荒木努教授(理工学部)を日本側研究代表者とする国際共同研究が、国立研究開発法人科学技術振興機構(通称「JST」)による日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業(通称「NEXUS」)の新規課題「日本-ベトナム国際共同研究(半導体分野)」に採択されました。

 NEXUSは、日本とASEAN諸国との共通重点分野における国際共同研究を推進する事業で、採択課題には研究費が支援されます。今回、JSTはベトナム科学技術省(通称「MOST」)と連携し、「半導体」分野の共同研究課題を公募しました。その結果、応募17件の中から5件が採択され、荒木教授がフェニカ大学およびハノイ工科大学とともに申請した研究プロジェクトが選ばれました(支援額:約1億5000万円+間接経費)。なお、採択された5件のうち、私立大学の参画は日本の立命館大学およびベトナムのフェニカ大学のみです。

 本プロジェクトは2025年10月から3年半にわたり実施され、ベトナム人若手研究者の育成も重要な柱としています。これに基づき、理工学研究科では、ベトナムから大学院生を受け入れ、博士号取得を支援していく予定です。

 今回の申請に際しては、当時立命館国際連携室副室長であった荒木教授が立命館大学ASEAN事務所と連携し、フェニカ大学・ハノイ工科大学との国際共同研究体制の構築を主導しました。今後も「研究の国際化」をさらに推進してまいります。

採択された研究の概要

<研究課題名>
理論解析と実験的アプローチによる先進窒化物半導体HEMT材料エンジニアリング
<研究概要>
本研究は、ワイドバンドギャップ半導体である窒化物半導体を基盤とする高電子移動度トランジスタ(HEMT)技術の発展とHEMT材料を応用した高感度バイオセンサーの創製を目的とします。
具体的には、日本側は半導体の材料品質向上、デバイスプロセス開発、大面積ウエハー適用に取り組み、ベトナム側は先端計算手法とプロセス技術を活用し、電子移動度の向上、欠陥密度低減、効率向上に取り組みます。
両国のチームによる共同研究を通して、次世代通信インフラ、自動車用パワーエレクトロニクス、無線電力伝送、バイオメディカルセンシング、省エネ型パワーエレクトロニクスへの応用基盤の確立に加え、窒化物半導体デバイス技術を元にした日ベトナム間学術・産業連携の強化と長期的な協力関係の構築を目指します。

荒木努教授のコメント

 採択の知らせを受け、身が引き締まる思いでした。立命館大学で積み重ねてきた半導体材料・物性研究の知見を、この日本-ベトナム国際共同研究に生かしていきます。今回の採択は、国際連携室や研究部との連携による“チーム立命館”の成果です。これまでベトナムで築いてきた高度IT人材育成のネットワークを、半導体分野へとつなげていきます。博士学生の受け入れを通じて、日越の若い力が互いに刺激を与え合い、次世代半導体の可能性を切り拓いていくことを期待しています。

関連情報

NEXT

2025.09.24 TOPICS

2025年度秋季 立命館大学卒業式・大学院学位授与式を挙行

ページトップへ