について、どうあるべきかを述べた。また、ほとんどの国が他国からの支配という歴史を有し、それに抵抗して独立や自己の確立をなし得てきた一方、日本は長い歴史において他国からの侵略をほとんど受けることなくstatus quo(現状維持)を是と考えてきた歴史的背景に触れ、外国と日本では外交に対する視線が異なることを指摘した。

講演の最後には、今後の外交の指針として自国の意思を明瞭に伝えること、対外諸国が厳しい歴史の中で生き抜いてきたという認識、そして日本の真の「国益」に基づいた外交戦略の策定の必要性を訴えた。

引き続き行われたゼミナールでは、講演会についての質疑や次回の講演テーマである安全保障論についての議論が活発に行われた。岡本氏は学生の質疑の着眼点を積極的に評価するとともに、学生の質問に対する回答や更なるトピックを提示するなど、終始 活気あるゼミナールとなった。

次回の岡本客員教授講演会(6月27日(火):「日本の安全保障論は世界に通用するのか」)

第3回 「日本の安全保障論は世界に通用するのか」

日時:6月27日(火)13:00~14:30

6月27日(火)衣笠キャンパスに於いて、立命館大学客員教授・岡本行夫氏による客員教授連続講演会の第3回目講義およびゼミナールを開催した。

今回は「日本の安全保障論は世界に通用するのか」をテーマに講演を行い、岡本客員教授は「日米安全保障体制の最大の意義は『抑止』にあり、日本は『抑止』が働いていることで平和が維持されている現実を踏まえる必要がある」と述べた。また、日本がとるべき選択肢を比較・検討する際には、その本来の意味を正しく認識して議論する必要性を強調した。会場からは活発な質疑応答があり、岡本客員教授から「国際社会の幅広い出来事に問題認識を持つことが大切である」との指摘があった。

さらに、その後に行われたゼミナールでは、感情的にならず自ら価値観を持って発言することの大切さや、事実に基づく冷静な判断の重要性が指摘され、活発な議論が展開された。

第4回 「日本人が世界で活躍するための条件」

日時:7月6日(木)13:00~14:30

7月6日(木)衣笠キャンパスにおいて、立命館大学客員教授の岡本行夫氏による客員教授第4回連続講演会およびゼミナールを開催した。前期最終講義である今回のテーマは「日本人が世界で活躍するための条件」。

岡本客員教授は、「世界で活躍するための条件」を、①物事の価値を自分で判断できること、②相手の立場にたって物事を考えることができること、最後に、③相手との考え方の差異を知ることの大きく3つに分けて説明を行った。そして、イラクで亡くなった奥克彦大使を例にあげて、必要なことは心をひらいて「心の余裕」を持つことであり、「心の余裕」は幅広い教養によって身に付くものであると述べた。今回も会場からは活発な質疑応答があり、その中で岡本客員教授は、「自分の足で世界を回ることによって、他の全く違う価値観を自分の内に取り込むことが必要である」と述べて、講演は終了した。

その後開催された、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム ゼミナール」においては、使命感を持って物事に取組めば道は開けることや、国際社会で働く際の心構えなどをテーマに、活発な議論が行われた。

2006年度 後期

*ゲストスピーカーの肩書は招聘当時のものです。

テーマ:「日本人の国際競争力~第2部~」

第1回 「日本人の発想力」

日時:10月13日(月)10:40~12:10

10月13日(月)、衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会後期第1回講演会」ならびに、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラムゼミナール」を開催した。

講演会は「日本人の国際競争力~日本人の発想力~」をテーマに行った。岡本客員教授は国際競争力の根本について「人まねでない独自のアイデアを作り出せる発想力にあり、その発想力を養うには多種多様の価値観を受け入れることが必要だ」と語った。

またアメリカと日本の開発における創造性を比較し、「居心地のいい社会では、これからの競争についていけない。模倣から決別しなければならない」と指摘したうえで、「色々な価値観を受け入れる姿勢で自分なりのプラットフォームをつくり、信念を持って目標に向かってチャレンジしていくことが大切だ」と力強いメッセージを送り、講演を終えた。

引き続き行われたゼミナールでは、講演会の内容をテーマに活発な意見交換が行われ、岡本客員教授は「正義感、義憤が人間を突き動かす、ということも大切」、「自分の考えを持ちながら、先を見越してに物事を考えていくことが大切だ」と訴え、「何か新しいことをしようとすれば簡単にできる、『きっとだめだ』という考え方を突き崩していってほしい」と受講生を励まし、ゼミナールは終了した。

第2回 「日本を待つ2007年の世界」

日時:12月18日(月)10:40~12:10

12月18日(月) 衣笠キャンパスにて、岡本行夫客員教授による「客員教授連続講演会後期第2回講演会」ならびに、「国際社会で活躍する人材養成特別プログラムゼミナール」を開催した。

講演会は、「日本を待つ2007年の世界」をテーマに行われ、岡本客員教授は、「先日のアメリカ中間選挙の共和党の敗北によって生じたdivided government (異なる党が行政と立法のイニシアティブを握る政治形態) が今後のアメリカの対外政策に影響を及ぼすであろう」と述べた。また、チリ・エスコンディーダ鉱山視察の感想を踏まえ、今後は世界規模で資源獲得競争が熾烈になると指摘し、特に中国の動向については注目する必要があると訴えた。また、参加者との質疑応答では新内閣に対する現段階での評価など、時事問題を意識した質問に対し丁寧に答えた。

続いて行われたゼミナールでは、今後の国際情勢において、日本が国際社会からの要請に応えるために改めるべき点について議論を行った。受講生からは、著しい経済発展を遂げている中国・インドに関する質問が多くなされ、特に日本と中国の政府間、市民間における関わり方について様々な意見が交換された。岡本客員教授は、首脳外交だけでなく学生の相互交流が両国の関係改善に役割を果たすことができると受講生を励ました。