『2017立命館びわこ講座』第2回が2017年10月28日(土)に、第3回が11月4日(土)にびわこ・くさつキャンパスにおいて、それぞれ開催されました。

第2回「滋賀の薬草栽培」

第2回の講師を務めた薬学部 田中謙 教授
真剣に聴講されている受講生の皆さん

 前半は、漢方薬の学術的背景や生体を維持する「気」「血」「水」などについての説明の後、具体的な生薬の種類と効能について解説されました。また、婦人科の事例を挙げながら、症状によっての生薬の選び方について分かりやすくチャート図を用いた説明がなされました。
 後半は、薬草の生息地や生産国の輸出推移、栽培法などについての講義となり、伊吹山はヨモギやトウキなどに代表されるように南限植物と北限植物が交雑していることや、薬草は食害にあうと効能物質が増えるなどの植物と昆虫の相互作用について理解が深まりました。
 健康に関心の高い受講生の皆さんにとって、漢方について体系的に学べ、身近に感じていただける講義となりました。

【受講された皆さんの声】
・伝統的な漢方について全く知識を持っていなかったのですが、本日の講義ですごく身近に思えるようになり、場合によっては漢方薬を使用してみようと思うようになりました。
・漢方は種類も多く症状によって様々なのでとり方に気を付けた方が良いことや、普段の生活から気の流れを気にするようにして身体の異変に気を配りながら過ごすことの大切さがわかりました。
・薬草と昆虫の関係は大変興味深く聞かせて戴き、植物が害虫対策を工夫していることなど改めて自然の不思議さを知ることができました。
・医食同源と言いますが、毒素の含有量によって薬・香草・野菜に分かれているところ、生息地によって薬効が異なるところが興味深かったです。人間の長年の経験から育まれた漢方薬ってすごいなと思いました。

第3回「ゆるキャラの歴史的変遷―滋賀発ゆるキャラのあるべき姿像―」

第3回の講師を務めた映像学部 中村彰明憲 教授
イラストや動画などを多用し、わかりやすく構成された講義が好評でした。

 前半の講義では、冒頭の「日本人にはキャラクターを好きになる素地がある?」から始まり、イラストの元祖とも考えられるラスコー洞窟の壁画や鳥獣戯画、時代の流れで浮世絵師が新聞の挿絵画家になったことなど、キャラクターが出てくるまでの歴史について説明がなされました。その後、アメリカから学んだキャラクタービジネスを活用して社会現象にもなった「スヌーピー」や「ハローキティ」など多様な業界を巻き込んだビジネス・エコシステムについて、動画も交えて講義が進められました。
 後半は、ご当地キャラクターの起源として様々なイベントのキャラクター事例をあげながら、2004年の「ゆるキャラサミット」を経て「ひこにゃん」「くまモン」「ふなっしー」が登場し、その成功要因と経済効果などについて解説されました。
 中村教授はローカルキャラクターを開発するうえで考えるべきポイントとして、差別化や外部を呼び込む魅力の再確認、外部意見の取り込みや内部の共感との統合などを挙げ、現在はアニメを活用した聖地巡礼なども社会現象となっていることから、ロケ地などが多い滋賀はまだまだゆるキャラを活用できる可能性があると締めくくりました。

【受講された皆さんの声】
・今まであまり見聞きしたことのない講義であったため、興味深く拝聴しました。映像学部の存在も知ることができ、学問の世界の広さを改めて実感しました。これからはご当地キャラを見る目が変わるのではないかと思います。
・ゆるキャラが生まれるまでの歴史的背景がこんなに奥深いもので、それを学術的に説明していただき、面白かったです。ゆるい雰囲気の中には戦略も含められていて、キャラクターの中に秘められた力を再発見できました。
・地域のキャラクターが作られようとしているところなので、大変興味深く聞きました。今頃作るのは遅いのではと思っていましたが、運用の仕方で工夫すれば面白いと思いました。

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