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2023.01.19

【レポート】第12回AJIブックローンチを開催しました。Matsui Nobuyuki (ed.), Globally Shared Common Sense from the Philosophy of Imagination: Bridging Eastern and Western Perspectives (Asia-Japan Research Institute, Ritsumeikan University, 2022)

 12月14日(水)、第12回AJIブックローンチを開催しました。今回は、2022年9月にアジア・日本研究所から刊行したMatsui Nobuyuki (ed.), Globally Shared Common Sense from the Philosophy of Imagination: Bridging Eastern and Western Perspectivesを取り上げ、執筆陣の中から、Dr.松井信之(立命館大学OIC総合研究機構 助教)、Dr.フェルナンド・ウィルツ(京都大学文学部 助教)が本書の執筆の背景について話しました。司会は、Dr.マッダレーナ・ボルサート(立命館大学 食マネジメント学部 専門研究員)が務めました。

 同書は、「共通感覚(common sense)」と「想像力」などの概念を手掛かりに、日本哲学・西洋哲学・認知科学・技術メディア論など、様々な観点から、現代世界において「想像力」の重要性をいかに認識しうるかを問うています。今回のブックローンチでも、この問いのもとで、まず、Dr.松井が西田幾多郎と中村雄二郎の関係を軸に、「無の場所」の概念からデジタル化の現象を理解することが可能であることを強調する報告がなされました。次に、Dr.ウィルツは、同書で取り扱った三木清や戸坂潤だけでなく、京都学派のなかでも比較的傍流に位置づけられる中井正一や三枝博音などにも注目しながら、戦中から戦後にかけて形づくられた知的文化を再構成することの重要性について話しました。

 Q&Aでは、共通感覚が「グローバル」と形容されうることの意味、哲学における「共通感覚」の論じられ方など、本書を理解するうえでも非常に重要な問いをめぐって活発な議論が共有されました。

著書と担当した章について報告するDr.松井
著書と担当した章について報告するDr.松井

著書と担当した章について報告するDr.ウィルツ
著書と担当した章について報告するDr.ウィルツ

Q&Aの様子(右:Dr.ボルサート)
Q&Aの様子(右:Dr.ボルサート)

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