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2022.05.31

第3回ブックローンチを開催しました!Dr.渡邊駿が『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配――非産油国ヨルダンの模索』についての報告

 2022年5月25日(水)、立命館アジア・日本研究所および立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)の共催で、Book Launchがオンラインで開催されました。

 今回は、著者のDr.渡邊駿(日本エネルギー経済研究所中東研究センター専門研究員、京都大学特任研究員)が、今年2月に刊行した書籍『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配――非産油国ヨルダンの模索』について紹介報告を行いました。著者はヨルダン政治研究、現代アラブ君主制論を専門としており、現職においてはマシュリク地域や湾岸諸国の情勢分析および安全保障に関する研究、ジハード主義組織の動向分析などに従事されています。

 本書はアラブ世界においてなぜこれほどにまで君主制が存続しているのかという問いについて、アラブ君主制国家諸国におけるフィールド調査と資料分析に基づいた質的事例研究から考察を加えており、君主制研究や権威主義体制論、現代ヨルダン政治研究のそれぞれの理論を応用した多角的な議論を展開しています。本報告では、現代アラブ君主制国家群という政治体制類型を提示することで立憲君主制と絶対君主制という二元論を打破し、現代の君主制研究に新たな示唆を与える本書の特徴が紹介されました。

 質疑応答では、研究を行う上での地域研究の利点や、地域研究と他のディシプリンとの兼ね合いについて活発的な議論が交わされました。また、若手研究者に向けてフィールド調査における著者からのアドバイスもあり、非常に有意義な会となりました。

渡邊先生ブックローンチ開催の様子1
著書について話すDr.渡邊

渡邊先生ブックローンチ開催の様子2
当日の参加者の様子