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2022.05.16

第1回ブックローンチ開催！Dr.川村藍が著書Grafting an Islamic Sapling onto the Tree of Legal Dispute Resolution: Alternative Approaches to Civil Disputes in Islamic Finance in the Gulf and Southeast Asia（2021年12月刊）について報告

2022年4月22日（金）、立命館アジア・日本研究所、および立命館大学中東・イスラーム研究センター（CMEIS）の共催で、Book Launchがオンラインで行われました。

今回は、Dr.川村藍（三井物産戦略研究所・研究員）が、刊行した書籍Grafting an Islamic Sapling onto the Tree of Legal Dispute Resolution: Alternative Approaches to Civil Disputes in Islamic Finance in the Gulf and Southeast Asia（2021年12月刊）の紹介報告が行われました。Dr.川村は、地域研究、イスラーム金融、比較法学を専門としており、とくに最近ではイスラーム金融の民事紛争による「価値観」の創出とその課題に焦点を当て研究を行っています。

本報告では、主に20世紀半ばから勃興したイスラームの理念に基づいた金融システムがいかに資本主義経済の中で発展してきたか、イスラーム経済学に寄せられてきた批判とそれに伴い登場したイスラミック・モラル・エコノミーという概念がどのように機能しているのかについて、ドバイとマレーシアのフィールド調査や資料分析に基づいた書籍の内容が紹介されました。結果として、イスラーム金融の民事紛争による「価値観」の創出とその課題について、実証的根拠に基づく多面的・多角的な議論が展開されており非常に示唆に富む書籍の紹介報告となりました。

質疑応答では、「本当のイスラーム金融」いわゆるイスラーム世界におけるイスラーム金融としての価値の基準や、シャリーアボードの役割について、といった学術的に大変興味深い意見交換が行われました。加えて、Dr.川村が書籍を執筆するにあたってご苦労されたことやフィールド調査に関する極意そして、今後の研究の展望についてなどBook launchという場だからこそ耳にすることができる大変貴重なお話も詰まった大変有意義な会となりました。

報告を行うDr.川村

当日の会場の様子