学術誌と出版

AJI ブッククラブを始めました!

 2022年4月、「AJI ブッククラブ」を始めました。これは、広く「アジア・日本研究」に関わる書物について紹介したり議論したりするシリーズです。 研究者の誰もが好きな書物・書籍・文献について語り合う場を持つことは、とても楽しいと思います。

 AJI ブッククラブの中には、新刊紹介の「ブックローンチ」シリーズ、研究史上の重要文献などについて著者にお話しを聞く「著者は語る」シリーズ、歴史上の古典や現代の重要文献について、研究者のお話しを聞く「重要文献を語る」シリーズがあります。

ブックローンチ、続々と開催!

 ブックローンチは「新刊案内」です。研究所メンバーの著書や、研究所の活動に関わって生まれた書物、アジア・日本研究に関する新刊書籍などを、著者・編者・訳者に語っていただきます。

 新しい本について、作り手という、一番その本のことをよく知っている人のお話しを直接聞くことができる機会です。院生や若手研究者にとって有益なことも聞くことができるチャンスです。

 お誘い合わせの上、ご参加ください。

《AJIブックローンチ》シリーズ・既開催分の報告

根岸貴哉『野球のメディア論:球場の外でつくられるリアリティ』(2024年7月29日)
角田燎『陸軍将校たちの戦後史:「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容』(2024年5月28日)
向静静『医学と儒学:近世東アジアの医の交流』(2023/12/15)
Muhammad Riza Nurdin, Islamic Civil Society Organizations and Their Role in Forming Social Capital in Disaster-Hit Communities in Southeast Asia: The Cases of Aceh and East Java, Indonesia (2023/12/6)
Nobuyuki, Matsui. Evolving Postwar Japanese Philosophy: Odyssey Towards a Contemporary Cosmology through the Human Body, Technology, and Ecology (2023/10/18)
望月葵『グローバル課題としての難民再定住:異国にわたったシリア難民の帰属と生存基盤から考える』(2023/6/22)
靳春雨『中國・日本の詩と詞:『燕喜詞』研究と日本人の詩詞受容』(2023/7/19)
矢藤優子・吉沅洪・孫怡(編)『現代中国の子育てと教育: 発達心理学から見た課題と未来展望』(2023.5.31)
Matsui Nobuyuki (ed.), Globally Shared Common Sense from the Philosophy of Imagination: Bridging Eastern and Western Perspectives(2022.12.14)
小田なら『〈伝統医学〉が創られるとき:ベトナム医療政策史』(2022.12.7)
永野聡・劉慶紅・三上己紀(編)『ロングライフウェルネス:ジェロントロジーの理論と実践』(2022.10.26)
中戸祐夫・崔正勲(編)『北朝鮮研究の新地平:理論的地域研究の模索』(2022.9.30)
帯谷知可『ヴェールのなかのモダニティ:ポスト社会主義国ウズベキスタンの経験』(2022.7.13)
李眞惠『二つのアジアを生きる―現代カザフスタンにおける民族問題と高麗人(コリョ・サラム)ディアスポラの文化変容』(2022.6.22)
桐原翠『現代イスラーム世界の食事規定とハラール産業の国際化:マレーシアの発想と牽引力』(2022.6.15)
ウェンディ・パールマン『シリア 震える橋を渡って:人々は語る』(2022.6.9)
ハシャン・アンマール『イスラーム経済の原像:ムハンマド時代の法規定形成から現代の革新まで』(2022.6.3)
渡邊駿『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配:非産油国ヨルダンの模索』(2022.5.25)
鳥山純子『「私らしさ」の民族誌:現代エジプトの女性・格差・欲望』(2022.5.20)
Ai Kawamura(川村藍), Grafting an Islamic Sapling onto the Tree of Legal Dispute Resolution: Alternative Approaches to Civil Disputes in Islamic Finance in the Gulf and Southeast Asia(2022.4.20)

「著者は語る」、スタートしました!

 以前に刊行され、研究史では大きな意味を持っているけれども、若手研究者から見るとすでに「古典」となっているような書物は、たくさんあります。著者が活躍しているのですから、昔の本というわけではありませんが、若手から見ると、時には自分が生まれる前に出された本だったり、物心つく前に出された本だったりします。そうすると、歴史のオーラをまとった文献として、なかなかパーソナルな実感を得られないです。

 そんな本について、著者のお話を直接聞き、質問もできる機会があったら、どうでしょうか。素敵ではありませんか?

 というわけで、以前に出た重要な本について、著者に語っていただくというシリーズを始めました。

 第1回は、末近浩太先生の『現代シリアの国家変容とイスラーム』(2005)にご登場いただきました。この本は、20世紀に歴史的シリア(シャーム)が「小シリア群」に分割されていく過程を論じ、その流れが今後も続くということで、21世紀のさらなるシリア分割(=2011年からのシリア内戦)を予言した書と言えます。

 このような本のことを、著者から直接聞ける機会です。是非、ご参加ください。

《著者は語る》シリーズ・既開催報告

「重要文献を語る」、企画中!

 もう1つのシリーズは、「重要文献を語る」です。これは歴史上の古典、あるいは研究史上の重要文献について、著者ではなく、その文献に詳しい研究者に語っていただく「重要文献を語る」です。

 現在、企画を練っていますので、秋にはシリーズを開始する予定です。乞うご期待。