ごあいさつ
グローバル人材育成の最先端
立命館大学国際関係学部長
西村 智朗
安藤次男学部長時代の2000年に始まった「オープンゼミナール大会」には、「立命国関」の特徴がぎっしり詰まっています。
いまや日本中の多くの大学に国際系学部──国際学部、国際教養学部、国際関係学部等──がありますが、2000年頃、国際系学部はまだ少なく、国際関係学部とは何なのか、国際関係学部で何を学ぶのか、社会一般によく知られていませんでした(いまでもまだ充分に知られていないかもしれません)。オープンゼミナール大会は、企業の皆様を含めて、社会一般に国際関係学部の学びを知ってもらうための重要なチャネルです(特徴その1)。
国際関係学部の学びは、1988年の学部創設以来、学生の主体性、イニシアティブを重視するアクティブ・ラーニングを特徴としてきました。オープンゼミナール大会は、事前準備から当日の運営まで、学生も主体的に参加しています。学生の主体性は、国際関係学部ならではの特徴です(特徴その2)。
オープンゼミナール大会に参加するのは、国際関係学部の専門演習(ゼミ)を単位とするチームです(自主ゼミも参加します)。大会で展開されるプレゼンテーションのテーマの多様性はまさに国際関係学の多様性──様々な学問分野の共同作業としての国際関係学──を示しています。学生諸君は、環境問題、農業問題、戦争の民営化、中東問題等、政治・法、経済、文化の様々な問題に切り込んでいます(特徴その3)。
国際関係学部は2011年4月、国際関係学を日本語ベースで学ぶ国際関係学(IR)専攻と英語ベースで学ぶグローバル・スタディーズ(GS)専攻の2専攻体制になりました。GS専攻の開設により、世界中から多国籍の教員と国際学生を迎え入れ、「立命国関」のグローバル化が深化しました。オープンゼミナール大会も日本語と英語の2言語で行われるようになり、国際系学部の学びの最先端を切り拓いています(特徴その4)。
「立命国関」の教職員一同、学生諸君が、時代の喫緊の課題に敏感に反応し、それに対して深い学問的考察を加えて問題を分析し、それに対処する政策を提案することを願っています。そして、学生らしい大胆さ、率直さ、斬新さも期待しています。
これら学生諸君の取り組みに対して、企業の皆様の忌憚のないご意見、厳しいご指導・ご鞭撻をたまわりますよう、お願い申し上げます。企業の皆様との交流、対話が、学生諸君にとっても、自分自身の進路について考える貴重な機会となるに違いありません。