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2022.06.20

【レポート】第6回ブックローンチを開催しました!Dr.桐原翠(日本学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員)がハラール産業に関する自著について報告

 2022年6月15日(水)17:00~18:00、オンラインにて、Dr.桐原翠・日本学術振興会特別研究員の新刊『現代イスラーム世界の食事規定とハラール産業の国際化:マレーシアの発想と牽引力』(ナカニシヤ出版)のブックローンチを開催しました。

 本書は、東南アジアのマレーシアを中心に現代のムスリムの食事規定への着目し、ムスリム社会・経済の活動の一環としてのハラール産業について考察したものです。著書紹介では、主に、ディアスポラ、企業、国家、ムスリム知識人といった様々なアクターから見た現代世界におけるハラールの意味を明らかにしました。また、本書が産業研究ではないことが、本書が立脚するイスラーム経済としてのハラール食品産業論、持続型生存基盤研究、イスラーム世界論とイスラーム地域研究を紹介しながら、明らかにされました。さらに、「食」への関心が様々な側面から高まる時代において、イスラームの思想から生じたハラール生存や食を考えることで、ムスリムの生存基盤を究明することを今後の課題として提示するなど、実証的根拠に基づく議論が展開されており、多くの示唆に富む書籍紹介となりました。

 質疑応答では、ハラール産業をめぐる法学などの議論と、産業のボトムアップ型などの実践の側面とのギャップや、ハラール食品やイスラームのブランド化について、学術的に大変興味深い意見交換が行われました。加えて、読者へのアピールポイントやフィールド調査でのエピソードについてなど、ブックローンチという場だからこそ聞くことができる大変貴重な話が詰まったとても有意義な会となりました。

 

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自著について話すDr.桐原

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ブックローンチの様子