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2023.07.26

【レポート】ブックローンチを開催しました!Dr.靳春雨『中國・日本の詩と詞:『燕喜詞』研究と日本人の詩詞受容』

 2023年7月19日(水)17:00~18:00、オンラインにて3月に出版されたDr.靳春雨(立命館大学立命館アジア・日本研究機構専門研究員)の単著『中國・日本の詩と詞――『燕喜詞』研究と日本人の詩詞受容』(朋友書店)のブックローンチを開催しました。

 本書は、日本や中国などの域外の蔵書機関で、詞学文献の所蔵状況を実際に調査した上で詞集の詳細な書誌情報、刊行状況、版本の流伝過程を整理し、それらが文学の発展に果たした役割を明らかにするものです。また、本書は、詞集の書誌情報の基礎的調査と特定の詞集の研究を行った上で、すべての情報を統合して、詞集の中国文学、特に日本漢文学における位置づけと意義を検討しています。注目するべきは、本書が、日本や中国の善本を用いることで、文献学的考察を加えて本文の批評を行い、作品の原姿を探求していることや、日本や中国(・朝鮮)に伝来した漢籍を用いて、詞籍が流伝し、具体的な作品の解読が行われ、さらに著者自らの作品を生み出すまでの過程を跡づけることで、漢字による文化の受容と創作という独特の文化現象を解明する文学的な研究を目指していることです。

 ブックローンチでは、Dr.靳が中国大陸・台湾、日本、韓国の図書館や資料館で資料調査時の写真や経験談などを語る大変貴重な時間を共有することができました。質疑応答では、古典文学研究の具体的な方法や、詞の伝承方法、詞のリズム・韻字・規則などについてコメントや質問があり、熱心な議論が交わされ、大変有意義なブックローンチとなりました。ご参加いただいた皆さまに、深謝申し上げます。

報告を行うDr.靳春雨
報告を行うDr.靳春雨

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